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Eternity~銀髪の守護者ルーファス~  作者: カルダスレス


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267 フォション・ボルドー

カルト教団ケルベロスの本拠地で過ごすライは、黄色く光る球体に導かれてエヴァンニュの守護者パーティー『根無し草』の副リーダー、フォション・ボルドーの元へと辿り着きました。ところがフォションは青く光る神水に満たされた円柱容器の中に浮かんでいて、生死すら良くわからない状態にありました。その後ライはもう一度その場を訪れ、フォションを助け出そうと考えますが…?

       【 第二百六十七話 フォション・ボルドー 】



«――オド様の仰った通り…本当に容器の中で人間が神水に浸されている…»


 一心不乱に前を直走るライの後を追い、クルンは信じられない思いで延々と続く円柱容器を横目で見ていた。

 そこにはライが昨夜見た光景そのままに、老若男女問わず全裸の人間が青い光を放つ神水に浮かんでいる。


 アクリュース様のなさることに間違いはない…そのはずだけれど、一体ここではなにが行われているんだろう。


「クルン、こっちだ!!」

「は、はい!」


 ううん、余計なことは考えるな、僕の役目はオド様から強固な信頼を得ることだ。そのためになら()()()()()()()構わない…そう言われている。

 きっとオド様がこのような行動に出られることも、アクリュース様は予めわかっておられるんだ。だから僕がすべきことは――



 ――最初の通路から右に曲がって少し先を左…暫く行って右に曲がって…


「!」


 昨夜俺が意識を失わされてから、既に八時間以上も経っている。ここでなにが行われているのかなど想像も付かないが、容器内の人間を始末しようと思えばもう手遅れだと言われてもおかしくないくらいだろう。


 そう思い焦っていた俺は、フォションの元まで道順は覚えていたものの、危うくもう少しでそこを通り過ぎてしまう所だった。


「フォション…!!」


 勢いを殺して踏ん張り、慌てて足を止め円柱容器を見上げる。


 昨夜見たのと同じく、台座の装置には緑色の球灯が点いていた。中でフォション・ボルドーが目を伏せたまま浮かんでいる姿にも、これと言って大きな変化はなさそうだ。


 良かった…どこかへ移動させられていたり、既に消されていたりはしなかったか…!


 俺はとりあえずそれを確かめ、ほっと胸を撫で下ろした。


「オド様…この男性がオド様のお知り合いなんですか?」


 遅れずに俺の後をついて来たクルンは、なんとも言えない表情を浮かべながら隣でフォションの入れられた容器を見上げている。

 その様子を見るに宮勤めの特級ストレーガであっても、本当にここのことはなにも知らなかったようだ。


「ああ、そうだ。彼はエヴァンニュ王国のAランク級パーティー『根無し草(ダックウィード)』の副リーダーで、Aランク級守護者のフォション・ボルドーと言う。個人的に仕事を頼んだことがあり最後に会ったのは数ヶ月も前のことだが、なぜこんな遠く離れたカルバラーサにいるのか…それすらわからないんだ。」

「そうなんですね…僕も教団内にこんな場所があるとは知らなかったので詳しいことはわかりませんが…オド様の仰る通り、ここは普通の施設ではないようです。なによりもこれほど長時間神水に浸されていたら、普通の人間は耐えられないと思うんですよね。」

「ナトゥールスから青い光の正体は神力<エーテル>というものだと聞いたんだが…」

「はい、仰る通りです。そのことは教団内でも一部の人間にしか知らされておりませんが、フェリューテラでは異界から来た人工因子…所謂『フィアフ』と呼ばれる未知の産物にエネルギー源としても使われているもので、僕ら人間の持つ魔力の数百から数万倍もの力を秘めていると言われています。」

「!?」


 数百から…数万倍!?


「魔力にとても良く似た性質を持つため、ほんの僅かな量で威力、回数共に魔法を強化することが可能なのですが、使い方次第では人体に悪影響を及ぼすと聞きました。」

「それは例えばどんな?」

「オド様はフェリューテラの病に、『魔力中毒症』というのがあるのを御存知ですか?」

「ああ、そういう病気があることだけは聞いたことがある。」

「僕ら生物の身体組織には個々の細胞にまで魔力が含まれているのですが、自身の体内を巡るその魔力に内側から攻撃されるような形で、様々な健康障害を引き起こす症例のことを総じてそう呼びます。それらは日常生活に支障のない軽度のものから命にも関わる重度のものまで個人差があるらしいのですが、神水は膨大なエネルギーを含んでいる故かあまり長時間直に触れていると、その症例の中でも重度と同等の弊害を引き起こすことがあるんです。」

「つまり命に関わる様な、と言うことか。」

「はい。」


 ――それが事実なら、なぜこんなにも大勢の人間が神水に浸されているんだ?


