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「体育祭開幕」



体育祭当日。かなり肌寒くなり、長袖で参加する人達が大多数だった



暑い時期にされるよりかはマシではあるけど、大学に向けて勉強、就活する3年生にとっては、もっと早くにしてほしいってのが本音だろう



文化祭なんて年明け。この学校はよく分からない……



ちなみに私達のクラスは紅組。形式はクラス対抗だ



「すぅ……すぅ……」



眠りの姫は私の膝の上で寝ている



テントの下にブルーシートを敷き、クラス毎に座っている。だが私は、眠りの姫のクラスで眠りの姫の面倒を見ておくことにした



眠りの姫のクラスメイトに事情を説明せずとも、私のことを迎えてくれた。そして憧れの眼差しのような目で私を見てくる



どうやらこれも『聖頼5美女』に選ばれたおかげみたいだ



《次は、2年生による200m走です》



次競技のアナウンスがされた。この競技には琴乃と太一が参加する事になっていた



(2人とも大丈夫かなぁ……)



不安でいっぱいだ。私同様に運動不足の太一、運動不足じゃないし、体力はそれなりにあるけど運動神経が壊滅的な琴乃。心配な要素しかない



「あ!あの人って由比羽さんの旦那さんですよね‼︎」


「え?う、うんそうだよ?」



姫のクラスメイトの女の子に急に話しかけられたからびっくりした……というか私の旦那さんって分かるんだ……太一もそれなりに有名人らしい



第1走目から太一の登場。他に走る人達はガッチリした身体の人はおらず、おそらくだが全員運動部ではなさそうだ



……それより私が気になったのは、なぜか大きな声援が上がっていることだ



やたらと声援が大きい気がする。最後の方の競技で、この競技次第で優勝が決まる!って場面ならば分からなくもないけど、まだ中盤戦辺り。なぜこんなにも声援が上がっているのか理解出来なかった



そしてよく聞くと、声援の声は大体女の子から上がっていた



そう。この声援は太一に向けられたものだった



私は知らなかったのだが、太一はこの学校で女性人気が高いらしい。イケメンで優しい気遣いの出来る男だと



まあブスだとは思ったこともないし、優しいとは思うが……まさかそこまでの人気だったとは……



《位置について……よーい……バンッ‼︎》



競技がスタートした。太一はというと……全員横一列に並んでいた



「太一って運動神経もそんなに良くないんだ……」



秋の味覚狩りの時は琴乃と逆で、体力ない代わりに運動神経はあると思っていたのだが……



「……あ、いや違う。あれ多分……」



太一の表情をよく見ると分かる。まだ50m手前でもう息切れを起こしているのだ



遠くからでもぜーぜーと聞こえてきそうなほど辛そうな表情だ



「太一‼︎頑張れー!」



と、一際大きな声で太一のことを応援する声が聞こえた



……琴乃だ。大声出したりするのを恥ずかしがるのに、今は頑張って太一のことを応援している



「太一さん!ファイトですわー‼︎」



伊津も負けじと大声で応援する。2人の声が届いたのか、太一は横一列に並んでいた状態から一歩リードした



「琴乃様と伊津様の声ですわ‼︎」


「やはりお二人とも太一さんのことを好いておられるのね!」



なぜか盛り上がる背後。そして……



「由比羽様も応援なさらないと!」


「えっ?わ、私?」


「そうですよ!もう2方は大声で応援してらっしゃるのですから、由比羽様も!」



なんで様付けされてるのだろうか……そしてなぜ私も大声で応援することを催促されてるのか……



目をキラキラさせながら私に目を向けられている。背中に視線が刺さっているから。……仕方ない



「た、太一〜。が、頑張れー」


「こ・え・が!」


「小さいですわ‼︎」



グイッと私に迫る2人の後輩



「そんな声では届きません!太一さんが負けてしまいますよ⁉︎」


「そうです‼︎お腹から力を出して!太一さんの勝利を願うのです!」


「は、はいぃ……」



半周を切り、残り50m辺りまで来ていた。太一はさっきのリードを徐々に詰められていた



……私は覚悟を決めた



「すぅ……太一‼︎負けたら許さないからねー‼︎」



太一は一瞬、私の方に目線を向け、頬を軽く上げていた



そして……



《ゴール‼︎一位は紅組です‼︎》



太一はリードを守り切り、見事一位でゴールした



「やりましたね!由比羽様!」


「う、うん……」


「太一さん頑張ってましたね!あとで労いの言葉をかけてあげてください!」


「わ、分かった……」



私のクラスのテントを見ると、琴乃と伊津も喜んでいた。琴乃なんて涙を流して喜んでいる



太一は太一ですごい喜びようだ。拳を上に突き上げ、やってやったぞ!と言わんばかりのドヤ顔だ



確かに頑張ってた。よく勝った。……でもね



リレーじゃないし、そんな得点差が付くような種目じゃないんだよなぁ……



……私が冷めてるだけ?

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