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Eternity~銀髪の守護者ルーファス~  作者: カルダスレス
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13 碧髪の協力者 前編

魔物の討伐に向かいたいけれど、人手が欲しい――そう悩むルーファスの元へ、守護者だという碧髪の男性が協力させて欲しいと申し出てきました。その金色の瞳と碧髪に見覚えがあったルーファスは、彼と話をすることにしますが…?


 どうやら俺達をここへ案内してくれた社員の男性が、新たに人を連れて来たらしい。

 開け放ったままだった部屋の入口から進むと、その人物は名を名乗った。


「私は守護者(ハンター)のサイード・ギリアム・オルファランと申します。」


 ――その印象的な金瞳に碧髪の男性には見覚えがあった。


 それもそのはずだ、前回メクレンに来た時に、ウェンリーと入った大盛り料理のレストラン入口で擦れ違った相手だったからだ。

 あの時は肩がぶつかってしまい、俺がそれを謝ったという短い会話を交わしただけだったのだが、なるほど…同業者だったのか、それなら俺を見ていたと言ったウェンリーの言葉にも合点が行く。

 きっとギルドか街中で俺の顔を見知っていたに違いない。リカルドと一緒にいるところを見たとか、そんなところだろう。


 後で思い返すと普段の俺から考えれば不自然なのだが、この時はなぜだか…直接本人に確かめたわけでもないのに、“勝手な思い込み” で疑いもせずにそうだと決めつけてしまっていた。


 年令は二十代後半か三十代前半ぐらいだろうか?柔らかな口調で話すこの男性は物静かで、かなり落ち着いた印象を受ける。


「ありがとうございます、その申し出は助かりますが…そちらは俺に〝協力する〟という形でいいんですか?こちらは俺一人だし、戦果も報酬も全て折半になってしまいますよ?」


 俺は報酬が目的で仕事を受けようとしているわけじゃないし、パッと見たところこのオルファランさんは、少なくともBランク級以上の腕は持っていそうだった。

 単独で話を聞きに来たとは思えないし、他に仲間がいるのなら俺は依頼そのものを譲っても構わないと思ったのだ。

 もちろんそれは、変異体の討伐を可能であるということが前提条件ではあるのだが。


 新たに運ばれてきた椅子に、どうぞ、と促された彼は、〝ああ、わざわざすみません〟と礼を言うと、それに腰を下ろし、腕にかけるようにして持っていた外套をきちんと畳んで膝の上に置いた。

 その一連の所作からはどことなく気品を感じて、なんだかあまり守護者らしくないなと一瞬思う。


「報酬のことでしたらお気になさらず。私は主に補助役と後衛を担います。囮などはそれなりに熟せますが、回復、補助を含めた魔法全般を使用して戦いますので、単独での仕事は殆どしていません。」


 ここへは一人で来たと話す彼は、普段から人員の足りないようなパーティーに補助役として加えて貰い仕事をしているようで、その都度交渉で報酬を決めているため、俺が折半で、と言うのならそれで構わないという。


 ――この人は魔法を使えるのか…それならかなり助かるけど、ということは、多分リカルドのようにエヴァンニュの人間じゃないんだな。


 普段俺は、こう言った飛び入りで合流する初対面の守護者とはパーティーを組まないことにしていた。因みに『パーティー』とは、共通の目的のために協力し合う仲間や集団のことを言い表す。

 これまで大抵は一人でもなんとかなって来たし、リカルドに近付きたいという目的で俺を利用しようと声を掛けてくる人間など、信用に値しないハンターが多かったからだ。


 協力を申し出た理由もなんら不思議はないし…一人で困っていたのは確かなんだ。今回は時間もない、最後の質問だけして、俺が無防備な背中を預けられる人間かどうかを判断してから決めることにしよう。


「そちらの事情はわかりました。俺になにか聞きたいことはありますか?」

「…そうですね、でしたら一つだけ。先程一人だと言っていましたが、そちらの方は守護者ではないんですね?」


 彼はウェンリーを見てそう尋ねてきた。


「違います。彼は俺の友人で民間人なので戦闘に加えるつもりはありません、完全に除外してください。」


 俺がそう答えると納得したように頷いて、そうですか、ではそれだけです、と言った。


 多分彼は、ウェンリーが武器を持っているのを見て、この仕事に参加させるつもりがあるのか確かめたかったのだろう。もちろん俺にそんなつもりはない。


「それじゃ、俺の方から最後に、もう一つ質問させて貰ってもいいですか?」

「ええ、どうぞ…〝ルーファス〟さん。」


 俺の名前を…ここで言うのか。


 名乗る前から、俺のことは良く知っている、と言わんばかりに悪意なく微笑むこの男性は、不思議なことに、俺に殆ど警戒心を抱かせなかった。


「あなたは初対面の俺を信頼できますか?」


 俺がこの質問をするのには意味がある。まず初対面のハンター(前にも説明したが、守護者や冒険者を広く纏めてそう呼ぶ)を、良く知りもしないのにすぐに信用するようでは問題外だからだ。俺はそう言う相手を判断力が鈍く慎重さを欠いていると見做している。


