港町シーカイ
とても短いです。
*あらすじ:いよいよチョウアン上陸です。
チョウアンの港町、シーカイ。そこは各国の商人たちの行き交うまさに商いの街だった。船の積み荷が続々と降ろされ、ある者は背に背負い、ある者は馬車に積んで、巨万の富目指し歩みを進めていく。
その商いのための道は石レンガで整備されており、交通規制もかなりしっかりしていた。
「馬は真ん中で人は端、このシーカイにおけるルールです」
「なるほど、結構しっかりしてますね」
「そうです、なのでこのルールを破ると白い目で見られますので気をつけましょう」
「分かりました」
ベア王の忠告にそう返した俺、実際そのルールを知らなかったのであろう何処ぞの商人が、道行く馬車に轢かれかけていた。
「しかし本当に人が多いですね。それに滅茶苦茶発展してる・・・」
「港は物流の拠点ですから、自ずと発展するものですよ」
俺のつぶやきにベア王がそう返す。まぁ実際海に隣接するショクチェンドゥ城下町もすごく発展してたからね、向こうの世界でも物流の基本は海だったしこの状況も納得できる。
ちなみにチョウアンはペルティーダだけでなく、ショクチェンドゥやゴケンコウとも貿易を行っているそうだ。おもな輸出品は紙や酒、ショクチェンドゥからは衣服を、ゴケンコウからは調味料などを輸入しているらしい。
「さて、今回はこの道路を通ってチョウアンに向かいます。馬車は用意してあるのでそこまで移動しましょう」
「分かりました」
シーカイの道路は半円方向に六つずつ伸びており、その内の一つを指さしてベア王がそう言った。この道路は他の道路に比べ巨大で豪華、人の通りも多く中々の混雑具合である。
俺達はその人波を掻き分けながら進み、そして馬車のもとにたどり着いた。
「あれがその馬車です」
「いやいや豪華すぎでしょ!!」
キンキラキン、ベア王の指さす先を見て思わずそう叫んでしまったよ。
そこにあったのは非常に目立つ白亜の馬車、巨大な籠が派手な装飾で飾られ、二人の御者さんが四頭の馬の手綱を握っている。
ていうか本当に豪華である、ここまで豪華だと悪目立ちしそうなもんだけどな・・・。
「あのこんな豪華で大丈夫なんですか?野盗に狙われたりとかは・・・?」
「道路周辺の治安整備は徹底されてるので何の心配もいらないですよ、安心してください」
「そうですかね?」
「そうですよ、ここ数年そのような被害は確認されていないので何も問題はありません」
そっか、まぁベア王がそこまで言ってくれるなら大丈夫だろう。
いや~ね、大抵こういう事言ってフラグ立てると後から絶対問題が起きるもんだけど、王族が保証してくれるなら絶対起きるわけがないからね、うん。
「では馬車に乗り込みましょうか、長居は無用でしょう」
「うむ、そうしようか」
そう言ってベア王が客車の扉を開けようとするが慌ててその腕を引っ込めた。一体どうしたのだろう?
「どうしました?」
「いや、左手を使ってしまうところでした」
「む?何か問題でも?」
「チョウアンの上流層では右手を使うことを強制されるんです。私は元来左利きなのですが、つい最近まではその風習とは縁遠いところにいました。だから日頃から意識しないと」
なるほど、少し前時代的な気がしなくもないが、まぁ他所様の風習に口を出すことは控えておこうか。郷に入っては郷に従えとも言うからな。
ベア王が右手でドアの持ち手を持ち、引いた。
「中は広いので全員余裕を持って座れると思います」
「うむん、そのようだな」
ロイド王がそう言い、馬車に乗り込んだ。そしてそれにつられて俺たちも馬車に乗り込んだのだった。
今回のお話にはフラグを立ててみました。いや、ね、一体どこなんでしょうね。
ちなみにこの後書きを書くに当たってフラグと伏線の違いを調べてみたのですが、サイトによってまちまちで面白かったです。ただ伏線は作者が自ら張っておく物でフラグは読み手が予想することによって生まれる物っていう意見が多かった気がしますね。後は起こりうる確立だとか匂わせの度合いだとか色々な考え方がありました、こういう発見もネット社会ならではでしょう。
ちなみに今回の場合はフラグじゃなくて伏線だと思われます。まぁフラグでいきますが。
次の投稿は恐らく二月九日、その次が二月二十一日です。仕事が忙しくてこんなペースですが、どうぞよろしくお願いいたします。




