「はい確定」
「よっし‼︎勝った‼︎」
「マジかよー!あそこであのアイテム引くのは運良すぎんか?」
今日は休日。琴乃は親戚達の集まりに出ないといけないらしく、実家に帰っていた
私と太一が2人になった時は、決まってゲームをしている。予行デートの時のゲームセンターではボコボコにされたが、家庭用ゲームなら実力は五分五分だった
「次何するー?」
「そうだなぁ……」
シューティングゲームにレースゲーム。格ゲーにFPS、パズルゲームなど様々なジャンルのゲームを持っている。選択肢は沢山ある
ゲーム選びで悩んでいると、家のチャイムが鳴った
「ん?何か頼んだの?」
「いや、何も頼んでないはずだけど……」
「ふーん。琴乃が頼んだのかな?私が出るから、ゲーム選んでおいて」
「うい。あ、怪しい勧誘とか売り込みなら断れよ」
「分かってるよー」
そもそも学生マンションはそういったことが出来ないようになってるんだけどね
「はいー。どちら様……って加蓮?どうしたの?」
「ゆ、由比羽さぁん……」
加蓮の目には涙が流れていた
「ちょ、なんで泣いてんの⁉︎とりあえず入って‼︎」
外で泣かれると、私が泣かしたみたいになってしまう。変に誤解される前に、私は加蓮を家にあげた
「……浮気?奏斗が?」
リビングに加蓮をあげた私は、太一にゲームを片付けさせ、お茶を入れさせた
「……そうなんですの」
ぐすっと鼻をすする加蓮。相当ショックなのだろう
「奏斗に限ってそんな……」
まあ確かに私の結婚式の時の事を思い出せば、有り得ない話じゃないかもしれないけど……でもその相手の私ではないし……まさかもう新しい人を好きになったとか?
「浮気ってことは、加蓮さんと日伊乃さんは許可を出していないってことだよね?」
「ええ……出しておりませんわ」
許可というのは、もう1人、妻を迎えても良いかどうかという許可だ
『妻複数化承諾書』というものがある。この紙を市役所から貰い、現在妻である人達がこれに署名することで、夫は新たに妻を迎えることが出来る
これは過半数が認めれば承諾される訳ではなく、全員の署名が必要。そしてこの承諾書が受理されていないまま、夫が新しい女性に手を出したりした場合、浮気という判定になり、慰謝料の請求、離婚の要求をすることが出来る
「うーん……なんで浮気してると思ったの?」
「……最近、休日に出かけたり、学校から帰ってくるのが遅かったりしますの。それも、結構頻繁にですわ」
「そりゃ浮気だわ」
「結論出すの早すぎだろ‼︎」
太一は私に鋭いツッコミをかました。太一が私にツッコミを入れるなんて珍しい
「いやいや、帰ってくるのが遅くなるのは、もう浮気確定でしょ?ましてや社会人でもないから残業で遅くなった。ってこともあり得ないし」
「……やっぱり、浮気してるのでしょうか?」
「由比羽が勝手に決めつけてるだけだから‼︎多分、何かしらの理由があるんだって‼︎」
太一は奏斗と仲が良いからか、奏斗を庇う姿勢だ
「理由とか聞いてみた?」
「……教えて頂けませんでしたわ」
「はい確定」
「お前は躊躇って言葉知ってる?」
またもや太一のツッコミが炸裂した
「まあ冗談は置いといて」
「あ、冗談だったんだ」
「とりあえず加蓮。この件は私に任せてもらえないかな?」
「……えっ?」
私は加蓮の手をとった
「私が、奏斗が何をしているか調べてあげる」
「……いいんですか?」
「うん。多分加蓮や日伊乃が下手に詮索すると勘付かれちゃったりするかもだし、こういうのは第3者に頼るのが1番だから!」
「珍し……お前がわざわざそんなことするなんてな。面倒くさがりなのに」
「友達が泣いてるんだもん。当たり前でしょ?」
「……由比羽さん」
……なんてものは建前。実は私、昔から夢は探偵になることと志す人間なのだ。だから今回の件。加蓮には申し訳ないけど、すっごいワクワクしている
「……ではお願いします」
「任せて!とりあえず今日から1週間、しっかり情報を集めてくるから、その間は不審な行動は取らないように。いいね?」
「……はい」
久しぶりだ……
こんなに心が昂るのはよぉ……




