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とある魔王の無双譚  作者: azl
諸外国との交流
55/145

進化したゴブリン達

ブックマーク登録ありがとうございました。

 小鳥のさえずり響く不帰の森にて、俺はある場所目指して歩みを進めていた。


「確かこっちだったと思うんだけど・・・」


 その場所というのは、ゴブリンたちの住む例の屋敷。

 今を逃すと再び会えない期間が続きそうなので、今のうちに顔を見せておこうと考えたのだ。

 一応俺の配下という扱いなので、それくらいのことはやっておいた方が良いだろう。

 とはいえ・・・。


「本当にこっちであってんのか?」


 歩けど歩けど見える景色は何一つとして変わらない。

 流石に不安になってくるぞ。


ーえぇ、間違いありませんとも。私はちゃんと記憶しております!!


 ”赫イ智慧”はこう言っているが、果たしてこいつの言う事を信じていいのだろうか。

 ”解析・鑑定”時代は信頼のできる、頼れる雰囲気を醸し出していたけど、今のこいつは・・・。


ーなんと失敬な!!私の演算能力は”解析・鑑定”時代よりもはるかに上昇しております!!


 どうだか。その必死っぷりは若干疑わしいね。

 そんな風な煽り合いを繰り返し、森の中をひたすら歩く。


「おぉ、リュート様!!貴方様の御姿を再び・・・」

「ッ!?誰ッ!?」


 そうやって森を歩いていると突然、背後から声が掛けられる。

 ついうっかり大きな声で叫んでしまった。

 事態を把握するべく、ぐるりと首を回した俺。その呼びかけの主である赤髪の女性は、俺の方を向いて跪いていた。


「ッ!?そんな!?もしやリュート様は私のことをお忘れに・・・」

「違う違う!!急に話しかけられてびっくりしたんだよ、悪かったな、ヨミ」


 泣きそうな顔を俺に向け、涙声でそう訴えかけてきたのは、ゴブリンたちの給仕長ヨミ。

 そんなヨミ、俺が名を呼んでやると悲しそうな顔から一転、その顔を喜色一色に染めて、上ずった声を上げた。


「あぁ、リュート様。私のような末端にすら気に掛けてくださるのですね」

「いや、お前は給仕長だろ?言うほど末端じゃないと思うが」

「いいえ、リュート様の周りの方々に比べれば、私などボロ雑巾以下でしょう」

「そう悲観してくれるなよ、これでも結構頼りにしてるんだからな」

「まぁ!!本当ですの!?」

「期待してない奴に名付けなんてしないよ。これからも頼りにしてるぞ?」

「はいっ!!必ずや、ご期待に応えて見せますっ!!」


 そう宣言してのけたヨミ。

 その手前、俺もしっかりしなきゃなという思いがどんどんと強くなってくる。


「ああ、よろしく頼む。それで早速なんだが、例の屋敷はこっちであってるのか?」

「はい。もうすぐに見えてくることでしょう」

「それはよかった。そういやなんでお前はここに居るんだ?」

「リュート様のお迎えに参ったのです。遠方から御姿を確認できましたので」

「そういうことね、じゃあせっかくだしよろしく頼むよ」

「はい、お任せくださいませ」


 そう言ったヨミの後ろについていく俺。

 そのまま特に問題が起こることなく、無事例の館につくことが出来たのだった。



「ようこそいらっしゃいました、リュート様!!」

「「「「「「グギャア、グギャア!!(ようこそいらっしゃいました!!)」」」」」」」


 ヨミによって開けられた扉をくぐると、サノスとテスラを筆頭とした、両の手では数えられないほどの無数のゴブリンたちが、俺の方を向いて跪いていた。

 ・・・ていうかこのゴブリンたち、前見た時よりもでかくなってないか?

