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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 文月朔夜
第二章 死絡村

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怪我

 …………何が起きたのか分からない。


 靖弥と蘆屋道満が闇に溶け込むように消えてしまった。

 手を伸ばす暇すらなかったぞ。それと、なぜ蘆屋道満は俺に名前を聞いた?


 質問が質問を呼ぶ。今の俺は何者だ。ここはどこで、俺は誰?


 一体どうなってんだぁぁあああああ!!!!!


『僕の顔で百面相浮かべないでくれる? 不愉快なんだけど。いい加減落ち着きなよ』

「闇命君の変わらない態度に落ち着きを取り戻したよ。アリガトウ」


 と、口では言うけど、闇命君もなんか考えているように見えるな。


『どういたしまして。一人で落ち着けないとか、君も大変だね。今までの人生、人の字のごとく生きてきたんじゃないの?』

「どういう意味さ……」

『他人に負担ばかりかけて、自分は何もしてこなかった、だらけた人間なんじゃないのって聞いてるの』

「んなわけないだろ!!!」


 本当に失礼極まりないな。

 人の心はあるの?


 はぁ。とりあえず、体がものすごくだるいし、瞼は重いし、うなじは痛いし……。

 体がボロボロだ。本当に、何が起きてたんだろう。


 うんと……。たしか俺は、靖弥を見つけて、話しかけようとしたら闇命君に止められて、気配を消して隠れていたんだよね。


 すると、後ろから何かされて気絶させられたんだっけ。この後、俺は俺ではない何かに体を扱われていたような気がするけど、闇命君ではなさそう。一体、何?


「体の方は大丈夫なのか、優夏」

「あ、うん。体はだい──」


 琴平、ボロボロじゃん。


「俺より、何倍も琴平の方が酷い怪我してると思う」

「俺はなんの問題もない」

「いや、俺が心配だから……」

「気にするな」

「無理だって……」


 だって、琴平の右肩、止血しているけど血が出ているんじゃない?

 赤く染まってるけど、痛くないの?


「ん?」

「あ、紅音ありがとう」


 紅音が琴平の肩口を治し始めた。

 眉を下げ、心配そうに傷口を見ている。相当心配なんだね。


「紅音、まずは自分の傷を治せ。俺は問題ない」

「やだ」

「やだって……。お前も足を怪我しているだろ」

「問題ない」

「問題あるんだが」


 少しだけ傷が塞がったところで、琴平は紅音の手首を優しく掴み「自分のを治せ」と伝えている。


 いやぁ、顔が近いですねぇ。

 見てください、紅音の顔。イケメンが目の前にあるからか頬を染めていますよ。いや、琴平が近いからか。


 ────いちゃついてんじゃねぇよおめぇらぁぁぁあああああ!!!!!!!


 くそっ、くそが。なんだよ、なんだよ!!

 やっぱりイケメンか、イケメンだからか。

 イケメンに女性は集まるのか!! くそぉぉぉおおおお!!!!!


 紅音は琴平の傷を気にしながら離し「わ、分かった」と、自身の足を治し始めた。


 しっかり治しているのか、琴平は心配そうに見続けている。


 …………もう、ここに居たくない。自分が惨めになるよ。


 血の涙を頭の中で流していると、後ろから凄い圧が……。


 い、嫌だ。振り向きたくない。

 冷や汗が額からにじみ出てくるよ。口が震えて上手く話せない。


「貴様」

「………………あい」


 ドスの効いた素敵な低い声が呼んでる、俺を。

 嫌だ、振り向きたくない。見たくないです。


 そのままの状態で固まっていると、隣に立っている闇命君がすぐに振り向き、後ろに立っているであろう雨燕さんを見上げてる。


 ──って、あれ?

 なんで闇命君、鼠の姿にならないの?


 見つかったらやばいじゃん。

 というか、なに。これ。


 思わず振り向くと、雨燕さんと闇命君がお互い睨み合っていた。普通に怖い。


 交互に二人を見ていると、雨燕さんが重苦しい口を開き、問いかけてきた。


「詳しく聞かせてもらうぞ、闇命よ。これは、どういうことだ」

『僕の体には、別の人格が宿っている。さっきの晴明は知らなかったけど、今のこいつは僕が違う世界から口寄せした』

「なぜだ」

『僕の勘がそうしろと、言ったから』


 お互い、バチバチと視線をぶつけ合いながら、淡々と自分の主張を口にしている。


 その雰囲気だけで足が竦むって。

 怖いって!!! やめて! こんな光景見るなら、さっきのカレカノ会話を見ていた方が何倍もマシだったよ!! 胸焼け上等です!!!!


「え、えっと……。ひとまず落ち着いっ──ひぇ! す、すいませんすいません!! こんな部外者が話しかけては駄目でしたねごめんなさい!!!!」


 話しかけた瞬間、二人に鋭い目付きを向けられた。

 話しかけただけなのに殺気を向けられた感覚になったよ!! めっちゃ怖い!!


『ちょっと、変な顔浮かべないで。僕の体ってことを忘れないでよ。馬鹿は頭の中だけにしてくれない?』

「…………すいませんでしたね?!?!」

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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