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月夜譚 【No.1~No.100】

満天の星の下で 【月夜譚No.14】

作者: 夏月七葉

 彼を乗せた宇宙船は、今どの辺りにいるのだろうか。この星空の下では、どんなに目を凝らしても、それを確認することはできない。

 そうと解っていながら、毎日こうして夜空を見上げてしまう自分に思わず自嘲が零れる。彼女は上衣の前を掻き合わせて、ほうっと白い息を吐き出した。

 宇宙へ行くのが夢だと語った彼の瞳はキラキラと輝いて、それこそ今目にしている星のようだった。あの時の顔が忘れられなくて、彼女は彼の夢を応援した。それが現実になって嬉しいと心から思うし、夢を叶えた彼のことを尊敬もしている。けれど、やはり淋しいのだ。傍に彼がいてくれないと。

 彼の姿が見たい。声が聞きたい。話がしたい――そんな思いばかりが膨らんで、その内外に溢れ出てきてしまいそうだ。白く儚い、宙に霧散する吐息のように。

 早く帰ってきて欲しい。そうしたら笑顔でお帰りと言って、それから――。


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― 新着の感想 ―
[一言]  待ち人は、いつ帰るのでしょうか……。彼女の将来に、幸多からんことを願います。
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