 俺はもちろんそんなことはしないが、ハンターの中には破落戸(ごろつき)のような柄の悪い輩もいて、パーティー内の契約を途中で反故にしたり、自分たちの身が危なくなると依頼放棄どころか仲間を置いて逃げる者もいる。

 そういう相手である可能性を自分の目で確かめずに即答するようなら、実戦でもきちんとした判断が出来ずに命を落とす確率が高くなるのだ。


「――リカルド・トライツィがパートナーだと言うあなたの噂と評判は良く聞いていますが、実際の戦闘能力は共闘してみないとなんとも言えません。ですが守護者としての人柄は信頼可能だと思っています。」


 実に的確で慎重な答えだなと思う。俺の意図を見抜いた上で事前に情報を得ていると口に出し、鵜呑みにはしないが信じることは出来ると言っているのだ。…少なくともこれなら戦闘中も判断を誤ったりせず、背中を預けても大丈夫だろう。


 俺は彼を信頼できる人物と判断して、協力の申し出を受け入れることに決めた。


「ありがとうございます。それじゃオルファランさん、この仕事を引き受けるので、俺にご協力をお願いします。改めて、俺の名前はルーファス・ラムザウアー…ルーファス、と呼んで貰って構いません。」

「こちらこそよろしくお願いします、ルーファス。私のことは〝サイード〟と呼び捨てにして頂いて構いません。敬語も要りませんので、お気遣いなく。」

「わかった、サイード。それじゃ遠慮なくそうさせて貰うよ。」


 俺とサイードは握手を交わし、こうして一時的にパーティーを組むことになった。


「話がまとまったようだな、有り難い。」


 俺達の交渉に口を挟まず、話が終わるまで待っていたサナイさんは、ホッとした表情で続ける。


「そうと決まれば時間が惜しい、ギルドへの届け出はこちらで全て済ませておくので、早速現場に向かって貰いたいのだが構わないかね?」

「俺は問題ありません。サイードは…」

「大丈夫です。」と彼も頷いた。

「では五分ほどで準備を済ませる、三番ターミナルで待っていてくれ。私が直接緊急用車両(カーゴ)に乗り現場の近くまで送り届けよう。」


 そう言うとサナイさんは、慌ただしく部屋から出て行った。


 俺達は外へ出て人だかりを避け、言われた通りにここに来る前に寄った、王都方面行きの三番ターミナルへと足早に向かう。

 その途中で歩きながら俺は、ウェンリーがどうしたいかを尋ねた。


「ウェンリー、おまえはどうする?メクレンで待っているか?」

「なに言ってんだよ、俺も行くよ。戦えなくてもなんか手伝いは出来んだろ?邪魔はしねえし、"守護者の仕事" だっていうのはちゃんとわかってるから、おまえの指示にきちんと従うよ。」

「…そうか。」


 まあここでなにか言ったところで、現場を見なければ危険がどの程度かもわからないしな…置いて行く方が難しそうだ。そう思い、ウェンリーの希望通り一緒に連れて行くことにする。


 ターミナルへ戻り暫く待っていると、通常のシャトル・バスよりも一回り小さく、上部に赤い回転灯の点いた『カーゴ』に乗ってサナイさんが俺達を迎えに来た。


 『カーゴ』と言うのは軽金属製の外装に、魔法石(民間車両は全て雷石/トールストーン仕様)を装着した駆動機器で動く小型の乗り物のことだ。

 下部には衝撃吸収用の緩衝素材で作られた六つの輪が、横軸で回転するように取り付けられており、足の速い魔物でなければ逃げ切れる程度の速さで長距離を移動することができる。

 これは作成するのも維持するのも国が管理しているほど高価なもので、シャトル・バスの運営会社は、カーゴとシャトル・バスの維持費用全てを国からの資金で賄っており、整備のための技術者も国から派遣された人材が担っているらしい。

 因みに荷運び用の貨物車両は『キャミオン』という。


「さあ、乗ってくれ。」


 周囲で運行再開を待つ混乱した人々の注目の中、俺達三人は素早くそれに乗り込んで行く。

 ところが中に入ったところで、カーゴを操作しているのはサナイさんではなく、別の男性であることに気づき、さらにその横にも顔を合わせていない予定外の人員が乗っていることに俺は顔を顰める。