 もっと言うと、更に人間の姿に近づいている気もする。


「おう、久しぶりだな。ていうかお前ら、何か人間っぽくなってないか?なんかあったのか」

「それについては私のほうから」


 俺の言葉を受け、サノスが手を挙げてそう言った。

 俺は頷き返し、続きを促す。


「このゴブリンたちは、元々私たちの部下だった者共です。我々が進化したのと同時に、この者たちも進化したのですよ」

「なるほどね。じゃあ姿形が変わったのは進化の影響ってことか」

「その通りです」


 サノスが同意する。

 進化したゴブリン達、前に比べて体も一回り大きくなり、腰布一枚だった服装から、大きく様変わりして、より人間に近しくなっていた。

 ただまぁ、サノスやテスラに比べると、ゴブリン色のほうが遥かに強い。ぱっと見で人間だと判断する人はあまりいなさそうである。


「ふ~む、なんか進化の影響はあったか?」

「特にございません。しかし麻や皮などの需要は大きく高まりました」

「服か?」

「その通りです」


 名前を与えた三人は、街中で見かけられそうな服を身に着けているが、他のゴブリンたちは麻で作られた貫頭衣を身に着けている。

 今まであまり見向きされなかったものが、いきなり必要になったのだから、需要が急上昇したのも十分にうなずけた。


「まぁその辺に関しては何とか工面してみるよ」

「いえ、そういうわけには・・・」

「そう言うなって。実はな、領土を得られる算段が付いたんだ」

「領地ですか?」

「あぁ、俺が正式に魔王になった暁には、この大陸のどこかで領土を得ることになると思う。その時にはギルレオンの支援も取り付けられるだろうから、麻の入手自体はそこまで難しくないんだよ。だから遠慮なく受け取ってくれ」

「・・・でしたらぜひそうさせてください。そして、リュート様が領土を得られたその暁には、我らはこの地を捨て、貴方様の領土で働きたく存じます」

「それはまぁ、その時に考えよう。それより、なんで俺がここに来たか話してなかったな」


 話を強引に打ち切って、話題を逸らす。そう簡単に決められる話題でもないしね、こいつらの一生にかかわることだから。

 ていうかあまり時間の余裕はないのだ、三国会談は明後日に迫っているので、出来るだけスピーディーに事を済ませたい。


「テスラ、サノス、ヨミ、ちょっとこれに触ってみてくれ」


 そう言って俺が取り出したのは、ギルレオン王国から借りてきたアビリティボードである。国宝級の道具なので、慎重に扱ってもらおう。壊したらただでは済まないだろうから。”赫イ智慧”は複製できるので問題ないとか言っていたが、そういう問題でもないだろうし。

 ちなみにどこから取り出したのかというと、この前新しく習得した魔法である、”収納(ストレージ)”から取り出した。

 何でも”王の盾”を分解した際に得られたデータの一つだそうで、重力と力と風魔法の応用がどうとか言っていた。でも俺は全て聞き流している、聞いたところで理解できなかったからね。


「触るだけで宜しいのですか?」

「触るというか、手を上に載せてみてくれ」

「載せてみる・・・。ってうわっ!?」

「ハハハ、俺も最初はびっくりしたよ」


 驚いたサノスに懐かしいものを覚えつつ、浮き上がった文字を読んでいく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:サノス


種族名:オーガノイド


種族能力:創ノ右腕 思考加速 高速再生 スタンピード


各種耐性:物理攻撃耐性 精神操作耐性 自然影響耐性


特質能力

乱暴者:身体強化 超直感 鬼化


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これがサノスのステータス。

 オーガノイド。ゴブリンの上位種であるオーガが、人間、あるいは魔人に近しい性質を持った場合の呼称だそうだ。基本的にはゴブノイドの進化系らしく、今回のケースなら、ハイゴブリンが名づけによってゴブノイドに進化した後、俺の制限解除に伴いもう一段進化したことによって、オーガノイドになったとのこと。

 またオーガに比べて高い知能を持ち、より人間に近い容姿を持つらしい。

 オーガよりもさらに希少な種族らしく、一部地域では土着神として崇められている地域もあるそうだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族能力

 創ノ右腕:忠誠の結晶。二つ以上の物質を結合する。生物には使用不可。

 思考加速:普段の百倍程度の速さでの思考を可能にする。

 高速再生:魔素を代償に、受けた傷を治療する。

 スタンピード:抑制された力と本能を解放し、力尽きるまで暴れ続ける。

 

各種耐性

 物理攻撃耐性:物理的外傷による攻撃への耐性。ただし”能力”の性質を含むものには干渉できない。

 精神操作耐性:精神操作への耐性。”能力”の性質を含む場合にも効果がある。

 自然影響耐性:雷や炎など、魔素を含まないものへの耐性。


各種能力内訳

 乱暴者:

