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とある魔王の無双譚  作者: azl
ギルレオン建国祭
95/145

新たなる喧騒の予感

導入なのでかなり短いです。次からはもう少し長くなると思います。

「俺が悪かったからさぁ、いい加減機嫌直してくれよ?」

「グルルルル!!(ぷいっ!!)」

 

 ここはギルレオンの中庭にあるワイバーン飼育場、そこに一人の赤髪の男の姿があった。その男の名はリュート、つい最近魔王に名を連ねたこの世界における指折りの強者の一人である。

 尤も今の彼にその強者の威厳は一切ない。何故なら自分のペットであるワイバーンにそっぽを向かれてしまっているからだ。このワイバーン、自分の飼い主であるリュートが約一ヶ月に渡って姿を見せなかったことに大変ご立腹なのだ。それ故彼から差し出された肉を拒絶し、不満の視線を向けている。

 ちなみに彼の番であるワイバーンはもうすでにリュートからの肉を受け取って、美味しそうに召し上がっている。彼女はリュートの姿を見かけるやいなや嬉しそうに嘶き、その顔をリュートの方へ擦り付けていた。

 素直な妻と意地っ張りな夫、性格の違いが顕著に現れていた。


「分かった分かった。じゃあ約束、次からもうちょっと早く会いに来るよ」

「・・・」


 リュートの思いが通じたのか、ワイバーンが差し出された肉に食いつく。それを見たリュートもほっと一息。


「グルルルル」

「ふむ、機嫌を直してくれたみたいだな」


 リュートがそういうものの、ワイバーンの方は「まだ直してない」とでも言いたげな抗議の視線を送っている。

 然し次の瞬間に発せられたリュートの言葉により、その不満げな態度が大きく豹変することとなった。


「はははっ、まだ怒ってるっぽいな。まぁそれはそれとして、明後日から二週間ほど、お前に乗ってちょっと出かけたいんだがどうだろう?」

「グルルル!!」


 リュートが発した夢のような提案、これにはワイバーンもにっこりである。強靭な顎を思わずもたげ、歓喜の嘶きを上げていた。


「おぉ、その顔は良しってことかな?」

「グルル!!」

「そりゃ良かった。ところで卵の方はどうなってる?」


 リュートがそう訪ねると、メスのワイバーンがその場から立ち上がり卵を彼に見せてあげた。


「ふむ、もう少し掛かりそうだな。じゃあ悪いんだけど今回はお前にお留守番を頼んでもいいかな?卵を温める役は必要だろ?」

「クゥーン・・・」


 そう言われてしょんぼりするメスのワイバーン。

 しかし実際の胸の内は少しだけ異なる、彼女は自分に課せられた使命の大きさを理解していたのだ。卵とはいえもうすでに自分達の子どもなのである、リュートと出かけられないのは残念だが、その機会はいつかまたやってくるはずだ。だからここは悲しい気持ちをぐっと抑えて、リュートの問に首肯で答えた。


「悪い。じゃあよろしく頼むよ」

「グルルル!!」


 母親がそう強く嘶いた。

 然し何故リュートはワイバーンとともに二週間もの間ギルレオンを離れる事になったのか。これを知るには少し時を遡る必要があった・・・。

次の投稿は二十四日です。

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