「サナイさん、他に同行者がいるとは聞いていません。先に言っておいて貰わないと、俺達は二人なんです、守り切れる保証はないんですよ?」


 正直に言ってこれには参った。サナイさんとウェンリー以外の民間人を連れて行くのは危険すぎる、そう思ったからだ。

 だが聞くところによると、速度を上げての走行は危険を伴うために、それなりの技術が必要で、運転に慣れている人材と、生存者がいる場合動けなくなったシャトル・バスを修理可能な技術者が要るため、急遽二人の社員を連れて行くことにしたらしかった。


 渋る俺に横に座るサイードが「大丈夫でしょう、私の方で対策を考えてありますから。」と安心させるように言う。

 彼がそう言ってくれるのなら、なにか方法があるのだろう。俺は魔法が使えると言っていたサイードの言葉を信用し、サナイさん達とウェンリーの安全確保は行ってから改めて考えることにした。


 ターミナルを出発したカーゴは、メクレンの外壁に設えられた車両門(シャトル・バスなどの専用の門のことだ)を出て真っ直ぐに伸びる、森の中に整備されただだっ広い街道を進んで行く。

 その街道は途中から三方向に分かれており、道幅が徐々に狭くなってくる。三つ叉の中央、北の王都へ向かう運行路を暫く行くと、程なくして森の木が減り疎らになって来て、やがて視界が開けたらそこはもうアラガト荒野だ。


 本来通常運行されたシャトル・バスなら、王都までは五時間ほどの道程になる。だが今はこの運行路上のどこかに、それを妨げる危険な魔物がいるはずだ。


 シャトル・バスが襲われた現場までは、まだ少し距離があるというサナイさんの説明を受けたが、それに油断することなく俺達は周囲を警戒しつつそこへ向かった。


「う…わ、久しぶりに通るけど、またこの辺随分と荒れたなあ…!」


 土埃の舞う、草すら殆ど生えていない殺伐とした光景を見て、ウェンリーが驚いたように言う。

 もうかなり前になるが、確かに以前はもう少し緑が点在していたような気がする。それは魔物が増えた影響と言うより、まるでなにかに大地そのものの生命力が吸い取られているみたいな荒れ方だ。…俺はふとそんな風に思った。


「――あんまり窓から身を乗り出してキョロキョロするなよ、ウェンリー。落ちそうで危ない。」


 注意した俺に、ウェンリーは不満げな顔で口を尖らせる。


「いいじゃんか別に…そもそもその前に落ちたりしねえよ、俺は子供か!」


 そう言いながらちょこまかと、狭い車内を移動して歩くウェンリーを見て、サイードがくすりと笑った。


「な…なんで笑うんだよ、なにがおかしい!?」

「…いえ、ただちょっとあなたを見て、西の地方にのみ生息している『ショートテイル・キャラット』を思い出したもので。」


 『ショートテイル・キャラット』。それは地面に巣穴を掘って地下に暮らす、兎とハムスターを足して割ったような姿の小型動物系魔物の名前だ。

 その見た目は可愛らしく、長く折れ曲がったふさふさの兎耳と、たんぽぽの綿毛のようなモコモコした躯体にまん丸の尻尾が特徴で、ちょうど今のウェンリーのように、穴から顔を出しては引っ込み、また顔を出してはキョロキョロと周囲を窺う、という落ち着きのない行動を取る習性があった。

