#12: 運命実行 タイムコネクト
いつものように訪れる朝。栖男は少し引き締まった気持ちで日常を送っていた。いつ、Xデーが来てもいいように。トリオも準備の方は万全で、いつでも実行できる日を3つの世界線を観察しながら待機していた。兎莉生と千代女はいつも通り仲良しだ。
守護神は運命の日をどこからか待っていた。しかし、もう感づいてはいるようだ。その近くの虚空の旅人も同じ感じを得ていた。
Xデー、タイムコネクトが今日来る。
*
プロジェクトの決行はトリオの一声で始まった。
「!!!おいみんな集合!まもなく3つの世界が収束する!時間は……5分前!繰り返すみんな集合!プロジェクトを開始する!」
「「は、はい!」」「……」
トリオがつかんだのは3つの世界線の動きだった。これまでゆるやかに収束していたものの、動きが急に早めてきたのだ。トリオは急いで計画の実行に移った。
「まずは配備!各自所定の位置に即座に着けるように!栖男と俺はこの場で全人類への伝達を試みた後、将軍との合流する!兎莉生は守護神が出現し次第。迎撃に備えるように!千代女はトラブルが起き次第のリカバリーを頼む!」
「「了解!」」「……」
タイムリミットが迫る。トリオはどのように収束し、3つの世界の住人が現れるのかを予測している。
栖男も固唾を呑んで見守る。
「そういえば、将軍とは会えるのですか?」
「大丈夫だ。俺の父は相棒の父。つまりそういうことだ」
「えっと……自分の家族関係は同じということですか?」
「そうだ。そして予測通りなら自分たちのそばにもう二つの世界の自分が現れるはず。だから今相棒の自宅にいる相棒の父に現れる。しかし問題はその父だが……これは残りの栖男の住人に言えることなのだが、とりあえず説得を試みるが場合によっては奥の手を使う」
「奥の手?」
「それは秘密だ。よし。まもなく10秒前!準備はできたか?」
「は、はい!」「千代女、準備大丈夫です!」「……ん」
カウントダウンが始まった。
9,8,7,6,5,4,3,2,1……
その途端、急に視界がぐにゃりと揺れた。別の世界へ移動したときとは違った感覚。まるで雷が目の前でじめんを割ったような感覚に襲われた。
「うわッ!?」
「大丈夫か?これは単なる揺れだ!気を失うんじゃねぇぞ!」
「あ、はい!」
トリオの一声で我に返った栖男は近くの壁によって体制を保った。しばらくすると揺れは収まり、何とか歩けるようになった。
「よし、大丈夫か?確認している暇はない。予測通り目の前に3つの世界が収束したことにより、三人の自分が現れた!これより、計画その1、説得を試みる!」
とトリオは機械を操作し、全世界へメッセージを発信した。
『あーあー。みなさん。今目の前にある現実を理解できないと思います。しかし、ご安心ください。彼らは味方です。そしてここは危険です。理由はとにかく危険です。避難所を用意したので二人に案内させてもらいます。どうか信じてください』
「……よし」
トリオはうまくいったような顔をした。が、当然のことながら従わない者もいたようだった。
「これ何の意味あるんですか?みんな必ずしも信じるわけでもないのに……」
「まぁそうだろうな。よし洗脳を開始する!従わない者を識別、洗脳周波発信!」
「え?それ最初からすればよかったんじゃ?」
「まぁ、洗脳された人は体の負担が大きかったんでな、あまり使いたくなかった」
「あぁ……」
すると、トリオの予測通りうまく全員を仮想世界に連れ込むことに成功した。
「いつの間にすごい入り口の数……というかとっくにつくったのですね」
「5分前にとっくにできていたな。むっ、どうやらトラブルが出たようだ。千代女!トラブルが複数発生!最短ルートで支持するからサポートしてくれ!」
「心配及びません!秘技、影分身!」
すると千代女が数千もの分身が出現した。
「ささっといってきます!」
「え、千代女って忍者だったの……?」
「そうおいえば、その名前って確か忍者で有名な人が……」
「大体7代目です!」
「「はぇ~」」「……さすが親友」
千代女の予想以上のサポート力によってトラブルが尽く解決していく。そしてそのまま禅師類を仮想世界に収容することに成功した。
「よし、第一段階完了!俺たちも外出るぞ!相棒!」
「え、まだ終わってないのですか?」
「あぁ、あいつがいるじゃないか。守護神が」
「……はい」
そしてトリオ一同は一旦栖男の家の近くの公園に合流することにした。
そして、合流したと同時に空から守護神が現れた。
『やはり、そうか。貴様らは運命を否定するのだな』
「おうおう守護神さんよ。おかげで破滅という運命がなくなった気分はどうだ?」
『戯け。運命はまだ失ってはない。貴様が作った世界ごと消し去るのみよ。その前に貴様らを排除してからだ』
(運命って……本当にそうなのかな。自分は……)
栖男の葛藤が渦巻く中。守護神との決戦が始まった。




