vsゴーレム
『この先、強者ただ一人のみ立ち入りを許可する。
約束を破るものには、死の鉄槌が下るだろう。』
ここに来てやっと、ファンタジー的な物が出てきたな。
まぁ宝の暗号とかじゃなくて、俺達への脅し文句だったけど。
「ふ~む、これって本当なんですかね?」
ごもっともだな。
ロメオが言うように、この事が本当である確証はなかった。
尤もその逆もしかりであるが。
「ですがこれを嘘だと断定することもできませんよ」
「難しいよな~」
サノスとロメオが顔を見合わせて、意見を交わし合っている。
その間俺は、扉の奥の気配を察知しようと試みているのだが、なかなかうまくいかない。
「どうもこの扉の奥、結界かなんか張ってるみたいだな。気配を察知することが出来ない」
「そうなんですか?」
「あぁ、それも結構強力な奴だな。多分だけどその文言も本当なんじゃないかな」
「一理ありますね」
中に張ってある結界は、俺の察知すら阻害するレベルなのだ。
そんなものを構築できる人物なら、そこの文言を実行することも、不可能ではないだろう。
「だから俺が一人で入ってくるよ。お前らはそこで待っててくれ」
そしてこの中で一番強いのは、多分俺だ。
だったらここに入るのは、俺が適当だろう。
「それがよさそうだね」
「かしこまりました。リュート様、ご武運を」
二人からも特に文句は出なかった。
俺は石製の大扉をこじ開け、その内部に侵入する。
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『侵入者を感知しました。これより戦闘形態に移行します』
俺が部屋に入った瞬間、鳴り響いた警告音。
その警告音の主は、白銀に煌めく巨大なゴーレムだった。
全身甲冑のような重厚な雰囲気。
まるで騎士のような風貌だが、その両腕に武器は握られていない。
なぜならそんなものは不要だから。
ゴーレムの拳は、武器なくともあらゆるものを砕くのだ。
「むむむ、なかなかの強敵だな」
可能であれば接近戦は避けたいところである。
だったら魔法で先制攻撃を行うことにしよう。
「サンダーレイン!!」
無詠唱で放ったのは、ウルスラさんからパクった魔法、サンダーレイン。
暴雨の如くゴーレムに降り注いだ数億ボルトの電流。
その雷は、白銀の金属を這い、その表面を焼いていく。
バチバチと火花が散る。
これにて決着・・・、だったらよかったんだが、実際はそうもうまくはいかない。
『準備完了。これより戦闘を開始します』
「チッ、仕損じたみたいだな」
ゴーレムが瞳に光を宿らせ、戦闘開始の宣言をする。
ここにきて若干不安になっていたのだが、ちょうどこのタイミングで、ゴーレムの”解析・鑑定”も終了した。
ー告、解析結果:ゴーレム 魔生白金製。
魔生白金、聞いたことの無い単語だな。
それって何なんだ?
ー魔法と衝撃に対して強い耐性を持つ金属です。
なるほどね。
剣で攻撃してもその硬さで弾かれ、魔法で攻撃してもその特異な性質によって、防がれてしまう。というわけか。
まぁ問題はないな。
その二つを使わずに、”能力”を使って攻撃すればいいだけだろう。
俺は”破壊身”を展開し、ゴーレムのほうへ一気に接近する。
そしてそのまま、腕を振りかぶって、ゴーレムの胴に突き刺した。
魔生白金の絶対的な硬度も、俺の”破壊身”の前には成す術がなかった。
ゴーレムの体には大穴が空き、金属片が吹っ飛んでいた。
だがしかし、その瞳の光は灯ったままであった。
瞬間、俺は凄まじい悪寒を感じて後方へ跳躍する。
そしてその刹那、ゴーレムの左腕が大地に叩き付けられた。
空間全体に響き渡った轟音。
拳を叩き付けられた地面はぐらぐらと揺れている。
アレに当たろうものなら死んじまうかもな。
それを言うならゴーレムもか。
胸に大穴が開いているのに、何で死なないんだ?
ー解。ゴーレムには一般的に、核と呼ばれる動力炉があります。
なるほど、そこを破壊しないと決着がつかないってわけね。
・・・ていうかゴーレムの傷がふさがってるじゃん!?
ー魔生白金には再生機能もあります。
マジかよ。
まさしく最高の金属だな。
とはいえ対処法が分かったなら、後は簡単だ。
俺は”破壊者”の権能の一つ、”弱点看破”を起動させた。
力尽きたので今回はここまで。
魔王に会うところまではかけました。