 この魔物は基本的に大人しく、滅多に人間を襲わないためFランクに指定されており、その外見から駆除対象ではなく寧ろ観賞用として愛されている魔物だ。


 サイードが口にしたこの言葉に、恐らくこの場の全員がその姿を思い浮かべたのだろう。少しの間を置いた後、俺を含めたウェンリー以外、一斉に吹き出した。


「なるほど、ショートテイル・キャラットか…!」


 言い得て妙だ、とサナイさんが感心して笑う。


「ははは、言われてみれば動き方とか似ているかも…!」


 思わず俺も目に涙を浮かべて笑ってしまった。


「なんだよ、ルーファスまで!」


 一瞬にして場が和み、とてもこれから魔物の討伐に向かうとは思えない、ほのぼのとした雰囲気に車内が包まれた。


 だがその直後、状況は一変した。


「ほ、本部長、黒煙です!!」


 運転していた男性のその声に、緊張が走る。


 一斉に前方へと注がれた視線の遙か先に、もうもうと黒煙が上がっているのが見えたのだ。


「あれは…」

「襲われた王都からのシャトル・バスか…!」


 近付くにつれ次第にはっきりと見えてくるその現場には、燃え上がる横倒しになったシャトル・バスが転がっていた。


 そこにほど近い位置にカーゴを止めて貰うと、俺達は降りて車体に駆け寄る。


 燃えているのは車内の座席や乗客の荷物など、可燃性のものだ。横転した際に雷石<トールストーン>の電撃から火花が散って、なにかに燃え移ったのだろう。


「私は周囲の安全を確認します。」

「ああ、頼む。俺は生存者がいないか探す。」

「手伝うぜ、ルーファス。」


 すぐさま散って動き出した俺達は、シャトル・バスの周りを急いで見て回る。炎上する車内に人影は見えないし、生存者がいるなら近くに倒れているはずだと思った。

 ところが、ざっと見回しても生存者どころか、遺体の一つすら見つからない。魔物に襲われたという情報なのに、血痕さえどこにもなかった。


「ルーファス!」


 二十メートルほど離れた大岩の影から、サイードが手を上げて俺を呼ぶ。なにか見つけたみたいだ。

 駆け寄った俺にサイードが目で示したそこには、白い粘着性のある糸でぐるぐる巻きにされた旅行鞄のような四角い荷物が落ちていた。


「――ハネグモの捕獲糸だな。それと緑色の液体…これは魔物の体液だ。」

「駆除対象の情報に間違いはないようですね。」


 俺はサイードに相槌を打ち、その場にしゃがんで地面を具に調べると、消えかかっているものもあるが、無数に残っていた南東方向へ延々と続くある痕跡を見つけた。


「これは足跡か?…集団というのも確かだな、それもこの数…十体や二十体どころじゃなさそうだぞ。」

「索敵に引っかかる魔物は周辺にいません。血痕や遺体も見当たらないようですし…少し妙ですね。」

「ああ、乗客を捕獲糸でくるんで、どこかへ運んだのか…?」


 変異体がいるとしても、その行動が普段のハネグモの習性からかなり外れていておかしいと思った。

 魔物は大抵その場で人間を殺し、その場で喰らう。ハネグモも例外ではなく、捕獲糸で自由を奪った後は、口の先端を突き刺してある程度の体液を吸い出し、残された肉体は引き千切って食べるのだ。


 俺とサイードは一旦サナイさんのところへ戻ると、ここから南東の方角にはなにがあるか知らないか尋ねてみた。

 するとここから五キロメートルほど行った場所に、現在は使われなくなったシャトル・バスの中継施設があることがわかった。


「昔は今より駆動機の動力効率が悪く、長距離を一つの魔法石で移動できずに、中継地点で一度交換しなければならなかったのだ。」


 サナイさんの説明ではかなり前のような言い方だ。


「そこは放置されてからどのくらい年月が経っていますか?」

「うーん、十七、八年というところだな。」


 やっぱり…俺がこの国に来るよりもずっと前の話か。少なくともシャトル・バスが魔法石交換をして、王都と行き来をしているなんて話は聞いたことがなかったからな。


「それだけ人が寄りつかなければ、魔物の温床になっていてもなんら不思議はありませんね。」

「ああ、建造物が残っていればハネグモが好みそうな生息環境だ。おそらくいるとすれば変異体もそこだろう。…一応聞くが、サイードは変異体がどんな特徴を持ち、どういった行動を取るか理解しているか?」


 変異体に関してはまだ討伐事例が少なく、守護者の中には戦闘自体未経験の人間も多かった。この国では稀にしか出現せず、殆ど情報を知らないという人も珍しくはないのだ。


「ええ、他の種類ですが遭遇したことがあります。ただ、今までのパーティーでは倒し切ることが出来ず、隙を見て逃げ出すのが精々でしたけれども。」

「へえ…ってことは、倒したことはねえんだな。」


 ウェンリーが口を挟み、気の毒そうにサイードを見て言う。また横から顔を出して…さっき笑いの種にされた仕返しに(つつ)こうとでもしているのか?頼むから空気は読んでくれよ?


 そう思った俺だが、サイードは、すん、と一度鼻を鳴らし、「じゃああなたは倒したことがあるんですか?」と切り返した。

「あ、あるわけねえだろ!?」とウェンリーが声を出し、なんだか最終的に少し緊張感のないやり取りになっている。


 俺はウェンリーに構わずサナイさんと話を続けた。


「ここから先は俺達で変異体を探します。サナイさん達はメクレンに戻って貰っても構いませんが、どうしますか?」

「いや、ここで魔物が討伐されるのを待つことにするよ。終わり次第共鳴石で連絡を入れて、すぐに運行を再開したいのでね。」


 共鳴石というのは、大きいものであれば遠く離れた相手と連絡を取ることの出来る通信伝達系の魔法が込められた魔法石のことだ。

 他国ではどうか知らないが、エヴァンニュでは各公共施設に大きな設備が整えられていて、緊急時の連絡手段に用いられている。

 因みに欠片のような小さく砕いたものは、かなり高価だが、識別魔法を施して端末機器に入れることで、簡単な合図を送るなどの手段として使用することが可能だったりする。


「そうですか…でもかなり危険かもしれませんよ?」


 中継施設はここから離れていて、なにかあっても気づけない上に、すぐには戻って来られない。

 乗ってきたカーゴに閉じ籠もったところで、シャトル・バスさえ倒されているのだ、殆ど意味がないだろう。


 そこへサイードが進み出る。


「大丈夫ですよ、そこは私に任せてください。」


 そう言えば対策を考えてあると言っていたんだった。どうするつもりだろう?