「…ここの施設は、なにかそう言った神水による人体への影響を調べるなどの目的で使われているのかもしれんな。」


 それがなににせよ、今はフォションを助け出すのが第一だ。


「それはともかく、この容器からフォションを外へ出してやりたいんだが、どうすればいいかわからないか?」

「お待ちください、見てみます。」


 クルンは円柱容器の下部にある台座へ近付いて、駆動機器のような金属製の箱を覗き込んだ。


「多分この下部装置で神水の排水と容器の開閉を行うんだと思いますが…操作自体はどうにかなっても、いきなり中の人を出して問題ないのかが心配です。」

「この機器で現在の健康状態を調べることはできないか?」

「うーん…通常よく見られる『情報画面(モニター)』がないんですよね…電源も見当たらないし、こんな駆動機器は初めて見ます。一体どういう仕組みなんだろう…」


 頼みの綱であるクルンでもフォションをここから出すことは難しいのだろうか…


 クルンは暫く装置のあちこちを見ていたが、やがて難しい顔をしておずおずと俺に問いかけた。


「オド様…時間を置いて再度出直すわけには行きませんか?どのくらいかかるとははっきり言えませんが、僕の方でなんとかここのことを調べてみますから。」

「それで確実にフォションを助け出せるという保証はあるのか?ここに入れられてどの位経っているのかもわからないのに、その間になにかあったらどうする。」

「ですが適当な操作でこの方を出せても、万が一のことがあってはいけません。生存を前提に外へ出されるおつもりなら、尚更慎重になった方が良いでしょう。」

「それはそうだが…」


 俺は未だ目を閉じたままで、なんの反応も見られないフォションの顔を見つめながら考える。


 クルンの言うことも確かに一理あるが…どうするのが正解だ?出直すとしても次にまた必ずここへ来られるという決まりはない。

 ぐだぐだ迷っている間に俺に魔法をかけた誰かに見つかって、次は今度こそ完全に記憶を消されてしまうかもしれん…決断しろ、時間がない…!


「――クルン…念のために聞くが、フォションをこの容器から出すことはできるんだな?」

「あ、はい…まともな手段ではありませんが、一応可能だと思います。容器の側面にバルブがあるので、それで神水の供給を遮断した後に僕の魔法で本体を破壊すればなんとかなるのではないかと。ただかなり強引な手なので御知人の安全は保証できませんし、容器に警報装置が付いていればサイレンが鳴り響いたりして大騒ぎになるでしょう。」

「警報か…フォションを容器から出した事が知れれば、ナトゥールスは俺をどうすると思う?」

「それは…僕にもわかりません。ですがどこかへ監禁されたり、危害を加えられるようなことだけはないと思います。そうでなければ初めからオド様に、なんらかの制約をお伝えしているはずですから。」

「確かにそうか…」


 楽観はできないが、クルンがそう言うのなら自分のことは二の次にして良さそうだ。


「…よし、決めた。やはり今すぐフォションを助け出そう。」

「オド様、ですが…」


 クルンが躊躇っているのは、フォションを救い出せる保証がないと言うことよりも、やはり教団の意に逆らうような行動を取ることに抵抗がある所為だろう。


 もちろんそれだけでなく、本当に心配している面もあるのだろうが…


 難色を示すクルンを俺は説得することにした。


「神水に中毒症を引き起こす恐れがあるのなら、それは毒と同じだ。一刻も早く外に出すべきだと俺は思う。それでもし容態が急変するようなら、俺が引き摺ってでもここにナトゥールスを連れて来よう。」

「引きず…アクリュース様をですか!?」


 少し乱暴な言い方をしたために、ギョッとしたクルンは顔色を変える。そのことからも口では俺を最優先にするようなことを言っているが、クルンにとっての重要度は俺よりもナトゥールス…もしくは教団にあることは間違いない。


 それでも今の俺にクルンは唯一の協力者だ。


「ああ、教祖である彼女がここのことを知らないはずはない。ティトレイの身体をテリオスクルムで治せるんだ、フォションを救うことぐらいは容易だろう。」

「待ってください、この方は信徒ではないじゃないですか!御業は我が教団にとって神聖なものであり、そう簡単に行える儀式では…」

「クルン。」

「!」

「〝決めた〟と言っただろう。互いにエヴァンニュから遠く離れたこの地にいて、フォションは動けず俺は彼を助け出すことができる。これはある意味俺達の奇妙な巡り合わせと縁だ。フォションは守護者としても強い男であり、俺がこの場に居合わせたという意味では、生き残る上で最も重要な運も持っている。だから俺は彼のその運に賭けてみるともう決めた。」

