遺跡探索2
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迷宮とは程遠い一本道を歩く俺たち。
安心安全奇襲の心配なし、っていうのは調査する身としては喜ばしいことなんだろうけど、いかんせん代わり映えしないので、少しずつ気が抜けてきていた。
だがそんな折、その雰囲気をぶっ飛ばすような強烈な気配が、俺の察知に引っかかった。
「む、これはまたでかい気配だな」
「本当ですか?それで、そいつがどこにいるか分かります?」
「ちょうどこの真下だね。数は一匹みたいだ」
「なるほど、どっかに階段でもあるんでしょうね」
「恐らくそうでしょう。ロメオ様、リュート様、この先はより慎重に、探索することにしましょう」
頷き返した俺たち。
そしてサノスが一歩を踏み出した。
カチッ!!
だがその瞬間、足音には恐ろしいほど似つかわしくない音が、通路に響き渡った。
その出どころはサノスの足元。恐る恐る床のほうを見る。
「「「あっ」」」
そこにあったのは巨大な落とし穴。
そっか、遺跡だから罠の類があってもおかしくないもんね。
・・・などと現実逃避してる場合じゃないぞ!!
俺は急ピッチで翼を出したので、地面への激突は免れている。
だけど同行者の二人は落とし穴の中に真っ逆さまだ。
というかこれはまずいぞ。
今俺の真下に、あのおぞましい気配を放つ化け物がいるのだから。
俺は大急ぎで落とし穴の中へ向かうのだった。
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「お前ら、大丈夫か」
「はい。私は問題ありません」
「いてて、大丈夫じゃないですよ。これじゃお尻が真っ赤・・・」
「よしっ、大丈夫だな」
こんな状況で冗談を言えるなら大丈夫だろう。
まぁこの状況が大丈夫かはわからないけど。
カタカタカタカタ!!
「ひぇ~、こりゃまた大きい・・・」
俺の視線の先にあったのは超巨大な骸骨だった。
俺の三倍はあろうその巨体、だけど一番問題なのはそこではないだろう。
三面六臂、まるで阿修羅を模したかのような風貌をしているのだ。
まぁ顔面の表情を読み解くことは出来ないけどね。
「じゃあここは俺が・・・」
「いや、ここは俺たちが。リュート殿ばかりに頼るわけにはいきませんよ」
「然り、自分の始末は自分でつけましょう」
そう言って立ち上がる二人。
やる気満々だし、止める理由もないだろう。
「じゃあよろしく頼む。無理そうだったら下がれよ」
「ありがとうございます。ですが無用な心配ですよ」
そう言ってサノスが構えたのは、腰に構えてあったこん棒。
ゴブリン時代から使っているものっぽいが、今の彼にはサイズが合っていない。
「おい、サノス。これを使いな!!」
そう言って俺がぶん投げたのは、即興で作り出した日本刀。
かつて俺の家に置いてあった刀を模して作ってみた。
何でも親父が親友から譲り受けたものらしい。
でも譲ったというよりも、押し付けられたの方が近いんじゃないかな。
真剣だったし。
あとその経歴も、うさん臭さに拍車をかけている。
親父は”かの織田信長が使っていた名刀、津田遠江長光だぞ!!”などという妄言を、家の中で振り向いていた。
なわけないだろと叫びたかったけど、当時は我慢していた。
ちなみに母さんはとても素晴らしい人だった。
何であんな人間と結婚したんだろうね?
まぁ父さんもダメ人間ではなかったけどね、むしろ人格者だったかな?
閑話休題。
俺の放り投げた刀を受け取ったサノス。
君、そっちは刃だから掴んじゃだめだ。
これは放り投げた俺の責任なので、治癒魔法で治しておいた。
「握った感じはどうだ?」
「とても手になじみます。これなら十二分に戦えますよ」
「ならいい。よろしく頼む」
「ハッ!!」
そう言って表情を真剣なものに変えるサノス。
そして隣に立つロメオも、その表情は真剣そのものだった。
「どうもあいつには核があるようだ。俺があれを転ばさせるから、サノスはその隙に核を攻撃してくれ」
「分かりました」
頷き返したサノス。
そしてそのやり取りの間にも、三面六臂の骸骨はゆっくりと歩みを進めていた。
カラカラカラ!!
骸骨があざ笑うかのように、そんな音を発し始めた。
その正体は骨同士がぶつかり合う音。
そしてその刹那、右側三本の腕を、サノスとロメオに振り下ろした。
見た目に似つかわしくないすさまじい速度。
空を切る音を立て、三本の腕を地面に叩き付けた。
その攻撃をもろに受けた地面は、月面のクレーターみたいに沈んでしまっている。
だけどその一撃は、彼らには当たらなかったようだ。
その証拠に、血肉のシミはそこにはなかった。
「巨大六花」
骸骨の右側から聞こえるロメオの声。
放たれた魔法は、氷魔法中位応用系、巨大六花。
骸骨の足元に放たれたそれは、まるで花咲くかのようにどんどんと広がっていき、周囲の気温を下げていく。
だがしかし、ロメオの魔法はこれで終わりではなかった。
「悪戯な風」
最後に放たれた魔法の名は風魔法下位応用系、悪戯な風。
何ともふざけた名前であるが、今この場においての効果は絶大だった。
風に足元をすくわれ大きく転倒した骸骨。再び立ち上がろうにも、足元が凍り付いているせいでなかなかうまくいかない。
これにてロメオのターンは終了。
奴にとどめを刺すのは、サノスの役目である。
「トドメっ!!」
刀を一文字に振り払い、骸骨の核を一刀両断したサノス。
核を失い、体を保てなくなった骸骨。
骸骨の体はバラバラに崩れ落ち、三面六臂の原形をとどめることが出来ない。
今この瞬間、勝負の幕が下りたのである。
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「いやぁ、なかなかすごかったな」
再び遺跡の一本道を歩く俺たち。
骸骨の背後に巨大な石扉があり、その先にあった通路を探索しているのだ。
扉は一つだけだったので、どのみち落とし穴には落ちる必要があったのかもしれない。
「いえ、あれもリュート様から頂いた武器のおかげ」
「いや、あれを扱えたお前の実力だよ」
サノスは謙虚だな。
まぁ悪いことでないか。
やりすぎもよくないけど。
そんなことを話しながら、通路を歩いていると、また大きな石扉があった。
ただその扉はほかの物とは違って、絵ではなく文字が刻まれていた。
「えっとなになに・・・」
ロメオさんが石扉の前に立ち、その文字を読み解き始める。
『この先、強者ただ一人のみ立ち入りを許可する。
約束を破るものには、死の鉄槌が下るだろう。』
次は相当短くなるかもしれません。