「なにか安全を確保する方法があるのか?」

「魔物からある程度の範囲を守る結界を張ります。」

「結界!?障壁魔法か…!」


 事も無げにさらっとそう言ったサイードに俺は驚く。


 『結界』というのは障壁魔法に分類される、一時的に魔法で作り出す障壁で仕切られた空間のことだ。その効果は障壁によって様々だが、普通魔物の侵入を防ぐほどの結界は、複数人で魔法石などの媒体を使い、時間をかけて施すものなのだとリカルドから聞いたことがある。

 それを一人でやるというのだから、凄いな!と俺が驚嘆の眼差しを向けると、なぜかサイードは複雑そうな表情を浮かべてこちらを見た。


 …?なにか俺、変なことを言ったかな。褒めたつもりだったんだけど…


「ではすぐに張ってしまいましょうか。」

「ああ、頼むよ。」


 俺が頷くとサイードは、なにを言っているのか良く聞き取れない呪文を少しの間詠唱し、右手を空に向け真っ直ぐに突き上げた。

 その手から一筋の光が放たれ、七、八メートルほどの高さに白く輝く魔法陣が浮かび上がる。

 直後そのまま垂直に円柱を描くような光の壁が上から降りて来ると、殆ど目には見えない結界が張られた。

 カーゴを含めた直径十五メートルほどの、安全地帯の出来上がりだ。


「終わりました、これでこの中は安全です。ここから出なければ魔物に襲われる心配もありません。人の出入りは可能なので、決してここから出てはいけませんよ?よろしいですね。」

「…だそうだ。いいかウェンリー、()()()ここから出るなよ?なにがあってもだ。俺はすぐに助けに来られない、そのことだけは忘れるな。」


 俺はウェンリーにしつこいぐらいに念を押した。サナイさん達はまずそんなことは仕出かさないと思うが、ウェンリーは万が一がありそうで心配だったからだ。


「んな心配しなくたって、ちゃんとここで待ってるよ。おまえの指示に従うって言っただろ、疑り深いなあ。」


 ――誰のせいだ、誰の!!


「――では行きましょうか、ルーファス。」

「ああ。」


 ウェンリーとサナイさん達に見送られて、俺とサイードは南東へと続く魔物の痕跡を辿りつつシャトル・バスの中継施設とやらへ向かう。


 歩きながら広範囲を索敵してみたが、普段ならそこかしこを彷徨いているはずの魔物の姿が全く見えなかった。


「ブレード・マンティスもアラガト・スコーピオンも影すら見えない。イエロービーやレッドアントの一体すらいないなんて、ちょっと異常だな。」


 イエロービーもレッドアントもこの辺りを生息域にしている、Eランク相当の蜂型と蟻型の昆虫系魔物だ。


「ええ、逃げ出してこの辺りから離れたのか、ハネグモに狩り尽くされたのか…どちらにしても尋常ではありません。」


 ハネグモに狩り尽くされた?…もしそんな事態があったのなら、想定以上の数が集まっているかもしれない。一応サイードが使用可能な魔法についても話を聞いておいた方がいいかな。


「サイードは範囲魔法を使えるのか?」

「火と風属性であれば使えますが、詠唱に時間が必要です。私はリカルド・トライツィのように無詠唱で魔法を放てませんので。」

「ああ…はは、まあ、リカルドは特別だから。あの強さは規格外だしな。」


 ここでリカルドの名前が出るとは予想もしていなかった俺は、思わず失笑する。そんなつもりはなかったのだが、サイードはもしかして自分がリカルドと比べられたと思ったのだろうか?


「…ルーファス、現在のフェリューテラで最高位守護者だという彼が、()()()()パートナーだというのは…やはり事実なのですか?」

「え?」


 唐突にそう質問された俺は、その言い回しがなにか妙だと違和感を感じた。


 …そうか、普通は俺が本当に()()()()()パートナーなのか、という聞き方をしてくるものなんだけど、サイードの尋ね方は逆なんだ。


「ああ、事実だよ。二年くらい前から一緒に仕事をしている。」

「……そうですか。」

「……?」


 そこからなにか話が続くのかと思ったのだが、サイードはそのまま黙ってしまい、険しい顔をしてなにかを考え込んでいる。


 サイードは俺がリカルドのパートナーだと、最初から知っていたわけじゃないのか…?


