表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある魔王の無双譚  作者: azl
諸外国との交流
58/145

交渉

ブックマーク登録ありがとうございます。


*あらすじ:サノスに服を作りました。

 服を無理やりサノスに押し付ける。その顔は少し困惑気味だ。


「サノス君、これは俺から君への謝罪の気持ちだ。即興で作ったからちょっと出来が悪いが、まぁ勘弁してくれ」


 そう言ってぐいぐい押し付けるが、サノスは首を横に振るばかり。


「いや、そんな、受け取れませんよ」

「いや、受け取ってくれ。というかお前が裸のままだといろいろ困るんだよ、まぁ俺を困らせたいなら、話は別だがね」

「・・・そう言う事でしたら貰っておきます」

「おう、それでいいんだよ。ついでだから着てみてくれや」


 そう促してやっと、サノスが服を着始める。ボタンは慣れていなかったらしく、その手つきは少したどたどしい。


「手伝おうか?」

「いえ、御手を煩わせるわけにはいきません」


 ふ~む、ならいいが。


 ちなみに今俺が来ている服なのだが、黒を基準とした所々に豪華な装飾を施してある、貴族みたいな服となっている。

 実はこの服、ロイド王のおさがりなのだ。彼が若いころ来ていた服を、俺に譲ってもらったのだ。だからとてもではないが、外に来て行ける見た目ではない。俺も何か一つ、服を買っておくべきかもしれない。

 ちなみにリグもロイドのおさがりだそうだ。


 閑話休題。


「出来ました」


 おっと、サノスの着替えも終わったようだ。


「おぉ、思ったよりも似合ってるな」


 やはり色男には格好いい服が似合う、その魅力をさらに引き立ててくれるからね。


「着心地悪かったりしないか?」

「いえ、問題ないですよ」

「そっか、なら良かった」


 その表情を見るに、サノスも満足してくれたみたいだ。

 さてと、謝罪も済んだことだし、本題に移ることにしようか。


「うし、じゃあ本題に入るぞ」

「分かりました、ここに来られた理由ですね?」

「その通りだとも。で、その理由なんだけど、お前に一つ頼みたことがあってな」

「なんなりと」


 おっと、頼もしい返事が返ってきたな。俺としてはうれしい限りだ。


「じゃあ簡潔に言うけど、明日俺と一緒に三国会談に出席してくれ」

「・・・すいません、その三国会談というのは?」


 あれ?言ってなかったけ?


ー言ってないですね。


 あらら、”赫イ智慧”がそう言うならそうなんだろう。これは申し訳ないことをしてしまったな。


「すまん、説明不足だった。三国っていうのは、キルクルス三国、つまりゴケンコウ、ショクチェンドゥ、ギルレオンの三つの国々のこと。だから三国会談ってのは、そのお偉いさんが集まる会談のことだ」

「ちょ、ちょっと待ってください!!どうして私なんかがそんな場所に!?」


 俺の話を聞いて、流石のサノスもびっくりしたような声を上げていた。まさかそんな場所に連れていかれるとは、思ってもいなかったんだろうな。


「森に詳しい奴が必要なんだよ。俺はここのことあんまり詳しくないから、ちょっと困っててな」

「そうなんですね・・・」

「そうなんだよ。まぁ、どうしてもってわけじゃないから安心してくれ。お前が無理ならテスラにで」

「やります!!やらせてください!!」


 うおっ、急にすごいやる気だな。俺が言い終わる前に割り込んできた。まぁ、こっちとしてはありがたいけどね。


「じゃあよろしくな」

「はい、お任せを」


 うし、サノスの協力も得られたし、これにて一件落着・・・、ではないよな。


「サノス、実はお前に、いや、お前らに一つ、聞いておきたいことがあるんだ」

「なんでしょう?」

「実はさ、この不帰の森を、俺の領土として提案しようかと考えてるんだよね」


 今回やってきた一番の目的は、これの可否について問うためだ。さっきの話は本来、この話の後にするべきものである。


「領土というと、この森をリュート様の支配下に置くってことですよね?」

「そうだ」

「いいですね、是非そうしてください」

「あぁ、勿論相談し・・・へっ?」


 まさか二つ返事で帰ってくるとは思わず、素っ頓狂な声を上げてしまった。こいつ、聞き間違えたんじゃなかろうな。


「俺が言ったことの意味、ちゃんと理解してる?」

「えぇ、勿論ですとも。実は我々で、その辺について話し合ってたんですよ」

「話してた?」

「はい、昨日のうちに」


 サノス曰く、彼らゴブリンはこの森を捨ててでも、俺の領土に住むつもりだったらしい。なんでも恩義に報うためなのだと。


「我らゴブリンは、貴方様に多大なるご恩を感じております。我々は貴方様の手となり足となり、命ぜらるるままに動きましょう。最も、貴方様がそれを拒否なさるなら、その判断を受け入れるつもりです」

