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いせかいノ歴史  作者: アワアビ
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ランスイセン島

 全ては例外なく過去があり未来があり今があり歴史がある。たとえそれが絶滅し完全に忘れ去られ二度と復活しない。そんな事実でも運命でもそれは確かに存在した。


 これは異世界バージョンの物語


 あなたは無人島に1つだけ持っていくなら何を持っていく?という質問を聞いたことないだろうか?この問いに対し火をおこせるアイテム、サバイバルナイフ、水、雨風をしのぐテントなどなど...難しく考えず安易な物を浮かべるなら主にこれらだろう。では質問を少し変えてみよう。


 無人島に1つだけ【能力】または【魔法】を手に入れられるなら?


 地図にも乗らない小さな無人島に素っ裸で生活している青年がいた。高身長に無人島生活で鍛えられた立派な筋肉と身体、軽く日焼けした肌にボサボサした髪型、ゴッツイ顔立ちをしている。


 家がない、植物がない、あるのは砂浜だけの島...毎日食べては寝るだけの生活を毎日毎日そんな退屈な生活を送っていた。


 そんなある日の事。海をなんとなく眺めていたら、遠くの方で何かが見えた。ゴミでも流れてきたのだろうか?よく見ると小舟のような物だと分かった。木材で作られた小舟には人の姿はなく、やがてはこの無人島に流れ付いた。彼は流れ着いた小舟を確認すると酷く朽ち果ててボロボロな小舟と腐敗した何か。それは人のような形をしていた。強烈な臭いに思わず怪訝な顔し鼻を指で塞ぐ。


 すぐにでも別の場所に移動させたいと酷い臭いを我慢して、小舟を掴みビート板のように押して泳ぐもすぐに小舟の方に限界がきてバラバラに朽ち果て遺体ごと海へ沈んでいった。


 長年ここにいる彼にとっては、食べて寝る以外の出来事全てが珍しく娯楽のように感じていた。彼が無人島に戻るとまるで子供が誕生日プレゼントを貰ったり、サンタさんからプレゼントを貰ったかのような、男子中高生が好きな人からバレンタインのチョコを貰ったかのように喜び、はしゃぎ、笑った。どこまでもどこまでもその声は響いて止む事はなかった。


 またまたそんなある日の事、うっすらとこの無人島に近づいてくる人影があった。当然彼はその光景を疑う。稀にゴミが流れ着く事はあっても、そのゴミは大抵は朽ち果ててしまう。今回は人の気配があり真っ直ぐにこちらに向かってくる様子だ。なんとなく嫌な予感がした彼は咄嗟に匍匐し海へ潜りしばらく島を離れた。


 しばらくして様子を見に行った。もう無人島には人の気配が無く、誰もいない様子、ひとまず安堵した彼は無人島に上陸した。一応足跡を確認するが何もなかった。多少気になる事はあるが、何事もなかった事もあり、彼はまたいつもの生活に戻ったのだった。そしてまた、笑った。


 数日後、また小舟がこの島に近づいて来た。数日前の事もあり、匍匐状態でいつでも海へ逃げれるように警戒するが今回は人の姿も気配も全く感じなかった。最近小舟が流れ着いてくる。と不思議に思いつつも彼は警戒を解きゆっくり立ち上がり、砂をはらい小舟が目の前まで来るのを待った。


 近くまで来た小舟を見た彼は違和感を感じた。腐敗している様子がなくとても綺麗だった。この島では、そんな事は絶対にあり得ないだ。なぜならこの島の空気や海水の全てが猛毒であり触れれば強力な酸のように溶けてしまうからだ。深呼吸しようものなら一瞬で内臓が全滅し肌に触れただけでも腐敗が進行する。人々はこの島に『ランスイセン島(別名:毒の製造島)』名付けた。


 そんな島に腐敗している様子が一切ない小舟を見て、どうして?なぜ?と困惑し、とまどっていると、突然声が聞こえた。


「へぇ〜やっぱ人がいたんだな」


 人の声がいきなり聞こえてきて仰天、彼は数歩下がり腰を抜かす。わけもわからず慌てて周りを見渡しても誰の姿もない。冷静な判断が出来ず呼吸が少々荒くなり軽くパニック状態になっていた。追い討ちをかけるように突然何も跡がない砂浜から足跡も付く。


「やっと見つけた。お前この前はよくも逃げてくれたなぁ〜」


 もう一つ砂浜に足跡が付くと、2人の姿が徐々に現れる。


 1人は薄い赤髪の長髪で槍を持っていた。彼女も高身長で鋭い目つきをしたエルフ。もう1人は透きとおるほどの綺麗な白い短髪で杖を持っていた。子猫のような可愛らしい顔つきをしている天使の子供。2人共水着のような服装をしている。


 2人の姿がハッキリした所で彼も少し落ち着きを取り戻し深呼吸してからゆっくりと立ち上がる。2人を警戒し様子を見る。天使の子供も彼が落ち着いた頃を見計らってから一礼し丁寧に自己紹介を始めた。


天使の名前は「ソフィ・リフォル」

エルフの名前は「ウイネル・ルニア」


彼女達がこんな何もない小さな島に来た目的は何か?


次回へ続く

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