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とある魔王の無双譚  作者: azl
諸外国との交流
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会談の終わり

前前前回、いいねありがとうございました。


*あらすじ:会談は次のステップへ

「まずはチョウアンとギルレオンの国交改善について話し合いましょうか」


 ソーン関連の議題は終わり会談の内容は国交関係の物へと移る。

 そしてその内容は今の所、俺とあまり関係のない話題であった。関係が悪くなったチョウアンとギルレオンの国交修繕のための話し合いが行われるので、俺とルーは蚊帳の外といった感じだ。

 まぁ休憩時間だと考えようか。だから俺とルーの二人は給仕さんが運んで来てくれたクッキーと紅茶に口付けながら、彼らの会談の内容を聞くことにした。


「そうだな。元よりそれが主題の会談であったのだろう?」

「その通りです。そして単刀直入に言いましょう。我らチョウアンとしては貴国ギルレオンとの間に修好条約を結びたいと考えています」


 神妙な面持ちでベア王がそう言い放つ。

 今のチョウアンとギルレオンの関係は良いとも言えないし悪いとも言えないだろう。チョウアン側がチョウアンとギルレオンの間にあるガポシス海峡で威圧的な行動をとったのは事実だが、侵攻を行った訳では無いので関係の修繕は可能である。

 だからロイド王はその提案に承諾の意を示した。


「勿論承諾させてもらおう。ただし対等な関係だという言葉の元にあるのならだがな」

「当然です。どちらか一方に天秤が傾く事は無いでしょう」

「そうか、であれば文句は無いよ」


 そう言ってロイド王はベア王の方に手を差し出す。そしてベア王がその手を握り握手を行った。


「ほう、存外早く済んだな。もう少し紛糾するかと思ってたぜ」

「ソーンという脅威を前にしてそんな悠長なことやってられないよ」

「その通り。我らギルレオンとしても無視できる問題では無いのでな」


 ルーの呟きにそう返す二人。実感は薄いが確かにその時は近づきつつある、いつ来るかは分からないものの必ずその時はやってくるのだ。


「ま、俺達ペルティーダも加勢するし大丈夫だとは思うが、念には念をと言うからな」

「そうだね。それじゃあロイド王、早速ですが貿易関係の話に移りましょうか」

「ですな」


 ベア王の問いかけにそう答えるロイド王。

 確かチョウアンは酒と紙で有名だったな。一応毛織物に果実、麦といった食料品も中々の産出量らしい。

 ただそう言った物はギルレオンの特産品でもあった。だからギルレオンがチョウアンの需要を満たせる物を提供するのは難しいため、この交渉は難航する・・・と思っていたがこの世界には貨幣があるんだった。


「我らギルレオンとしては酒と紙を金で買いたいと思っておる」

「良いでしょう。ただ費用に関しては我が国の値段を参考に決めさせていただきたいが構いませんかね?」

「勿論。取引は対等でありたいですからな。それに買う買わないを決めるのはこちら側ですから好きな値段を提示していただいて構いませんよ」

「分かりました。ところで輸送費はどうしましょうか?]

