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とある魔王の無双譚  作者: azl
新たなる魔王
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突入!!不帰の森

私の部屋は少女漫画のほうが多い。

 ギルレオンを出発して三日、ようやく不帰の森につくことが出来た。


 今回の調査のメンバーは俺とロメオさんの二名と、必要最小限である。

 なので人の手が足りない可能性も捨てきることは出来ない。

 だがしかし今回の調査地は人類未踏の地であった。


 ゆえに数ではなく個々の戦力に重きを置いた調査隊編成となったのだ。

 何が起こるか分からない以上、自分の身は自分で守らなけらばならない。


 そう気を改めた俺たちは、不帰の森の中に入っていくのだった。



 木々生い茂る大森林。

 不気味なほどに静かなその森は、まさしく天然の迷路とでもいうべきものであった。


「木々が多すぎて方向感覚が分からなくなりそうだ」


 全方位見渡してみても、特に見える景色が変わったりはしない。

 辺り一面樹木ばかりで、方向感覚を失いそうになる。


 とはいえ足元に生い茂る植物は、その限りでもないようだ。

 あたりをきょろきょろと見渡していたロメオさんが、歩みを止める。


「お、これは珍しい」


 そしてそのままひざを折り、ロメオさんがしゃがみこんだ。


「どうしました?」


「ソラナ草です。ギルレオンのほうではなかなかお目にかかれない薬草なんですよ」


 ブチっと音を立てそのソラナ草とやらを千切ったロメオさん。

 彼の話を聞く限り、結構貴重なものらしい。

 確かによく見てみると、他の雑草とは違う気がする。


「ふ~む、確かに他のとは違うような・・・」


「おや、すごいですね。違いが判るなんて」


「まぁ子供のころから植物はよく見てましたからね」


 親父が植物学者だったんだよな。

 業界では結構名が知られた重鎮だったそうだが、家の中ではそんな素振りはなかったな。

 なぜかいつも体鍛えてたし、結構バキバキだった。


 ただまぁ植物関係の蔵書は結構あった。

 それこそ男子高校生の部屋にある少年漫画ぐらいはあっただろう。


 だから植物に触れる機会は人よりも多かった、それ関係の審美眼には結構の自信があるのだ。


「そうなんですね。是非また聞かせてください」


「おう、機会があったらな」


 取り敢えずこの調査がひと段落してからだな。

 そう結論をつけてさらに奥に進む俺たち。


 そんな折、茂みの奥から足音のようなものが聞こえ始めた。


「ロメオさん」


「分かってます」


 即座に戦闘形態に移る俺たち。

 どんどんと近づいてくる足跡のほうに意識を傾けていく。


 そして、


「グギャア、グギャア!!」


 そこから現れたのは一匹のゴブリンだった。

 腰にこん棒をぶら下げ、腰布一枚を身に着けている。


 そしてそのゴブリンは俺たちを見るや否や、両手を広げて上に掲げ、まるで敵意が無いことをアピールするかのような行動に出た。


「グギャ、グギャア!!」


「む、俺たちと戦うつもりはない?それは悪かったな」


「え、何を言ってるか分かるんですか?」


「まぁ何となくだけど」


 俺には普通に人の言葉を話しているように聞こえるのだが、どうもそれは間違っていたようだ。

 ロメオさんには”グギャア”の繰り返しに聞こえるそう。


「で、お前は俺たちに何の用だ?」


 一応問いかけてみた。

 果たして通用するのかどうか、そんな心配をしていたがそれは杞憂だったようだ。


「グギャ、グギャア、グギャア」


「む、付いてきてほしいところがある?」


「グギャ、グギャア!!」


「・・・ふむ、分かった。お前について行こう」


「グギャア!!」


 ゴブリンがきらきらとした目で、満面の笑みを浮かべ始めた。

 そしてそのまま踵を返して、茂みの奥地に消えていく。


 そして俺たちも、それに後れを取らないようついて行く。


「あの、もしあいつが嘘を付いてたらどうするんですか?」


 そんななか、ひそひそ声でロメオさんがそんなことを聞いてきた。

 どうするか、そんなこと決まっている。


「ここら一体を消し飛ばします」


「・・・ハハハ、そうですか」


 おっと、軽いジョークのつもりだったのに、真に受けられてしまった。

 ・・・そっか、もうジョークじゃすまないんだった。


 どこぞの国王様みたいなことをしてしまったね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なんだこれ・・・」


 ゴブリンの目的地。それは、この森に大変似つかわしくない巨大な館であった。

 まるで貴族の住む屋敷のような見た目である。


「グギャ、グギャア!!」


「む、目的地はここなのか?」


「グギャ、グギャア」


「入ってくれとな?了解した」


 ゴブリンが俺たちの方を振り返りながら、屋敷の中に入っていく。


 一体何が待っているのやら、若干の期待と不安を覚えながら、俺たちはその屋敷に入っていくのだった。

小物を身に着けるとおしゃれらしい。

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