「いや、そんなことを言うつもりはない。だけど本当にいいのか?この森を俺の支配下に置いて」

「構いません。むしろ我らにとって、僥倖とでもいうべきものです。一応この森にも、それなりの愛着がありましたから」


 恩義に報いつつ、長らく親しんだ土地を離れずに済む。彼らゴブリンとしては喜ぶことはあれど、悲しむ要素は一切ないとのこと。


「じゃあお言葉に甘えさせてもらうぞ?」

「えぇ、よろしくお願いします」


 サノスの了承も得られたし、これにて一件落着である。それじゃあ城に帰るとするか・・・、と思ったけど、ヨミたちにも連絡を入れた方が良いだろうな。


「サノス、ちょっとヨミたちに連絡入れとくわ」

「あぁ、すっかり忘れてました。別に入れなくてもいいのでは?」

「そういうわけにもいかん。ホウレンソウはしっかりやらないと」

「ホウレンソウ?お好きなんですか?」

「あ~、いや、あんまり好きじゃねぇかな」


 でも煮びたしは好き、特に鰹節が乗ってるやつとか。

 まぁ、さっきのホウレンソウとこのホウレンソウは、また別物なんだけどね。


『テスラ、ヨミ、聞こえてる?』

『はい、聞こ『ま!!リュート様、一体どうなさったのです?』』


 テスラの声がヨミの声によってかき消された。本当に元気だな。


『悪いんだけどさ、今日と明日、サノスをちょっと借りてくわ』

『へ?サノスを?』

『おう、もしかして問題あった?』

『いえ、問題はありませんが・・・』

『こら!!またわがまま言おうとしてるな?』

『すいません・・・』


 ヨミのしょんぼりした声が、魔法通話越しに聞こえてくる。一体なんでだろうね?


『ヨミはリュート様のお役に立ちたいと、少々躍起になっておりまして・・・』


 そう言ってテスラが補足してくれた。だったら次はヨミに頼むとしようかな。


『そっか、じゃあ次はヨミに頼むとするよ』

『あ、ありがとうございます!!』


 喜色遍満の返事であった。最も、その次がいつになるのかは分からないので、少しばかりの罪悪感を覚えてしまった。


『それでリュート様、屋敷には何時頃来られる予定でしょうか?』

『え?もう来てるぞ』

『な!?これは大変な失礼を・・・』

『す、すぐに参ります!!』

『ん?いや、気にしなくていいよ。もう帰るし』


 テスラとヨミは若干申し訳なさそうだったが、どう考えても連絡しなかった俺が悪い。彼女たちが気に病む必要はないのだ。


『それじゃあお前ら、また今度な』


 サノスとヨミの返事を聞いて、魔法通話を切った。さてと、それじゃあ本当に帰るとしよう。


「じゃあ、サノス、走って帰るぞ」

「走って?転移魔法ではなく?」

「あぁ、あれは一人用だ」


 一応二人同時に転移させることもできるのだが、成功率が著しく低下してしまう。発動者じゃない方の座標指定が、なかなかに難しいのだ。この座標指定をミスると壁にめり込んだり、変なところに転移したりする可能性があるので、二人以上の転移は行わないようにしている。最も”赫イ智慧”が色々模索してくれているので、近いうちには可能になるかもしれない。


「承知しました、せっかくなので進化した体を全力で試してみようと思います」

「お?だったら競争するかい?」

「・・・ですね、そうしましょうか」


 そう言ってサノスがにやりと笑った。


「うし、じゃあスタートっ!!」


 俺の言葉を皮切りに、二人同時で駆けだした。勝者は俺だった、面子は無事守れただろう。

 次回の投稿は十二月六日です。

 諸外国交流編で巡るのはショクチェンドゥ、チョウアン、ペルティーダの三国の予定です。なので捉えようによっては、建国祭編のほうが諸外国交流するかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