 *身体強化:身体を強化させられる。魔素などの代償が必要ない。

 *超直感:周囲の気配の察知能力を強化する。魔素などの代償が必要ない。

 *鬼化:魔素を代償に、身体を大きく強化する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これがサノスの能力の内訳、想像以上に物騒なものが多かったな。

 ていうか創造ノ右腕って・・・。多分俺の影響だよな。


ーでしょうね。


 う~む、やっぱりそうか。


「サノス、右腕は大丈夫なのか?」

「心配なさる必要はありません。問題なく動きます」

「そっか。でも問題があったら遠慮なく言えよ?」

「えぇ。ですがまぁ、起きないと思いますがね」


 そう朗らかに笑うサノス。

 まぁこの感じだと問題がないっていうのは本当なのだろう、一応一安心だ。


 この話は一端区切って、物騒な権能な話に戻ろう。

 種族能力”スタンピード”、これは相当ヤバい権能な気がする。

 抑制された力と本能を解放する権能、どれほどの量を抑制しているのかは知らないが、オーガノイドは生態系の中でかなり上位に位置する種族だそう。となると抑えられている力も、かなりの量なんじゃなかろうか。

 でもまぁ、この権能を使う機会はそうそうないだろうけどね。せいぜい追い込まれた時くらいだろうけど、サノス自身も結構な強さなのだ。そんな状況は滅多に起きないはず。

 権能を全体的に見てみると、身体強化系が多いね。特殊な搦め手はなく、真正面から敵を打ち破るって感じの戦闘スタイルになりそうだな。


「サノス、しっかり扱えるよう鍛錬を積んでおけよ」

「ハッ、畏まりました」

「うむ、そういや俺があげた刀はどうなってる?」

「大切に保管しております」

「いや、使えよ」

「どうにももったいなくて」


 そう言ってばつが悪そうに笑ったサノス。

 折れたらまた作ってやるのに、俺としては使ってくれた方が嬉しいぞ。


「折ったらまた作ってやるよ。そん時は俺の練習にもなるだろうし、気にせず使ってくれ」

「そうですか・・・。そう言う事ならぜひ」


 サノスが頷く、分かってくれたみたいだな。

 これで一安心である。


「よし、それじゃあ次はヨミの番だ」

「かしこまりました、ご主人様」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ヨミ


種族名:オーガノイド


種族能力:赫ノ魔眼 思考加速


各種耐性:魔法攻撃耐性 精神操作耐性 自然影響耐性


特質能力

報恩者:解析・鑑定 魔素譲渡 超直感


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これがヨミのステータス。

 彼女もまたオーガノイドに進化していたようだ。

 ちなみにこのヨミが、名付けた三人の中で一番保有魔素量が多い。

 俺の進化に伴って、彼らの保有魔素量は爆発的に増加していたのだが、ヨミはその中でも頭一つほど抜き出ていた。

 戦闘はあまり得意ではなかったそうだが、今は有り余る魔素量を生かすため、魔法の訓練も行っているそうだ。


「努力家だな。素晴らしいことだ」

「結果はすでに出始めていましてね、魔法技術の進歩には目を見張るものがあります。私には魔法の才能が微塵もなさそうなので、羨ましい限りですよ」

「ほう、サノスは魔法が出来ないのか。それじゃあテスラは?」

「サノスほどできないわけではありませんが、ヨミほど得意というわけではありません」

「ふむん、ということは中間か」

「そうなりますね」


 なるほどな。一口にオーガノイドといっても個体差があるようだ。

 ってそりゃ当たり前か。人間にも個体差があるんだから、オーガノイドにそれがあったとしても何ら不思議ではない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族能力

 赫ノ魔眼:忠誠の結晶。魔法を純粋な魔素に分解し、取り込むことが出来る。

 思考加速:普段の百倍程度の速さでの思考を可能にする。


各種耐性

 魔法攻撃耐性:魔素による攻撃の耐性。ただし”能力”の性質を含むものには干渉できない。

 精神操作耐性:精神操作への耐性。”能力”の性質を含む場合にも効果がある。

 自然影響耐性:雷や炎など、魔素を含まないものへの耐性。


各種能力内訳

 報恩者

 *解析・鑑定:対象を解析し、データを導き出す。”能力”による妨害を受ける。

 *魔素譲渡:自分の魔素を対象に譲渡する。

 *超直感:周囲の気配の察知能力を強化する。魔素などの代償が必要ない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これがヨミの能力の内訳、アリナの特質能力”救援者”にかなり近しい権能を有しているみたい。


