表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある魔王の無双譚  作者: azl
諸外国との交流
65/145

剛地流

*あらすじ:サノスvsリンダの始まり

 試合開始の合図が訓練場に響き渡る、しかし両者とも木刀を構えたままピクリとも動かない。


「・・・来ないんですか?」

「えぇ、まぁ、私の流派は剛地流なので」

「剛地流、ですか?」

「そうです、端的に言えば柔天流とは真反対の戦い方をする流派ですね。言うなれば守り重視の流派とでも言えましょうか」

「つまりは私から動かないといけないと?」

「そうなりますね」

「分かりました、じゃあ遠慮なく」


 そう伝え、サノスは地を蹴ってリンダに接近する。そしてそのまま力強く踏み込み”霧雨”を放った。その突きはサノスの成長に連動し、放たれるたびに速度と威力を増しており、始めに放った時よりも遥かに強力なものとなっていた。常人はおろか武人でも認識するのが難しいほどの速度、だがリンダからしてみれば何の問題もなかった。


「一の盾:堅牢」


 両の足で大地を踏みしめ”霧雨”を真正面から見据えるリンダ、それを胴の前で斜めに構えた木刀で受け止める。その衝撃はかなりの物であったが、彼はそれを顔に出すことなく淡々と言葉を紡ぐ。


「これは中々ですね、はっきり言って想像以上だ」

「その割には余裕そうですが?」

「まぁこれくらい防げないと団長の座は務まりませんからね」

「ふむん、いろんな意味でかたいですね」

「よく言われますよ、私はそう簡単に意見を曲げられない男なのです。だから剣士の花形である柔天流じゃなくてこっちを選んだんでしょうね。あの頃の私はどうにかして目立ちたかったから、使用人口の少ない剛地流なら目立てると考えてたんです。だから私を止める声もすべて無視してました」


 柔天流と剛地流は二大流派として一括りにされることも多いが、実際の所は七:三くらいの割合で柔天流のほうが優っている。

 剛地流は柔天流に比べて地味なのだ、激しい動きも無ければ基本となる技が多いわけでもない。相手の技を受け止め、その都度反撃で返していく。言葉を選ばず言うなら地味な流派、それでいて基本的な身体能力も技を放つのに必要な闘気量も柔天流よりも重視されている。そもそも盾を使うなら剛地流を収めるメリットがないのだ、それゆえ剣士界隈ではあまり人気がないのである。


「ちなみに技はどれくらいあるんですか?」

「剛地流の中にあるのは三つです。一つを除く全部が防御のための技なので、各々で派生させていく必要があるんですよ」

「ふむ、じゃあ同じ剛地流の使い手でも使う技が異なると」

「そうなりますね」

「へぇ~、それは面白い。ちなみに私が攻撃を仕掛けたら、リンダ殿の扱える技は全部見せてもらえるんですか?」

「もちろん、出し惜しみをするつもりはありません」

「ほう、では全力で学ばせていただきます」


 そう言って再び木刀を構えたサノス、闘気を木刀に纏わせリンダの元に接近し技を放った。


「三の太刀:啄木鳥」

「二の盾:山嵐」


 リンダが瞬時に闘気を放出し、木刀に纏わせた。そしてリンダの木刀とサノスの木刀が触れたその刹那、サノスの左手に針で刺されたような痛みが走る。思わぬ痛みに顔をしかめるが、痛みが走ったのはサノスだけではなかった。


「くっ、まさか防ぎきれないとは思いませんでしたよ・・・」


 腕を抑えながらそう言葉を発するリンダ、彼もまたサノスの”啄木鳥”を防ぎきれずダメージを受けていた。


「”山嵐”は攻撃してきた相手に対して、闘気による反撃を行う技です。反撃に重点を置いている分、守りは疎かになってしまうのですが、ここまでの痛みは初めてですよ」


 柔天流の”空蝉”は、闘気に闘気をぶつけることによって敵の攻撃を打ち消している。しかし剛地流の大半は、闘気によって攻撃を防ぐ壁を作ることにより攻撃を防いでいる。その分必要闘気量は増えるが、守りの強さも増加する。”山嵐”は反撃を重視する技である手前、その壁の厚さは薄くなるもののそれでもかなりの厚さを誇っていた。だからそんな技を破ったサノスに、リンダも少しばかりの驚愕を覚える。


「しかしまぁ、本当にすごいですね。その技を知ったのは今日が初なんでしょう?」

「そうですね」

「なるほど、剣の天才と呼んでも差し支え無さそうだ。でしたら一つ、全力で戦ってみませんか?」

「私は構いませんけど・・・」


 そういうとサノスはリュートの方をちらりと見る。彼は自分の持つ”特質能力(ユニークスキル)”をよく理解できていない、だから少しリュートと話し合いたかったのだが、彼は特段考える素振りもなくすぐに許可を出した。


「いいんじゃね?最悪俺が何とかするし」

「・・・畏まりました、ただ念のため、身体強化系の権能はゆっくりと引き上げることにします」

「まぁそれがいいかもな」


 リュートとサノスはそう結論を下す。そしてリンダも、全力を出すために自身の精神を研ぎ澄ましていく。


「じゃあ行きましょうか」

「ですね」


 互いに頷き合って、木刀を構える。そしてその”能力”を解放する。


「立ち上がれ、挑戦者」

「打ち壊せ、乱暴者」

PVが五千件超えてたので、記念のブックマーク登録と評価をよろしくお願いします。

多分明日も投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