「…っ」


 クルンは悔しげな、と言うよりもかなり不満げに顔を歪ませて押し黙る。それでも感情的になって俺を強く突っぱねることはできないらしい。


 そんな一面は十五の子供に見えず、ジャンよりも随分と大人びているようだ。


 年相応の子供でないのなら、果たしてどこまで信用できるだろう。イーヴとトゥレンへの失敗から、頭から疑ってかかるべきでないことは学んだが…熟々俺の側には誰かの命令で付き従う人間しか寄って来ないらしい。


 まあいい…それでもヨシュアのように特別な理由などなく、俺という人間自身を見てくれる者と出会えることはあるんだ。


「…頼む、クルン。フォションをこの容器から出してくれ。」


 最後にもう一度頼むと、クルンははあ、と深いため息を吐いて俺の顔を見ずに渋々返事をする。


「――わかりました。…ですが本当にどうなっても責任は持てませんよ。」

「ああ。」


 俺は苦笑しつつも大きく頷いた。



 その頃――


 『宵の間』でナトゥールスは、先日と同じように教団服の男女とライの行動を盗み見ていた。


「…やはり忘却魔法は自力で解かれたな。――体内にまだ『欠片(かけら)』が残されている証拠だ。」


 長い黒髪の男――『アテル』がナトゥールスに告げる。


災厄(カラミティ)闇の(カオス・)守護神剣(ガーディアンソード)並行世界(アナザー)で回収したんじゃなかったのかよ?」


 赤髪の短髪男『ルベウス』は胸元で腕組みをして呆れ声で問いかけた。


「なんらかの理由があって取り出すことは()()()()()()のでしょう。…ですが困りましたね。」

「リーグズのテリオスクルムでは最果てに突き落としても守護七聖主(マスタリオン)の精神体に阻止されちゃったし、それなら精神干渉でこっち側へ引き込もうと思えば内側から半身の欠片が守ってる。いやんなっちゃうよねえ…さすが永遠を生きる時翔人(ときかけびと)って言うか、チート過ぎるって。記憶がないなんて嘘じゃないの?側にいるわけでもないのに、全然一筋縄でいかないじゃん。」

「そりゃあな…俺らは自分達のためにこの世界の根幹を揺るがそうとしてんだから、邪魔されんのは想定内だろ。――で、どうするよ?レーヴェ様。」

「………」



 ――再び、ライ。


「このバルブを回せばいいのか?」

「はい、お願いします。」

「くっ…固いな。」


 クルンに頼んでフォションをここから出すことに決めた俺は、試行錯誤の末に偶然『情報画面(モニター)』を出すことに成功したクルンの指示に従って、先ずは円柱容器内に満たされている神水を全て排出する作業を手伝っている。


 容器背面に頭頂部から伸びている配管と繋がった三角形のバルブは、長期間動かされていないのか、重くて固く中々動いてくれなかった。


「ぐ…この…っ、さっさと…動け…っ!!!」


 体重をかけて全力を注ぐと、ようやくどうにか少しずつ回り始める。


「あ、弁が閉じ出しました、完全に止まるまで回してください。」

「はあはあ、了解だ…!!」


 そうして途中から動かしやすくなったバルブを止まるまで回すと、クルンから「もういい」という合図を貰い、装置の前に戻る。

 すると続くクルンの操作で、フォションの容器内に満たされていた神水の水位が徐々に下がり始めた。


「――それにしても…機器操作が魔法で空中に投影された映像で行えるとはな。カルバラーサにはどれほど未知の技術が存在しているのやら、だ。」


 当初クルンはこの装置の情報画面が見当たらないと言っていたが、教団内の一部で使われているという〝とある魔法〟を偶然唱えると、いきなり目の前にそれが出現したのだった。


「僕もこんなのは初めて見たんですよ。まさか『アクセス』の魔法で画面が出るとは思いませんでした。運が良かったですね。」

「ああ、これもフォションの持つ強運のおかげだろう。」


 容器内から神水が排出されるのを見上げて待っていると、どこからか視線を感じて俺はなにもない空間へ顔を向けた。


 ――さっきから誰かに見られているような気がする…ナトゥールスがまた魔法で俺の行動を盗み見てでもいるのか?

 それならそうと止めようとしない時点で黙認されたも同然だが、なにを考えているのかさっぱりわからないな。


「神水の排水が完了したので容器を開けます。モニターを見るに特殊ガラスの前面が下部へ沈み込む仕組みになっているようなので、脇から台座に上ってフォションさんを運び出してください。」

