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とある魔王の無双譚  作者: azl
諸外国との交流
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服を買うお話 <後編>

*あらすじ:服屋に来ました。

「ふ~む、これも良いけどこっちも中々・・・。リュート殿はどっちがいいですかな?」

「えっと・・・」


 俺は今、服屋の更衣室に押し込まれ、ロイド王の着せ替え人形になっていた。持ってくる服全てにセンスが光っていて見てて楽しくはあるのだが、如何せん数が多すぎるのでちょっと疲れてきていた。ちなみに服を選ぶロイド王はかなり楽しそうである。


「むむむ、もうちょっと選んで来るか」

「畏まりました、この服はどうなさいますか?」

「一応持っておいてくれ、素体が良いからどれも似合うのだよ」

「畏まりました」


 そう言ってロイド王はまた服を探しに行ってしまった。個人的にはもういいんじゃないかなとも考え始めていたため、サノスにアイコンタクトを送ってみたのだが、見て見ぬふりをされてしまった。もしかしたら何時ぞやの仕返しなのかもしれない。


「リュート殿、ロイドのセンスはどうですか?」


 俺がロイド王が帰ってくるのをぼーっと待っていたその最中、ジャケットを両腕に構えたオルカ王がそんなことを聞いてきた。

 しかしそんなことを聞かれても俺に服の良し悪しはよく分らない。でもまぁ個人的には結構良い感じだと思ってる、だからそれをそのまま伝えることにした。


「個人的には好きですね」

「でしょ、ロイドって服のセンスがずば抜けてるんだよ」


 おぉ、やっぱそうなんだ。素人目でも分かったし、相当ずば抜けてるんだろうな。

 ちなみにこのオルカ王、女物の服を探しに行っていたはずなのに、持ってきたのは俺が着るジャケットだった。なんでも彼の選ぶ女物の服は露出が過激すぎたらしく、ロイド王から止められたのだと後から聞いた。


「おぉ、オルカ。何かあったか?」

「そうそう、お前にこれを渡しとこうと思ってな」

「ふむ、ジャケットか。これから寒くなるし良いかもしれんな」


 持っていたジャケットを帰ってきたロイド王に渡すオルカ王、ちなみに一着じゃなくて四着ほどあった。ここからまた着せ替え人形になる必要があるかもしれない。


 ちなみにオルカ王が寒くなると言っていたが、この世界、どこに行っても四季というものが存在する。極北だろうが極南が春夏秋冬が訪れる。まぁヴェルデ骸国家とかスカラの魔境とか、あったところでほとんど影響を受けない地区もあるんだけどね。


 ただ気候の差は結構ある。ゴケンコウは夏も冬も温暖で降水量も多い、いわゆる熱帯気候みたいな感じで、ショクチェンドゥは夏も冬もそこそこ寒くて降水量もあまり多くない、いわゆる亜寒帯気候みたいな感じだそうだ。まぁ寒いとは言っても氷点下数十度まで達することはあまりないらしい。

 ちなみにギルレオンは夏は暑くて冬は寒い、いわゆる温帯気候に似た気候とのこと。要するに四季の違いがかなりくっきりと出てくるわけだ。場所はあまり変わらないのに不思議だね。


 そしてオルカ王はそんな気候を意識して選んでくれたようだ。四着の内の三着はモコモコのカバーコートで、見てるだけで温かくなってきそうである。


「おや、オルカの割にはセンスがいいな。リュート殿はどれがいいと思う?」

「えっと・・・」


 ロイド王にそう聞かれるも、どれもこれも良くてすぐに答えるのはなかなか難しかった。だから少し言い淀んでいたのだが、その悩みが何でも無いかのようにオルカ王が口を開く。


「え、全部買えばいいじゃん?」


 良いわけがない、それを聞いた俺はそう感じたのだが、ロイド王は俺とは違う受け取り方をしていた。


「おぉ、確かにその通りだの」

「えっ!?」


 まさかの肯定、全然その通りじゃないと思うんだけど。

 だって一着大体金貨十五枚、つまり全部で金貨六十枚である。そう簡単に払える金ではないと思うのだが。


「あの、本当に大丈夫なんですか?」

「あぁ、問題無いわい」


 俺の問いかけを反芻することなく、そうきっぱり答えるロイド王。

 いや、問題ないわけないだろ。だって日本円で六十万円の買い物だぞ、一体どうやってそれほどの金を用意するつもりなのだろうか。


「じゃあ先ほどの服も全部買おうかの」


 そしてそんな風な事を考えていた俺に飛び込んでくる爆弾発言。

 今なんて言った?さっきの服全部買おうって言った?


「え、本気で言ってます?」

「勿論だとも、大した出費じゃないしの」


 大した出費じゃない。そう言われて服の値札を見てみたのだが、全く持ってそんなことなかった。一着金貨十枚とからざらだし、一番高いので金貨二十枚している。

 一体何をもって大した出費じゃないとか言ってるのだろうか。


「あの・・・」

「ロイドよ、持ってきたぞ」


 そんな風なことを考えていると、サノスと一緒に女物の服とかスカートとかを抱えたホーク王が帰ってくる。この人も中々センスが良い、そんなセンスの良い服をロイド王へ渡す。

 ちなみに女物の服は今日見た服の中で一番高かった、安い物でも金貨二十五枚必要らしい。


「おぉ、中々良いじゃないか、肌触りも文句なしだ」

「あぁ、ウェスト周りはベルトで上手くやってもらうことにしよう」

「これがベルトですか、人間というのは面白い物を作るんですね」


 そう言って手に持ったベルトをぶらぶらさせるサノス。もうちょっと大事に扱ってくれたまえ、一本銀貨五枚とかしてるんだから。

 プラプラさせるサノスを注意しようとした俺、だけどその言葉はロイド王の爆弾発言で掻き消されることになる。


「サノ・・・」

「よし、じゃあこれも全部買うか」

「えぇ!?」


 いやいや、金貨二十五枚とか書いてありますけど!?びっくりし過ぎて思わず叫んでしまったよ。


「どうした?」

「いや、即断即決するにはちょっと高くないですか?」

「む?いや、そんなことはないと思うが?」

「そうだよ~。だってたったの金貨二十五枚でしょ?」


 ロイド王とオルカ王が不思議な物を見る目でそう言ってきた。

 ・・・分かったわ、庶民とは金銭感覚が違うんだ。


 ようやくその結論にたどり着いた俺。王族ってやっぱ凄ぇんだなと思いつつ、俺が着る上下セット八着と上着を四着、そして女物の上下セット八着とベルト八本を、王族方に買ってもらうのだった。

 埋め合わせ投稿もいったん終了です、一月四日から再開します。

 寒くなってきてるので出来るだけあったかくして過ごしましょう。



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