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「事情バレ」



「……加蓮。お話ある」


「あら?穂乃美が起きてるなんて珍しいわね」



お昼休み。大抵の学校は閉鎖されている屋上が解放されているこの学校。その屋上で日伊乃と共に日伊乃が作ったお弁当を食べていた



「やっほー。穂乃美ちゃん」


「……やっほー」



日伊乃と穂乃美でテンションの差がすごい……



「それでお話ってなんですの?」


「うん……加蓮って結婚したんだよね?」


「そうですわね」


「あ、私も一緒に結婚したよー」



確かちゃんと穂乃美に報告をしていなかった……大抵寝ているので、話しかけるタイミングがなかったといえばそれまでですが……



「それがどうかなさったのです?」


「……うん。実はお願いがあって」


「お願い……ですの?」


「うん。……実はねーー」



♢ ♢ ♢



「てことで奏斗。私達家族に穂乃美も加えましょう‼︎」


「……へっ?」



帰ってくるや否や2人は話の経緯さえ教えてくれないまま、家族が増えようとしていた



「ちょ、ちょっと待とうか?」


「何秒待てばいいのです?」


「……86400秒」


「1日も待てませんわ‼︎」



駄々をこねる加蓮



「……まずはそうなった経緯だけ教えてくれ」



♢ ♢ ♢



「実はね、本当は私が結婚してないんじゃないかってバレそうなの」



由比羽から事情は聞いていた。2週間前に行われていた体育祭の賭けの内容や、その際についた穂乃美の嘘



「……なんでバレそうですの?」


「……指輪をつけてなかったり、いつも帰ってる家が実家だからってことで、そういう噂が立っちゃったみたいなの」


「指輪はさておき、帰ってる家を特定されたって……ストーカーではありませんの?」


「うん……でも、そのストーカーしてきた人は退学処分になってたよ?」


「退学処分?なんでまたそんな物騒なことになったの?」


「あまりにおかしい挙動を警察の人が見てたらしくって、その場で捕まって、理由を洗いざらい自分から自白して、退学になったみたい」



……間抜けなストーカーですわね



「……でも、ストーカーさんが捕まっちゃったことで、私が実家に帰ってるってことの信憑性が高まっちゃって……」


「結婚してない……そう思われ始めたのですね」


「……うん」



俯く穂乃美。……この子は昔から不憫すぎます。可愛いからとチヤホヤされ、静かに過ごしたいのに、周りがそれを邪魔する……


私は穂乃美が悩まされてるのを知っていましたが、初めて穂乃美から相談されましたね。……自分の手には負えない。どうにも出来ないと察したのでしょう



「なら本当に結婚してしまえばいい……そう思ったんですね」


「夫さんのことは全然知らないけど……加蓮と日伊乃が一緒なら安心だから……」


「……いいですよ。私から奏斗には話をつけておきます」


「……‼︎本当にいいの⁉︎」


「相当切羽詰まってるみたいですし、穂乃美に頼られたのですから、なんとかしますよ」


「……ありがとう‼︎」



♢ ♢ ♢



「……なるほどな」


「勝手に決めて、奏斗に話を持ってきたことは謝ります。でも、どうしても力になってあげたくて……」


「……まあ加蓮なりに考えた結果だろ?でも、わざわざ結婚までしなくても、この家で暮らすってだけでもその噂は消えるんじゃないのか?」


「奏斗ー……アンタバカだねぇ。ここは学婚生専用マンション。学婚生以外は入れないんだよ?」


「あ、そっか……」



学婚生専用マンションには、学婚生とその親しか入れない。本当に特殊な例で許されることはあっても、毎日のように入り浸ることは出来ない



「うーん……でも加隈さんが俺のこと気に入らない可能性があるしなぁ……」



俺は加隈さんのことを詳しいわけではないけど、知っている。聖頼の中では1番の有名人だからだ



でも、加隈さんは俺のことを知っているわけがない



「ならば、一度2人で会う機会を設けてみますか?」



……加蓮と日伊乃が居るからといっても、一緒に暮らすことになるのなら、互いのことは知っておくべきだと思う



「……分かった。時間とか予定は加隈さんに合わせるって伝えておいて」


「分かりましたわ」



……急なことに戸惑いはあるけれど、加蓮のお願いだもんな……聞いてやらないわけにはいかないな……



……ただ、加隈さんが本当は結婚したくないなら、俺は別の方法も模索しつつ、断ろうと考えていた……

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