「わかった。」


 俺は台座に上り、クルンに「いいぞ」と合図した。するとすぐに言われたように円柱容器の前面が音もなく下へ動いて開いた。

 中のフォションは神水の排水と同時に、床でだらりと力無く座り込んでいる状態だ。


「フォション!!」


 容器の中へ入れるようになると、俺は直ぐさまフォションの身体に触れて彼を助け起こした。


「しっかりしろ…フォション!!」


 前髪からは神水が滴り、無精髭の生えたその顔をペチペチ叩くと、フォションは眉間に皺を寄せて僅かに呻き声を上げる。


「う…」

「オド様、彼は…」

「大丈夫だ、生きてる。下へ降ろすから手を貸してくれ。」

「はい…!」


 クルンの手も借りて両脇から支え、俺達よりも身体が大きく体重も多いフォションを苦労してどうにか通路まで移動させることができた。

 ゆっくり固い石の地面へ横たわらせると、引き続き顔を叩いて刺激を与える。


「フォション…フォション、目を開けろ。俺だ、ライ・ラムサスだ!俺の声が聞こえるか?…フォション!」


 呻き声は上げたが…意識が戻らないな。


「クルン、治癒魔法石か気付け薬はないか?」

「すみません、ないです。オド様に外出の予定があれば最低限準備して来たのですが…朝食もまだでしたから。」

「そうか…いつまでもここにいるわけにはいかない、様子を見るにしてもきちんと横にならせて休ませなければ。できれば俺の滞在部屋まで運べるといいんだが…」

「先ずは図書室の休憩所まで運んではどうでしょう?アクリュース様がおいでになる可能性はありますが、オド様のお部屋よりは近いです。」

「……そうだな、そうするか。俺が背負おう。」


 フォションを医者に診せられれば一番だが、ナトゥールスの許可なくそれは難しいだろう。

 そもそも彼女が許すとは思えん…こうなるとカルワリア司祭の持っていた『転移杖』が欲しくなるな。

 あれがあればシニスフォーラへ飛んで、俺の怪我を治してくれたあのゲルセミナ殿に頼ることも可能だろうに…


 あれこれ考えるよりも先ずは動こう。そう思い、クルンの手を借りてフォションの上体を起こし、腕を取って背負うために身体を腹側へ潜り込ませた時だ。


 ビクン、とフォションの身体が大きく反応して、突然俺のことを背中から強い力で突き飛ばした。


 ドンッ


「なにっ!?」

「オド様!?」


 足を踏ん張れずに前のめりに地面へ両手を着くと、慌てて後ろを振り返る。するとフォションが意識を取り戻し、しっかりとこちらを見ていた。


「目を覚ましたのか、フォション。」

「お…お待ちください、様子が変です…!!」


 クルンに手で止められ目を覚ましたフォションを見るも、彼はまるでなにかに怯えてでもいるかのように、大きく両目を見開いて腰を抜かした格好のまま全身ガタガタ震えていたのだった。


「あ……ああ……あ……」

「…フォション?…どうした、俺がわからないのか?」


 …確かに様子がおかしい。こちらを見ているのに焦点が合っておらず、まるで俺達が目に入っていないかのような――


「暗黒の竜…巨大な闇の竜が来る…っ…あ…あああ…ああああああ――ッ!!!!」

「フォション!!」


 正気を失って…いや、錯乱している!?


「クルン、あれも魔力中毒症の一種なのか!?」

「わかりませんが、かなり危険です…!彼もエヴァンニュ王国の方なんですよね?なら魔法は使えないはずなのに、体内の魔力が急速に高まって――ああっ!?」


 神水に満たされた円柱容器内に浮かんでいたフォションは、全くの全裸で一切なにも身に着けていなかった。

 それなのにフォションは全身から青い光を発し始め、彼がエヴァンニュで普段身に着けていたのと同じような戦闘服が湧き出るように表面を覆い出したかと思うと、その手にも愛用の大剣が現れたのだ。


「な…どこから武器が!?」

「レヴェリエイト…!!あれは『空想作製』という高位魔法です!!頭の中で思い描いたものは〝なんでも〟具現化することが可能になると言う――ッ」

「なんだと!?フォションは俺と同じく魔法を使えないんだぞ!!」

「で、ですが確かに…」



 <宵の間>


「あンれま…これはちょっと想定外じゃねえの?冥界から生きて戻ったってだけじゃねえ、覚醒してんぞ。オド様に万が一のことがあったらどうすんだよ。」


 相変わらず暗闇の中にいてそれぞれの顔は見えないが、少し慌てたような声でそう言ったのはルベウスだった。

 その横でひょいっと顔を出し床の映像を覗き込んだのは、少し舌っ足らずな話し方をする薄い水色髪の女性であり、カルワリア司祭を『狸爺(たぬじい)』と呼んでいる人物だ。


「あ、ほんとだ~!良ければラビットがセンスと一緒に行って来ようか?こっちだと手加減できないから、多分オド様の知人は助けらんないと思うけど。」


 彼女の名は『ラビット』というらしく、センスという青味の強い紫髪をした女性に即横から突っ込まれる。


「駄目に決まってるでしょ、あの男やっぱり〝鍵〟だったんじゃない。道理で守護七聖主(マスタリオン)が助けたわけだわ。それにまだなんの役割があるのかもわからないのに、うっかり始末して私達の目的にまで影響が出たらどうするのよ。」