 ただし種族能力はその限りではない。特に”赫ノ魔眼”、これはかなり強力な権能らしい。


ーこの権能の機能である、魔法を純粋な魔素に分解するという行為は、”王の盾”を分解して初めて、実現可能となりました。魔法さえあれば無尽蔵に魔素を生み出せますので、相手によってはほぼ一方的に打ち勝つこともできるでしょう。


 なるほど。つまり非力な魔法使い相手なら、ほぼ負ける要素がないってわけか。

 そりゃヤベェな。


「ヨミ、しっかり扱えるよう、鍛錬をしっかり積んでおけよ」

「あぁ、リュート様のお言葉、恍惚の想いです。必ずやご期待に応えて見せます」

「よろしく頼む、それじゃあテスラ」

「ハッ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:テスラ


種族名:オーガノイド


種族能力:破ノ右腕 思考加速 ランペイジ


各種耐性:物理攻撃耐性 魔法攻撃耐性 精神操作耐性 


特質能力

潜伏者:解析・鑑定 影潜 超直感


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これがテスラのステータス。

 俺が名付けた三人とも、オーガノイドに進化していたようだ。一応進化には個体差があるようなので、もしかしたら一人くらいハイゴブリンのままかと思っていたが、そんなことはなかったらしい。


「お前ら全員オークノイドの仲間入りってわけか。体調は問題ないのか?」

「無いですね。むしろ気分がいいですよ」

「ふむ、だったらいいけどね」


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種族能力

 破ノ右腕:忠誠の結晶。触れたものを破壊する。”能力”も対象内だがこれによる妨害も受ける。

 思考加速:普段の百倍程度の速さでの思考を可能にする。

 ランペイジ:抑制された力を解放する。


各種耐性

 物理攻撃耐性:物理的外傷による攻撃への耐性。ただし”能力”の性質を含むものには干渉できない。

 魔法攻撃耐性:魔素による攻撃の耐性。ただし”能力”の性質を含むものには干渉できない。

 精神操作耐性:精神操作への耐性。”能力”の性質を含む場合にも効果がある。


各種能力内訳

 潜伏者

 *解析・鑑定:対象を解析し、データを導き出す。”能力”による妨害を受ける。

 *影潜:影に潜ることが出来る。潜っていた影が消えた場合、この能力は解除される。魔素などの代償が必要ない。

 *超直感:周囲の気配の察知能力を強化する。魔素などの代償が必要ない。


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 これがテスラの能力の内訳。

 影潜、まるで二次元の忍者みたいな能力だ。特に制限も無いようなので、かなり強力な権能なのだろう。

 もっとも、練習は必要だろうけど。


「影潜、羨ましい能力です。四六時中リュート様のご尊顔を目に焼き付けることが出来るなど・・・」


 そしてこの能力が、ヨミの手に渡らなかったのは僥倖だった。

 名前の由来的にはヨミのほうが適任なんだが、天がその辺考慮してくれたのだろう。ありがたい限りである。


 そして種族能力である”ランページ”。サノスの”スタンピード”とかなり似ているが、開放するものが抑制された力だけとなっていて、本能に関する記載は無かった。


「サノス、お前って戦うの好き?」

「嫌いじゃありませんね。最近は抑え気味ですが」

「そっか。だったらまた今度相手してやるよ、たまには暴れてみたいだろ?」

「よろしいのですか?」

「構わんよ。そん時は本気でかかって来い」


 多分だけど、サノスには自分の力を全力で開放できる環境が必要なのだと思う。

 いわゆる闘争本能というものだ。強くなった力を一度、全力で行使してみたいのだろう。

 環境が環境なので、今までは抑え気味だったようだが、俺相手ではその必要はない。ついでに言えば、そっちの方が俺の練習相手としてもありがたかった。


「じゃあ最後に、この中から一人、代表で出てきてくれ」


 三人の長たちのステータスチェックは終わった、残りはこの大量にゴブリンたちの番だ。

 流石に一人一人を見ていく時間はないので、代表で一人だけ出てきてもらうことにしよう。


「でしたらこの者を。来いっ!!」

「グギャ、カシコマリマシタ!!」


 そう言ってサノスに呼ばれたのは、最後尾にいたゴブリンである。

 ていうか今、言葉を喋らなかったか?


