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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第二章 死絡村

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気持ちの殴り合い

『っ、待って。変なことをしようとしないで』

「変なことじゃないから、別にいいよね」

『駄目に決まってるだろ。この世界に革命を起こすなんて。不可能だ!!』


 っ、やっぱりか。


「……やっぱり気づいてたんだ」


 闇命君が困ったように顔をしかめる。


 多分、最初からわかっていたんだろう。


 俺が安倍晴明と話した時点で、思考は駄々漏れだったはずだ。

 闇命君が何も言わなかっただけ。


 真っすぐ闇命君を見る。


 何を言われても、決意は変わらない。


 この世界に革命を。

 陰陽寮に自由を。


 俺は、それを叶えたい。


 ※


 日が沈み、夜になった。


 頭を冷やした雨燕さんたちも戻り、今は村長の家に集まっている。


「それで、話とは何でしょうか、闇命様」


 部屋にいるのは、闇命君、俺、琴平、夏楓、紅音、雨燕さん。


 全員、闇命君に呼ばれた。


『もう僕の手に負えないから、琴平たちに止めてもらおうと思って』

「止める、とは?」


 琴平が首を傾げる。


 視線が集まる。


 緊張で喉が渇く。

 心臓がうるさい。


 でも、ここで引く気はなかった。


「――俺、この陰陽寮を変えたいんだ」


 一瞬、空気が止まった。


「何を言っておる、小僧」

「それはつまり……革命を起こすということか?」


 怒りそうな雨燕さんを制しながら、琴平が聞く。


「そうだ。陰陽師たちに自由を与えたい」


 琴平たちが揃って闇命君を見る。

 三人とも気まずそうだった。


『そんなの、絶対に無理だ』


 やっぱり、その答えか。


「なんで諦めるの? 闇命君には力も頭脳もあるのに」

『……』

「今のままだと短命の呪いで死ぬんだろ? 本当にそれでいいの?」


 闇命君は俯いたまま、答えない。


「小僧」


 雨燕さんが低い声を出した。


「わしらは闇命を離さん。闇命は安倍家に必要不可欠な存在だ」

「あなたは、闇命君を何だと思っているんですか」


 静かに問い返す。


「道具ですか? 駒ですか?」

「違う」

「違わないでしょう」


 雨燕さんを見据える。


「闇命君は一人の人間だ。意思も感情もある。自由になる権利だってある!」

「たわけが!!」


 重い怒声が響く。

 思わず体が震えた。


「力ある者は家のために尽くす。それが世の摂理だ」

「っ! ふざけるな!!」


 全員が目を見開く。


「なんで、子供の闇命君ばかりに背負わせるんだよ!!」


 言葉が止まらなかった。


「家の問題なら大人が解決しろよ!! なんで子供に押しつけるんだ!!」

「なんだと!!」


 家を守る。


 それが雨燕さんたちの考えなのはわかる。


 でも。


 だからといって、闇命君の人生を奪っていい理由にはならない。


『さっきから子供子供って、うるさいなぁ』


 闇命君が顔を上げた。


『優夏。悪いけど、僕は自由なんて求めてない』

「……闇命君」

『短命の呪いも受け入れてる。だから、余計なことを考えるな』


 ――は?


 その顔で?


 全部、諦めたみたいな顔で? 受け入れているだって?


『わかったな』

「どうして、そんな嘘を言うの?」

『はぁ?』


 闇命君の眉が動く。


『嘘なわけないだろ』

「嘘じゃないなら、それはただのバカの発言だ!!」

『なんだと?』


 違う。


 絶対に違う。


「闇命君。君は、生きたくないの?」

『運命には逆らえない』

「自由はいらないの?」

『この家に生まれた時点で、そんなものない』


 違う。


 本当は欲しいはずだ。


 生きたいはずだ。


 自由になりたいはずだ。


「闇命君は、受け入れてない」


 俺は言い切った。


「諦めてるだけだ」

『君に、何がわかる』

「わからないよ!」


 声が大きくなる。


「でも、何もしないで諦めてることだけはわかる!!」


 紅音が立ち上がりかける。

 だが、琴平が止めた。


「本当は長生きしたいくせに!! 本当は自由が欲しいくせに!!」

『そんなもの!!』


 闇命君が叫んだ。

 初めて感情をむき出しにする。


『君みたいな能天気な奴にはわからない!!』


 肩を震わせながら叫ぶ。


『呪いも革命も、そんな簡単な話じゃないんだ!!』


 苦しそうだった。


 今にも泣きそうだった。


『そんなものに時間を使うくらいなら、諦めた方がいいんだよ!!』

「違う!!」


 俺も叫ぶ。


「簡単じゃないのはわかってる!!」


 成功する保証なんてない。


 失敗するかもしれない。


 それでも。


「でも、あきらめてる今よりは前に進める!!」


 闇命君を指差す。


「諦めてるお前より、絶対に可能性がある!!」


 喉が痛い。


 それでも止まらない。


「諦めるなよ!!」


 拳を握る。


「闇命君の人生だろう!!」


 これは安倍家の人生じゃない。


 誰かの人生でもない。


 闇命君自身の人生だ。


「なぁ」


 震える声で問いかける。


「生きたくないの?」


 静寂。


「自由が欲しくないの?」


 誰も口を開かない。


「闇命君」


 ただ一人。


 闇命君だけを見る。


「君の本音を聞かせてよ」


 沈黙が落ちる。


 一秒なのか、一分なのかもわからない。


 心臓だけがうるさい。


 闇命君の答えで。


 この先が変わる。


 お願いだ。


 闇命君。


 君の本音を――。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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