「センスの意見に賛成だ。もし危なければ俺が出る。欠片が反応すれば災厄にオドがここにいることを嗅ぎつけられるだろう。そうなれば俺以外はどうせ誰も奴を相手にできん。それに連中はオドの行方を見失って探しているはずだ。」

「――そうですね、ここはアテルにお願いしましょうか。結界内に侵入されても()()無理に倒そうとしなくて構いません。恐らくは最優先にオドを外へ逃がそうとするでしょうから、目的さえ果たせば退くはずです。」

「ええ~オド様、いなくなっちゃうの?せっかくカルバラーサまで連れて来られたのにぃ…きっと狸爺(たぬじい)もまた好き勝手に動き出しちゃうよ。」


 不満げに唇を尖らせるラビットに、ナトゥールスは微笑む。


「カルワリアのことはともかくとして…心配は要りませんよ、ラビット。オドは必ずまたここへ戻って来てくれますから。」





<数ヶ月前、エヴァンニュ王国王都下町の酒場『アフローネ』――>


 薄暗い店内に鳴り響く音楽と、舞台上で踊る踊り子達。賑わう観客席とその周囲は食事や酒を愉しむ数多くの民間人でいつも通りに賑わっている。

 そんな中、ホールの接客や会計、ウェイトレスの采配などを担当するジョインという名の男性従業員は、同僚にヒソヒソと小声で耳打ちをされていた。


「おいおいジョイン、あの守護者…確か根無し草(ダックウィード)の大剣使いボルドーだろ?蒸留酒のボトル何本目だよ…あんなに飲んで大丈夫なのか?」


 二人は壁際のテーブル席で一人、既に五本もの空ボトルを並べている男性客を注視している。

 その客とはライの護衛依頼でリーダーであるヴァレッタ・ハーヴェルを失ったばかりだったフォションであり、彼は国王ロバムの私兵から解放された後真っ直ぐギルドへ行き、彼女の『死亡届』を提出してからすぐここへ来て、魔物の血で汚れた服装のまま装備も解かずに浴びるほどの酒を飲んでいた。


「今ちらっと他の守護者から聞いたんだが…どうもリーダーのヴァレッタさんが亡くなったらしいんだ。」

「え…あの美人守護者が!?勿体ねえ…けどなるほどな、だから荒れてんのか。連中、家族みたいに仲が良いって評判のパーティーだったもんな。」

「ああ。大切な仲間を失ったばかりだ、今日ぐらいは飲みたいだけ飲ませてやろう。念のためミセス・マムに言って救護室の寝台を空けておけよ。酔い潰れるようなら休むように言うから。」

「わかった。」


«最近は魔物が強くなったせいか、常連客の守護者にも亡くなる人が増えている。でもまさかあのヴァレッタさんが命を落とすとは…»


 そんなことを思いながら、ジョインはそれとなくフォションの様子に気を配っていた。


 やがてテーブルに突っ伏して潰れかけたフォションは、もうそのぐらいで飲むのはやめた方がいいと止めるジョインを突き飛ばし、乱暴に酒代をテーブル上へ置いて近くの椅子を倒しながらフラフラ店を出て行った。


 フォションは千鳥足で下町の夜道を自宅へ向かいながら、何度も〝ヴァリー〟と小さく呟く。その声には深い悲しみと後悔の念が滲んでいた。

 そうして人気(ひとけ)の全くない暗い路地裏に差し掛かったところで、彼はいきなり現れた黒ローブに黒装束を着た複数の襲撃者に囲まれる。


 その数はざっと五、六人だろうか。


「――Aランク級パーティー根無し草(ダックウィード)の副リーダー、フォション・ボルドーだな。」

「ああ?なんだおまえら…ヒック」


 ベロンベロンに酔っ払いながらもフォションは、絡んで来た人間が全員深く被ったフードや鼻と口を覆う布で顔を隠していることに気付き、即座に相手を睨みつけて殺気を放った。


 ゴッ…


「ハッ、憂さ晴らしに丁度良さそうな連中だな…ヒック。今の俺は守護者じゃねえ…あんまりにも近くに居過ぎて本当の気持ちにも気づけず、失ってから初めてどれほどあいつを愛してたのか…ようやくわかった馬鹿で間抜けなやさぐれ男だ。」


 その目をギラギラ血走らせて、フォションは素早く背中の大剣を引き抜いた。


 ジャッ


「どうせ襲うんなら闇討ちすりゃあいいものを…なんでわざわざ声をかけて来たのか知らねえが、相手してやる…()()()()()()()。」


 片手で大剣を構え、空いている手の指先をチョイチョイ、と動かすと、そのフォションの挑発を合図に戦闘が始まった。


「住人が騒ぎ出す前に片を付けろ、瀕死でも生きてさえいればいい!…かかれッ!!」


 ブウンッ


 直後、リーダーらしき黒ローブの男が、フォションと自分達の周囲に魔法で隔離結界を張る。


「!?」


«なんだ…魔法障壁?»