 首を傾げながらさらに暫く歩いて行くと、やがてかなり大きな廃墟と化した建造物が見えて来た。


「あれがシャトル・バスの中継施設か。…建物は殆どそのまま残っているな。」


 魔物の痕跡は予想通り、真っ直ぐにその中継施設へと続いている。どうやら崩れかけて少し低くなった外壁を飛び越えて敷地内に出入りしているようだ。


 その中継施設前まで来てはみたが、低くなっているとは言え、三メートルもの高さのある壁はさすがに足場も無しには乗り越えられない。

 俺達は外壁伝いに回り込んで入口を探すと、長年風雨にさらされてボロボロになり、原形を留めていない鉄製の門扉がある門から敷地内に入った。


 閉鎖されてから二十年近くも放置されていた建物は、見事なまでに荒れ放題で、壁には魔物に食い破られたような穴があちこちに空いていて、風で運ばれてきたと思われる砂がその壁際に幾つもの山を作っていた。


 俺達はあまり音を立てないよう、静かに周囲の状況を窺う。注意深く索敵してみるが、正面に見える二階建ての建物と、その隣にある小さめの建物辺りまでには、なにもいないようだった。


「気配がありませんね…どこかに固まっているのでしょうか?」

「ああ、ここの敷地は大分広そうだ。もっと奥にいるのかもしれない。」


 ヴァハの半分くらいは広さのありそうな敷地内を、石地(いしじ)に沿って進んで行くと、上下開閉式の扉が開いたままになっている倉庫らしき建物を見つけた。

 中を覗いてみると、様々な物資と大量の可燃物保管器が置きっ放しになっていた。


 その保管器を押して僅かに揺らすと、チャポチャポと液体が容器にぶつかる音がする。


「これ、可燃性の液体燃料が入ったまま放置されているのか?…良く今まで無事だったな、危ないじゃないか。」

「そうですね、でもなにかに使えるかもしれませんよ?例えば予めどこかに撒いておいてそこに魔物をおびき出し、火を付けて一網打尽にするとか。」

「ああ、いいなそれ。よし、無限収納に入れて持っていこう。」


 そこにあった保管器十本ほどの液体燃料全てを無限収納に入れ、他に使えるものがないか物色した後、俺達はさらに敷地の奥へと向かった。


「残念、さすがに雷石<トールストーン>は残されてなかったか。欠片でもあれば変異体にぶつけて、麻痺させるのに使えるかなとちょっと思ったんだけど…」

「え?…待ってください、あなたは()()()()()魔法石を、そんなことに使うんですか?」


 俺の独り言に、サイードがギョッとしたような顔をして聞き返した。


「ああ、これが結構効くんだよ。前にヴァレーア渓谷で大型の『キング・クロコダイル』に出会してさ。すぐに水の中に潜るものだから倒しにくくて、腹立ち紛れに持っていた雷石の欠片を投げつけてやったんだよ。そうしたら麻痺して動けなくなって…その隙に楽に倒せたんだ。」


 キング・クロコダイルとは、魔物ではなく、水棲の大型肉食動物だ。これが意外に動きが素早く、稀に川岸を歩く人を襲うこともあるため、極偶にギルドの討伐対象として依頼に出されることがあるのだ。


 俺が笑いながらそう話すと、サイードが呆れ顔をする。


「魔法国カルバラーサの魔法士達が聞いたら怒るでしょうね…。」

「どうしてだ?」

「彼の国の崇拝神は雷神『トール』ですよ?その力が込められた雷石は、言わば神の一部です。それを欠片とは言え、魔物への投石代わりに使われるとは…怒らなかったとしても嘆くでしょう。」

「そ…そうなのか…それは申し訳なかったかな、今度から少し気をつけるよ。」


 雷神トール?…サイードはもしかしてカルバラーサの出身なのかな?雷石に限らず、魔法石を攻撃道具として投げつけるなんて、当たり前のことだと思っていたんだけど…


 魔法石は魔石と同じく属性に偏った魔物から獲れることもあるし、魔法の使えない人間が殆どのエヴァンニュでは、さほど珍しいことだとは思えなかった。


 そう考えるとやっぱりサイードはこの国の人間ではなさそうだな、と苦笑しながら歩いていると、敷地中程に建つ建物近くに差し掛かった時、俺の耳に微かななにかの動く音が聞こえた。