ー翻訳はしていませんので、多分間違いないかと。


 まじか。

 俺がゴブリンたちの話している内容を理解できたのは、”赫イ智慧”あるいは”解析・鑑定”が俺でも分かるように翻訳していてくれたからだ。

 今回はその翻訳をしなかったそうなので、俺の聞き間違いなどではなく、本当に人間の言葉を喋っていたと思われる。


「グギャ、コノセキバン二テヲノセレバヨロシイデスカ?」

「そうだけど・・・。お前、人の言葉が分かるのか?」

「えぇ、なんでも頑張って勉強したそうですよ」

「グギャア、リュートサマノオツレサマニメイワクヲカケルワケニハイキマセン!!」

「そりゃありがたいな。せっかくだし褒賞の一つでも考えておくよ」

「グギャ、ソレハモウシワケアリマセン」

「気にすんなよ。お前の頑張りへの、正当な対価さ」


 そう言って話を打ち切る。

 こうでもしないと受け取りを拒否されそうだったからな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:固有名無し


種族名:ゴブノイド


基本能力:好奇心


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これがこのゴブリンのステータスである。

 名前が無いようなので、褒章は名前でもいいかもしれない。

 もっとも、魔素の消費には気を付けないとだけど・・・。


ー今ならさして問題ありません。魔素量は制限解除前に比べ、十倍ほど跳ね上がっていますので、名付け一体程度なら影響が出ることはないでしょう。


 おっと、なら一安心である。

 ただまあ人間の言葉を使えることに対する褒賞なので、結構な量の名付けを行うことになると思う。うまく識別できるような案を出さないとな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


各種能力内訳

 基本能力

 *好奇心:物事を知ろうとする心。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そしてこれが能力の内訳、この”好奇心”が”解析・鑑定”の礎となるそうな。

 能力はかなり貧弱だが、保有する魔素量はそこそこある。当然オーガノイドほどではないが、ギルレオン魔法軍所属のリゲルの八分の一くらいはあると思う。

 つまり、一体一体はそれほど強くはないが、群れられるとかなりの脅威に成り得るというわけだ。ゴブノイド八人で大体リゲル一人だから、全員集結させればかなりの戦力になると思う。

 でもまぁ、強すぎるやつには手も足も出ないだろうけど。それに今の所、このゴブノイドたちの中に、魔法が扱えるものはいないらしい。もっとも、伸びしろがあるのは間違いなかった。


「これで満足することなく、もっと上を目指してくれよ?」

「「「「「グギャア(お任せくださいませ、ご主人様!!)」」」」」


 うむ、素晴らしい返事である。

 こいつらの元気な姿も見えたし、今日はここに来てよかったな。


「じゃあお前ら、俺は帰るよ」

「あぁ、そんな!!もう少しごゆっくりなさってはいかがです?」

「こら、ヨミ!!リュート様は忙しいお方なのだ、あまり迷惑をかけてはいかんだろう?」

「あはは、俺もそうしたいんだけど、予定がパンパンでさ。また今度来る時は、ゆっくりして行くとするよ」

「・・・分かりました。私はずっと、リュート様のお越しをお待ちしております」

「あいよ。それじゃあ本当に帰るとするよ」

「畏まりました。護衛は必要ですか?」

「いや、結構。転移魔法で帰るからね」


 いつぞやの転移魔法、その解析は能力の進化によって、ありえない速度で進んだのであった。

 今では十分に扱えるほど、自分の物にしていた。


「それじゃあな。また近いうちに会うと思うから、その時はよろしく」


 それだけ言って、転移魔法を発動させた俺。

 一斉に跪くゴブリンたちを一瞥して、ギルレオン城へと帰るのだった。

 これから二週間ほど、仕事が繁忙期に入るので、来週と再来週は月曜日の投稿を失くして、十八日と二十五日のみの投稿とさせていただきます。

 十一月に休んだ四回分は、十二月と一月のどこかで埋め合わせしようと考えています。よろしくお願いします。

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