第二回建国祭執行会議
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*あらすじ:第二回建国祭執行会議が開かれます。
第二回建国祭執行会議、それは昨日と同じギルレオン城の会議室で行われる。しかし出席するメンバーは昨日から減ってリュート、リンダ、ロイド、プリケ、ギース、そして執行委員長ロメオの計六人。そしてその中のリュートとリンダの二人はすでに着席済みだった。
「すまん、遅れたか?」
「いえ、ちょうど俺も今来た所です」
謝りながら入ってきたロイドだったが別段時間に遅れたわけではない。単純に他の出席者達が速過ぎるだけなのだ。
「ちなみに今日の一番乗りはリンダさんでしたね。俺が来る頃にはもう座ってました」
「今日は監督の必要がない訓練を課していましたからな。要は暇だったのです」
リュートの発言をそう言って謙遜するリンダ。そしてちょうどその時会議の開始を知らせる正午の鐘が鳴った。
「執行委員長がまた来てないけど・・・、どうします?」
「ふむん、待つのがベストな気もするが・・・」
「あんな奴を待つ時間が勿体無いでしょう。今日は私が進行します」
「むぅ、確かにそれもありだな。それでは頼む」
「畏まりました」
リンダの提案を飲んだロイド、そして執行会議が始まる。
「では会議を始めさせていただきます。今回の議題は建国祭のテーマ、異文化交流についての簡単な内容確認です。これに関して発案者であるリュート殿は何かありますかな?」
大変スムーズなリンダによる進行、伊達にこの面子の中で一番ハズレくじを引いているだけのことはあるのだ。そしてリンダの発言を受けたリュートも自分の考えを言葉にした。
「基本的には食文化とその地域に根づく風土、例えば服だったり土産物だったりを集めたいと考えてます。可能であればそういった物をまとめる小さい店みたいなスペースも確保したいですね」
「なるほど、とりあえずその小さい店は要検討として、その食文化や風土について具体的にやってみたいことはありますかな?」
「それは調べてみない事には分かりませんが・・・。まぁその地域での有名な物だったり、或いはそれを生かしてまた新しい物を作ってみたいとは考えてますね。もしかしたら前の世界の知恵が役に立つかもしれませんし」
リンダの問にそう答えるリュート。詳しいことは分からないと言ったが、実際の所何をやるかという点に関して案がない訳では無かった。にも拘わらずそう答えたのは、向こうの世界と同じ名前を有する物質であったとしても向こうの世界と同じ特徴を持つかどうかは分からなかったのである。
例えば同じ”ゴム”という名を持っていたとしても、その性質までもが同じかどうかの確証をいまいち得られていないのである。
「ふむ、まぁその辺に関しては時が来たときに打ち合わせましょうか。では異文化交流については以上で、今日は簡単な内容確認が目的だったのでこれでいいでしょう」
「うむ、我も同意見だ。大使殿はどうです?」
「把握しました。食材や土産物、或いはそういった物に使われる素材を要求する要請の可能性をホーク王に伝えておきます」
「私も同じように」
「あぁ、よろしく頼む」
ロイドの問いかけにそう答えた二人。しかし話し合いはもう少し続く、ちょうどこのタイミングで執行委員長がやってきたのだ。
「すいません遅れました!!」
「ふん、会議は終わったぞ。もう帰っても構わん」
「えぇ?折角訓練を切り上げてきたのに・・・。クソぅ、あいつらがもうちょっと頑張ってくれたら間に合ったのになぁ」
そう愚痴るロメオ。しかしそれを聞いたリンダが彼を叱った。
「聞き捨てならんな。良いか?遅れた原因はお前の無計画さにある。決して部下達の怠慢が原因ではないのだぞ!!」
「はいはい、分かりましたよ」
ロメオが口を尖らせながらそう言う。だが反省の色は一切無かった。
「二度と遅れてくれるなよ?」
「善処します」
「チッ、まぁ良い。その言葉信じるとしよう」
「任せて下さいな」
「本当に信用ならん・・・」
リンダが忌々しげにそう吐き捨てる。こういったやり取りを幾度も繰り返したにも拘わらず一切の改善が見られないのだから、こう言われても仕方ない。
「しかし本当に忙しいのはここからだ。執行委員長としてしっかり仕事しろよ」
「分かってますよ」
「すいません、その忙しいってのは具体的には何がです?」
「そうですな・・・。予算の案出もかなり面倒ではありますが、場所の割り振りが中々に面倒くさい。あのあまりにも広すぎる闘技場が無ければそれももう少し簡単なんだが、一体どうして誰も使わない観客席なんて付けたのやら」
リンダがそう呟く。そしてそれを聞いたリュート、名案思いつたりと手をぽんっ!!と叩きある案を発する。
「折角ですし、その訓練場を有効活用してみませんか?」
「と言いますのは?」
「世界各国からの強者を集めたトーナメントを開きましょう。もしかしたら魔王の配下達も集められるかもしれませんよ!!」
「おぉ!!それは素晴らしい!!それなら確かにあの手持ち無沙汰な訓練場も有効活用出来るかも」
「それに運用の仕方によっては多大な利益を見込めると思いますし、前向きに検討したいですな」
「その通り。仮に実現出来たなら凄まじい注目を集められるだろう」
ロイドがそう言って、その会議は終わった。
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会議も終わり、プリケとギースが並んで廊下を歩いている。
「中々面白くなってきたな」
「ですね。その分仕事も増えそうですけど」
「だな。んじゃ俺はこの後ゴケンコウに帰るとするかな。ロイド王からの伝言も伝えないといけないし」
「いい加減魔法通話くらい覚えなさいよ。時間があったら教えてあげるわよ?」
プリケが呆れながらそう言う。しかしギースはそれをスラリといなす。
「へへへっ、たまには運動しなきゃだから丁度良いんだよ。デスクワークばかりじゃ鈍っちまう」
「ふぅん、ま、貴方が良いなら良いわ」
「だろ?ていうかお前もたまには運動したほうが良いんじゃないか?」
ギースにそう言われて少し思う所があったプリケ。実は最近お腹周りのお肉が増えてきた所であった。
まぁこれくらいならすぐ落ちるだろうと思っていたが中々落ちない。そろそろ運動も始めないといけないかなと思っていたので、ギースの言う通り久しぶりに体を動かすことにした。
「まぁ確かに私も鈍ってきてたし、そうしようかしら」
「お?良いね。お前も走ってショクチェンドゥに帰るか?」
「それはしない、兵士達の朝練に参加しようかと思ってる。後でリンダさんに伝えておくわ」
ギースの問にそう答えるプリケ。実は兵士の訓練は事前に伝えてさえいれば誰でも参加することが出来る。どれをやってどれをやらないかは個人の選択次第であり、その選択の範囲には実戦訓練も含まれていた。
そしてプリケはその実戦訓練が一番良い運動になると考えている。だがこの国にやって来る大使は皆実力者であり、その大使の代表であるプリケは滅茶苦茶に強い。それこそギルレオンの小団長クラスなら片手でひねりつぶせるだろう。故に加減をしないと大変なことになりそうなものだが、彼女は加減というものを知らない。
「お前、やりすぎんなよ?」
「大丈夫。弁えてるわ」
「本当かよ・・・」
嘘である。この女、全然弁えていない。明日の朝練はまず間違いなく地獄絵図となる、尤もそれを知る者はギース、そして後からその事を伝えられるリンダしかいなかった。
明日は投稿しません。明後日か明々後日のどちらかです。