「チィッ…!」


«こいつら国外(そと)から来た不審者か…!!»


 戦闘領域を限定され戦闘音の遮断された結界内で、襲撃者が各々の武器を手に波状攻撃を仕掛けるも、フォションは酔っ払っているとは思えない動きでそれらを往なし、一人、また一人と確実に倒して行く。


「こいつ守護者のくせに、やけに対人戦にまで慣れてやがるぞ…!!」

「状態異常に耐性もあるのか…薬も効かねえ!!ぐわあっ!!」

「くっ…!!」


 襲撃者のリーダーらしき人物は、仲間が次々に倒されて行くのを見てフォションの予想外の強さにたじろぎ、逃げ腰となってしまう。


「おう、どうした…もう終わりか?だらしねえな。…ヒック。」

「ちっ、酔っ払いのくせに…!!」


 自分一人では歯が立たないと判断したその人物は、結界を解くと同時に踵を返して逃げ出そうとする。


「なんだ、逃げんのか…憂さ晴らしにもなりゃしねえ。」


 フォションに敗者を追う気は微塵もなく大剣を肩に担いで鼻で笑うも、直後その目の前で襲撃者のリーダーはいきなり漆黒の靄に包まれた。


 ブアッ


「ギャ…」

「…!?」


 短い悲鳴を上げ、一瞬で男は黒い霧状の塵芥となって霧散してしまう。


 瞬間、フォションは再び身構えた。


«まだ他に仲間がいやがんのか…!?»


『――標的に背を向けて逃走を図るような役立たずは、我が教団に要りませんよ。』

「誰だ!!」


 フッ…


 フォションの顔にかかる月明かりが陰り、反射的に彼が空を見上げると、そこには薄紫の衣装に青色のローブを着て、水晶玉のついた長杖を持つ女が浮かんでいた。


「女…?」


 濃紺の髪色に雪のような純白の肌を持ち、赤紫の瞳と紫色の唇をしているその女は、禍々しい中にも美しさを併せ持っている。


『時の(ことわり)よ、我が(めい)に従え。〝ティム・レヴェルスマン〟。』


 ギュアアアアア


「ぐうっ!?」


 その女が呪文のような文言を唱えると周囲の空間が捩れ、不気味な音を立てて醜く歪み出す。

 すると今し方フォションが倒した襲撃者の全員と、女が消滅させたと思しきリーダーらしき男までもが戦闘に入った直後の初期状態に戻っていた。


「な…」


«倒したはずの連中が起き上がった…!?»


「も…申し訳ありません、アクリュース様…!!」


 一度消されたリーダー男が宙に浮かぶ女の前で平伏し、怯えてガタガタ震えながら頭を垂れている。


『二度目はありません。――早く捕らえなさい。』

「「「「「はっ!!」」」」」

「くそったれが…!!」


 再び戦闘へ突入するもフォションは一度激しく動き回った後であり、大量に呷ったアルコールの酔いが遅れて回り身体を鈍らせたことで、今度は呆気なく捕らわれてしまった。


「手子摺らせやがって…!!」


 ドガッ


 リーダーの男は腹立たしげに捕らえたフォションの腹を蹴り上げると、その強烈な一撃で以て胃の内容物を吐き出させた上に意識を失わせる。

 最後にその薄れ行く意識下で、フォションは自分が一瞬のうちにどこか別の場所へ運ばれたのを目撃したのだった。



「う…」


 そうして次にフォションが目を覚ますと、彼はこれまで見たことのない不気味な色をした空の下、泥のようにべちょべちょした感触の地面に横たわっていた。


«なんだあの空…ここはどこだ?»


 ツンと鼻を突く噎せ返るほどの不快な匂いと酷く澱んだ空気に、フォションは思わず服の袖で鼻先を覆う。

 そのまま起き上がろうとして地面に手を着くと、べたりと吸い付くような気色の悪い感触にバッと飛び起きてその手を確かめた。


「…血!?」


 フォションの掌は血のような液体で真っ赤に染まっている。


 ゾッ


 瞬間言い知れない恐怖を感じ慌てて立ち上がるも、直後クラリと眩暈に襲われて蹌踉めいてしまう。


「なんだここは…一体どこだ!?」


 ――薄靄に煙る血のような赤い液体で一面染まる大地と、フェリューテラに生えている植物とは異なる、奇妙な形をした茶緑の木らしき()()