 カサ…


「!」


 俺はすぐにその場でピタリと歩みを止める。横を見ると既にサイードも気がついたようだ。


「…サイード。」

「はい。…いますね、それも相当な数です。」


 索敵に引っかかる気配は物凄い数で、直に目で確かめないと、いったいどんな状態なのかわからなかった。


 辺りをぐるりと見回した俺は、少し先の建物の外壁に、設えられた屋根まで登れそうな梯子を見つけた。

 それを指差してサイードを促し、俺達は細心の注意を払って回り込むと、屋根に登って体勢を低くし、そおっと奥の建物を覗き込んだ。


「――こ…これはちょっと…」


 さすがにこれは俺にしても想定外だ。


 そこはシャトル・バスの整備工場のような場所だったのではないかと思う。風で吹っ飛んだのか上方の壁がなくなっており、あの車体が軽く十台ぐらいは入りそうな広さの建物内部に、ギッシリと、折り重なるようにしてなにかが、もぞもぞゴソゴソ動いている。


 そこには心的外傷(トラウマ)的な数のハネグモが、とにかくウジャウジャと犇めいていたのだ。


「どうしたらこんなに集まれるんだ…見ているだけで気持ちが悪くなりそうだよ。」

「ええ…五百…いえ、もしかしたら千体近くいるかもしれません。それなのに――」

「ああ、肝心の変異体の姿がないな。…どこにいる?」


 高所から見える範囲を探してもそれらしい姿がない。変異体の存在なしにこれだけのハネグモが集まるはずはない、絶対どこかにいるはずだ。


「わかりません。…が、親玉がいない上にあれほどの数が固まっているのでしたら、却って都合がいいかもしれませんよ。」

「そうだな、さっきの液体燃料が役に立ちそうだ。そこの建物ごと燃やしてしまうのが一番手っ取り早いだろう。問題はどうやって気づかれずに燃料を撒いて、火をつけるかだ。」

「そこは私の魔法を上手く利用しましょう。」


 にっこりと微笑むサイードに、なにか良い案があるのかと尋ねる。


 サイードの策はこうだ。まず風属性の魔法で保管器を建物上部に運び、空中で切り裂いて液体燃料を霧散させ、雨のように降らせる。範囲が広く、建物が大きいため、持って来た十本全てを使った方が良さそうだ。

 そして完全に撒き切った後、点火は火属性下級魔法『ファイアーボール』で行う。そうすれば一気に大爆発を起こし、中のハネグモは瞬殺可能だ。だが傍にいる俺達も危ないので、サイードが爆発に合わせて防御魔法を使ってくれるらしい。


「了解だ、その作戦で行こう。」

「はい。ですがその前に――ルーファス。」

「うん?」


 急に改まって名を呼び、サイードが真剣な表情で俺を見る。


「あなたに、初歩的な回復系治癒魔法と、補助系防御魔法を幾つか教えておきましょう。」

「……え?」


 ――突然なにを言い出すのかと思った。


 俺に魔法など使えるはずがない。サイードが結界を張るために唱えた言葉も、なにを言っているのか理解できなかったし、そもそもが魔法は天賦の才とか魔力というものが必要なんじゃないのか?


 俺には到底無理だろう。…そう思い込んでいた。


「いや、サイード?教えて貰っても使えるようにはならないと思うんだけど…どうして?」


 俺は戸惑いながらサイードに、そんなことを言い出した理由を尋ねる。


「今まではともかくとして、これからのあなたには必要になるはずだからです。大丈夫、必ず使えるようになりますよ。」


 そう言ってにこりと微笑み、俺に向けられたその瞳には、なぜだか有無を言わせぬなにかの強い圧力を感じた。


 これから必要になる?必ず使えるようになるって…その根拠はなんなんだ。…と言うか、今日初めてパーティーを組んだ相手に、こんなことを言って魔法を教えるとか…普通はしないよな?


「さあ、まずはもう少しこちらへ来て下さい。もっと私の傍へ。」


 なにをされるんだろう、と警戒しながらも、言われるままに俺は少しずつサイードに近付いた。


「いやでもサイード、別に俺は魔法が使えなくても困らな…」


 言いかけたその言葉を無視して、いきなりサイードが俺の額に熱でも測る時のように、右の手の平を(あて)がった。

 思わず身体をビクッと反応させた俺に、少しの間黙っているように言うと、サイードは目を閉じてなにかに集中し始める。


 すると、ものの数秒もしない内に、俺の身体の中に変化が起きた。


 それは譬えるなら、身体のどこか奥底に、閉じ込められていた〝なにか〟が解放されるような感覚だ。

 頭の天辺から手足の指先にまで至る、全身の隅々にまでそれが巡って行き、なにか温かいものに包まれているように感じる。


 今まで感じたことのないような膨大な力だ。けれど俺はこの力を、ずっと前から知っていたような気がする。


「これは…」


 開いた掌から、今にもそれが形となって溢れて来そうだった。


「身体の中に巡るある種の力を感じますね?それがなにか、わかりますか?」

「――まさか、これが『魔力』…?」


 正解です、とサイードが莞爾した。


「私達にとってこの世界の『魔法』とは、思い描いた心象や現象を具現化させて行使するもの。『魔力』を呪文という名の言霊と混ぜ合わせ、現実世界の存在や物質に影響を与えうる手段を言うのです。」