「それは追々決めることにしましょう。それで・・・」


 そんな風に貿易関係の会議はどんどんと続き、結局のところ後で専門の者を交えての会議を行うことで合意したらしい。

 尤も先程の会話の中である程度の基盤は作れたそうなので会議が紛糾する事は無さそうとのこと。


「ではそういう事でこの場は占めておきましょうか」

「うむ、有意義な時間であった」


 そう言って両者は再び握手を行う。これにて両国の話し合いは終了したのであった。


「ところでリュート殿の国との貿易はどうしましょうか?」

「それはまた後日。行く行くはしたい所ではありますが今はまだやめておきます。内陸の場所にあるので少し準備が必要ですから」


 ベア王の提案に今の所はそう答えておいた。

 ギルレオンから買うという手もあるかもしれないがそれは止しておく。最終的には港から自国の領土へ道を引く訳なのだから、それが済んだ後に直接買えば良い話だからね。


「分かりました。ではまた後日こちらからお声がけしますね」

「はい、よろしくお願いします」


 ベア王にそう返した俺、向こうから声を掛けてくれるのは有難い。


「じゃ、これにて会議は終わりだな。ところでロイド王、我が国ペルティーダと国交を結ぶつもりはないかい?」

「ふむん・・・、ではそれに関する条約をチョウアンとの貿易会議同日に結ぶことにしませんかな? その方がその後に色々と話が出来て良いでしょう」

「分かった。じゃあ俺も専門の者を用意して来るとするぜ」


 おっと、チョウアンに続いてペルティーダもですか。これはまたギルレオンに新しい風が吹き込みそうですな。


「んでリュート、一つ気になることがあるんだが・・・」


 そしてそんな提案をした後、ルーが俺の方を向き直りそう問いかけてくる。


「お前の国ってどんな名前なんだよ? さっきから一回も名前が挙がってないから気になってさ」

「・・・そういや決めてなかったな」

「「「えぇ!?」」」


 うるさっ!?会議室に皆の叫び声が木霊する。思ったよりもびっくりされたんだけど・・・。


「まず最初に決めるところじゃないんですか!? てっきり決めたものだとばかり思ってましたよ」

「然り、まさか決めておらなんだとは」

「ホントだぜ・・・」


 皆様好き勝手言いなさる。でもまぁ決めなきゃいけないのも事実だしな。


 じゃあ今決めてしまいましょう。可能な限り縁起が良さそうな名前にしたいから・・・。


「じゃあセキモで」

「セキモ? どういう意味だ?」

「端的に言えば大きく反映するって意味だな。縁起が良いだろ?」

「へぇ、良い名前だな。お前の前世の言葉かい?」

「おう、その通り」

「うむん、なかなか良い名前だ。であればセキモ新生国家としばらく呼称しよう。そのうち王国だったり何だったりに呼称は変化していくだろう」


 ロイド王がそう言って締めくくる。

 そしてこれにて長きに渡った諸外国交流も終わり・・・、かと思いきや最後の最後にルーがとてもとても大事なことを思い出させてくれた。


「そういやよ、ここで国の名前を決めたってことは、お前まだフェルシアに領土のことを報告して無ぇんじゃ・・・」

「あ!?」


 やべ!? すっかり忘れてた!!

 これは爆速で帰国して魔法陣に行かなきゃかな? あいつのことだしダラダラしてたらバレそうだもん。

 だがかといって俺の護衛として連れてきたサノスを置いて帰るのには少し負い目を感じるし・・・。


「その様子じゃあして無さそうだな」

「うん・・・」

「ふむ、だったら俺の国に来るかい?」


 どうしようかと色々と悩んでいた矢先、ルーが俺に助け舟を出してくれた。


「国?」

「おう、俺様の国にも幽冥城に行く魔法陣があるからそれ使えや」

「良いのか?」

「構わ無ぇよ。だが城下町で飯食ってからにしようぜ、着く頃には腹が空いてるだろうからな」

「じゃあそうさせてもらうよ。けどそんな悠長にしててフェルシアに怒られないかな?」

「安心しろよ。あいつにとっちゃ一日も一か月も大して変わん無ぇんだから数時間遅れたところでどうってことは無ぇ」


 俺の問いかけにルーがそう返してくれた。それなら安心してルーの国に行けるというもの。


「だったら遠慮なくそうさせてもらうよ」

「あいよ、ロイド王はどうする?」

「嬉しい申し出ではあるのだが今回はお断りさせていただく。色々用意せねばならんのでな」

「分かった、じゃあまたの機会に」

「うむ」


 ロイド王が頷きこれにて本当に会談は終了した。

 そして俺とサノスの二人はフェルシアの住む幽冥城に行くため、ルーの治める国ペルティーダ共獣国に向かう事となるのだった。

次の投稿は三月十五日二十一時です。

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