 表面に紫色のなにかがべっとりと付着した岩らしき塊に、あちらこちらから噴き出している緑紫(りょくし)の煙が、ぶしゅう、と時折不気味な音を立てていた。

 所々に蟻塚のような土塊の山が見え、そこには蜈蚣(むかで)やゴキブリに似た無数の昆虫らしき生物がガサガサわさわさと蠢いている。


 フォションは呆然として口を開け、驚きに鼻先を覆っていた腕を降ろすと、すぐさま猛烈な吐き気に襲われた。


「ぐうっ!!」


 ゲホゲホ咳き込みながら吐き戻し、急いで無限収納から解毒・防毒剤を取り出して口へ放り込むとその場でガリガリ噛み砕く。


 この匂いと吐き気…あちこちから噴き出しているのは、毒煙か…


「…あの連中、俺をどこへ連れて来やがった!!」


 いつの間にか酒は抜けてるが…武器は取り上げられてねえ、服も装備も全部そのままか。

 そう思いながら落ち着いて手持ちの装備を確認すると、フォションは慎重に辺りを見回した。


 ここは本当にフェリューテラか?


 まず最初に彼が思ったのはそれだった。


 こんな地獄のような場所があるなぞ、噂にも聞いたことはねえ。それでもフェリューテラだっつうんなら、エヴァンニュの敵国ゲラルドか…滅んで人が住めなくなったっつう亡国ラ・カーナ辺りか。


 いや、それでもあんな植物はあり得ねえだろう。どうなってやがる…


 フォションは戸惑いながら目を伏せ、ヴァレッタの最後を思い浮かべた。


「…俺はまだヴァリーの死をみんなに伝えてねえ。せめて副リーダーとしての責任ぐらいは果たさねえとな…」


 ここがどこかは知らねえが、是が非でも仲間のところへ帰らせて貰うぞ。フォションはそう決心してとりあえず歩き出した。


「チッ、気色悪い地面だな…なんでこんなに真っ赤なんだ。」


 泥濘んだ赤土…ってわけじゃなさそうだが――


 ぺたん、ぺたん、と靴の裏が張り付いて、気を抜くと異常に柔らかい地面に足が沈んで行きそうになる。


 ずず…ずずず…


「…!?」


 なんの音だ?なにか近付いて…下か!?


 どこからか聞こえてきたその音にハッとして足元を見ると、次の瞬間、真っ赤な地面がいきなりウゾウゾと蠢きそれらが夥しい数の蠕虫(ぜんちゅう)と化した。


「な…うわあっっ!!」


 モゾゾゾゾゾ…


 続いてそれは払うのが間に合わないほど、物凄い速さでフォションの足を這い上がってくる。


「ざけんなアッ!!!」


 フォションは叫びながら身を捩ってそれらを必死に掴んでは剥ぎ取り、背中を攀じ登って来たものは近くの岩に身体を打ち付けて潰し回った。

 すると今度は蟻塚のように見えていた土塊の山がボロボロと崩れ出し、そこから一斉に手の平大の黒い甲虫が飛び立つ。


 ブワアアアアン


 宙で黒い霧のような塊となった甲虫は、空からフォション目掛けて襲い来ると、その身体に集って噛み付き始める。


 ゾオッ


 こいつら全部肉食か…!!


「護印柱で使い尽くして魔法石も殆ど持ってねえってのに…クソがあ!!!」


 凄まじい数の蠕虫と甲虫、あちこちからわさわさ湧いてきた蟲の餌食となり、フォションは全身の肉を食い尽くされてその場に倒れ伏した。


 ――が、暫くしてふと気付くと、再び元の場所に横たわっていた。


「…?…ッ!!!」


 目を覚ました直後、フォションはその場で転がり回って暴れ、身体中に食い付いていた蟲を振り払うような動きをする。

 だがガタガタ震えながら手で自分の腕や首筋を探るも、あれほど集っていた蟲はどこにもいなかったのだった。


 幻覚…?馬鹿な…皮膚を食い破り、肉の中に潜り込まれた悍ましい感覚までまだ残ってるのに…あれが幻覚だったってのか…!?


 ――それがこの場所へ放り込まれたフォションの、終わりなき地獄の始まりだった。


 困惑して立ち上がり、次にまた先程と同じように歩き出すと、まるで同じ場面を再現するかのように、再び同じ場所でなにかの音がして地面がウゾウゾと波打つように蠢き出す。

 瞬間フォションは、蠕虫(ぜんちゅう)が現れる前に全速力でその場から走り出し、蟻塚に似た土塊も避けて最初の〝死〟を回避した。


 だがホッとしたのも束の間、今度は赤い地面が盛り上がり二メートルほどの山型を形成すると、そこにぽっかりと三つの穴が空いて目と口のようなものが現れた化け物に襲われる。