 サイードは尋ねもしないのに魔法についてつらつらと早口で捲し立てると、その説明すら自分で打ち切ってさらに続ける。


「詳しい講義を聴かせている時間はないので手っ取り早く行きましょう。魔力を認識できた今、私が教える呪文も理解できるようになったはずです。これから口にする言葉を、頭の中で復唱し、その効果と共に関連付けて下さい。例えば――」


 例えば、"呪文A"=体力回復、負傷治癒、疾病状態回復、"呪文B"=状態異常除去、"呪文C"=障壁展開…と言った感じに覚えるように、と一気に捲し立てて言われた。


 いやいやいや、難しくて良く理解できない!と言おうとしたが、とにかく鬼気迫る剣幕で「早く覚えなさい!」と凄まれたので、抵抗することも出来なかった。


 だが不思議なことに、ついさっきまで全くわからなかった呪文が、今度はすんなりと理解でき、普段使っている言葉を聞くように頭に入ってくる。

 なんというか…そう、雑音(ノイズ)混じりに聞いていた音が、急にはっきりと聞こえるようになった感じだ。

 そうして今度は、教えられた通りに呪文を唱え、実際に魔法を発動してみろと言われたものの――


「――だめだ、発動しない。やっぱり俺には無理なんじゃないのか?」


 試していたのは治癒魔法だ。翳した掌に魔力が集中し、薄い緑色の光がほんのり灯る…そこまでは行くのだが、その後の魔法陣が出現しない。


「無理だと思うから出来ないのです。そもそも本当に不可能であれば、その兆しである緑光ですら光りませんよ。さあ、もう一度試してみて下さい。」


 無理を強いてでも教えて使わせようという気なのか、引き下がろうとしないサイードに、正直言って俺はかなり困惑していた。


「いや、でももう結構時間がかかっているし、諦めた方がいいと思う。こんなことをしている場合じゃないだろう?」


 なんとか諦めさせようとしたその時、サイードが俺の目の前で突然腰の剣を引き抜き、自分の腕に刃を当てて深く傷を付けた。


「な…なにをする、サイード!!」


 痛みに顔を歪ませるサイードの腕の傷口から、ぱたたた、と音を立て流れる血に驚いた俺は、今までならまず間違いなく咄嗟に傷口を押さえ、止血しようとしただろう。

 ところが俺の取った行動は違った。驚いて慌てていたのにも関わらず、その傷に右手を翳し、自分でも信じられないほどの速さで呪文を唱えると、一瞬で治癒魔法を放ったのだ。


 緑色の淡い光がサイードの腕を包み、その傷をあっという間に治してしまう。


 それはまるで当たり前のようにそうすることに慣れていて、身体の方が瞬時に反応したかのようだった。


 直後にハッと我に返った俺は、たった今魔法を放ったばかりの両手を見た。


「――やはりきちんと発動できましたね。今の感覚で良いのです、覚えておいて下さい。」


 最低限の魔法だが、今後困った時に必ず俺の役に立つはずだ――そう言って優しく微笑むサイードは、このためだけに自分の腕を傷付けたようだった。


 なぜそうまでして俺に魔法を教えた…?


 その行動が俺には理解できなかった。


「これで私の憂いはなくなったことですし、本格的に魔物退治を始めましょうか。」


 そう言ってサイードはすっくと立ち上がった。



 ――その頃、結界に守られたウェンリー達の方は、緊迫した状況になっていた。


 サイードが張った結界はまだきちんと機能しており、時折太陽の光が反射して表面の障壁に右から左へと白い結界を表す呪文字の波光が走っていた。

 その安全地帯の中に腰を抜かしてへたり込む社員の男性と、車両(カーゴ)にへばりつくように一点を凝視し、ブルブルと身を震わせている運転手の男性がおり、その二人の前に、庇うように両手を広げ前を見据えるウェンリーと、青ざめた顔のサナイが見える。


 ギチギチギチ…


 口元の鋏角を鳴らし、シュシュシュシュ、という不気味な息を吐く音が響く。


 そう、結界のすぐ外には…魔物がいた。それも、ルーファスとサイードが討伐に向かった目的の対象である、巨大な奴が、だ。


「ちっ…てめえ、なんでこっちにいるんだよ…!!」


 舌打ちをするウェンリーをその真っ黒な八つ目が映し、隙を窺うようにただじっとこちらを見ているのだった。

  

差し替え投稿中です。※2023/03/13現在。

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