 剣を抜く間もなく頭上からそれに覆い被さられたフォションは、そのまま化け物の体内に取り込まれ、生きながら全身を消化され溶かされていく苦痛を味わう羽目になった。


 そうしてフォションは二度目の〝死〟を迎えたのだった。


 ところが暫くして再び目を覚ますと、また元の場所に横たわっていた。


 ジュウジュウと音を立て、皮膚が、肉が溶かされ、生きながら化け物に吸収されて行くのを経験したフォションは、身体に残るその感覚へのあまりの恐怖に頭を抱える。


 なんなんだここは…どうなってやがる?今のも幻覚だってのか。


 それともまさか…死んだのに生き返って、また死ぬのを繰り返させられてるってんじゃ――


 自分で想像したその考えに戦慄したフォションは、恐怖に怯えながらも三度(みたび)立ち上がって宛てもなく歩き出した。


 一度目の蠕虫と甲虫などによる〝死〟を避け、二度目の赤泥の化け物による〝死〟も回避に成功。そしてその次は――


 どこからともなく現れた、巨大な岩のようなゴーレムに呆気なく押し潰されて命を落としたのだった。


 しかしフォションは、それでもまた同じ場所で目を覚ますことになった。


「…間違いねえ…勘弁してくれ、ここは()()()()場所か…」


 正真正銘の地獄かよ、と呟いてただ苦笑する。


 その後もフォションは火竜のブレスで焼き尽くされたり、魔物の吐く吐息に凍らされて砕かれたりと、有りと有らゆる〝死に様〟を体験しては最初の位置で目を覚まし、また一度経験した死を回避して次の新たな死に方を迎える…それを何十回、何百回と繰り返し続けた。


「へ…、へへ…」


 やがてフォションは、自分が今生きているのか既に死んでいるのかの区別がつかなくなって行く。


 ここへ来てどのくらい経った?今日で何日だ…死ぬと戻されるから、もうそれすらわからねえ…


「笑っちまうな…なんで俺はまだ生きようとしてんだ…」


 もうヴァリーはいねえのに…


「ああ、そうか――」


 ミハイルにライラ…それにスコットも…あいつらに、ヴァリーが死んだことを俺の口から伝えなきゃならねえんだ。だから俺は…


 ああ、でも…もういいか。いい加減俺もヴァリーのところへ行きてえ。


 ――何度も何度も死の苦痛を味わい、その度に最初へ戻されてフォションはもう狂いかけていた。


 ところがそんなフォションの耳に、どういうわけか愛しい女の声が届く。


『馬鹿言ってんじゃないよ、しっかりしな、フォー!!』


「…?」


 ヴァリー…?


『あたしら〝根無し草(ダックウィード)〟は踏まれてもへこたれない!!雑草のようにしぶとく図太く生き残るも、どこへも根を張らず自由に生き続けるんだ!!忘れたのかい!?』


「そんなまさか…ヴァリー、本当におまえなのか…?だが俺は――」


 俺はもう、楽になりたい。延々と繰り返す〝死〟の中で、フォションは救いとも言える幻覚を見ていた。

 目の前に、半分透けた姿のヴァレッタが立っている。フォションはそれが自分にとって都合の良い幻覚に過ぎないと理解していたが、それでも涙を流して喜んだ。


「俺もおまえのところへ行きたい…ヴァリー…今度こそおまえに伝えたいことがあるんだ…!」


 ヴァレッタは悲しげに笑って横に首を振る。


『駄目だよ、フォー。今だからわかるけど、あたしらが死ぬはずだった運命を〝変えられた〟のには理由があったんだ。――その役目を果たせるのは、もうフォー…あんたしか残ってない。』


「ヴァリー…!」


 フォションは涙を流しながらそっと目を閉じる。不思議なことに目を閉じても幻覚のヴァレッタの姿は見え、彼女がどこか遠くの方を指差しているのがわかった。


『ほら…良く見な。こんな酷い光景の中でも、あんな遠くに不安定に色を変える光が(またた)いてるだろ?あんたは這ってでもあそこへ行くんだ。諦めちゃ駄目だよ、フォー。』


 〝しっかりおし…!〟


 幻覚のヴァレッタ・ハーヴェルに叱咤されて励まされ、フォションはまた立ち上がると、ふらふらその光目指して歩き出した。


『そう、その調子さ。あんたに頼みがあるんだ。もし無事に役目を終えたなら――』


 ぼんやりとした意識の中、消えて行くヴァレッタのその声が遠くなる。


 数え切れないほど繰り返される〝様々な死〟を記憶しては死に物狂いで回避し、フォションは何度失敗しても気力を振り絞り、ヴァレッタの〝遺言〟を叶えるためただその『不安定に色を変える光』だけを追い続けた。


 そうしてフォションは、最後の最後でその世界の『(ぬし)』に対峙したのだった。






次回、仕上がり次第アップします。わーい、ようやく夏が終わったーーー!!(歓喜!!)

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