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「男はみんなそういうものなの!」



「ーーってことなの」


「へー。ふーん。なるほどー」


「興味ないなら話す必要なくない?」



適当に受け流す態度の由比羽。由比羽は私の先程の発言の真意を聞くために、わざわざ喫茶店に入って話を聞いていた



「興味あるって。……でなんだっけ?」


「……帰る」


「冗談だって!卯月は綿田先生のことが好きなんでしょ?」



手元のコーヒーにシュガーを加える由比羽。カップにスプーンが接触する音が少し聞こえた



「そもそもなんであんな時間に学校にいたの?」


「入りたくもない図書委員に入ったせいで、図書室の当番になったからよ」


「なんでやりたくもないのに入ったのさ?」


「……それは聞かなくてもいいの」



あからさまに落ち込む様子の由比羽。大体落ち込んでいる理由は察してはいるが……



「そもそもなんで綿田先生なの?」


「人を好きになるのに理由なんていらないわ!」


「……なんで綿田先生が好きなの?」


「だ、だから!人を好きになるのに理由なんて……」


「分かりやすく聞こうか?綿田先生のど(・)の(・)部(・)分(・)が好きなの?」


「……顔です」


「だよねー。好きになるのに理由がないなんて嘘っぱちだよねー」



コーヒーを啜る由比羽。変な所で鋭いんだよなぁ



「まあ生徒からの人気もあるし、顔も良いから分からなくもないけどさ。……私には良さが全く分からないけど」


「でしょうね」



元から由比羽に男の良さを分かってもらおうなんて思っていない。多分どんなにカッコよくても、どんなに頭が良くても、どんなに運動神経が良くても、由比羽はなびかないんだと思う



……理由は知りたい。でも、由比羽自身が話さないってことは言いたくないのだろう



「ところで、なんで卯月は綿田先生の前だと性格変わるの?」


「……何の話?」



由比羽の言葉は私には理解できなかった



「気付いてないの?……いや、気づいてないフリしてる?」


「本当に分からないんだけど……」


「ふーん。じゃあ知らないままの方が幸せかもね」


「いや、知らされたんだけど……今あんたの手によって」



もう完全に手遅れな状態まで情報が出てたんだけど……



「んー。なら教えてあげる。卯月ったら綿田先生の前だと真面目で少しツンツンした女の子になってるのよ」



私は頭の上に?マークを浮かべた



「……いつも通りでは?」


「本当にそう思ってるなら、悪いことは言わないから一回脳味噌を最高医療機関に診てもらうことをオススメするわ」



酷い言われようだ



「とにかく性格が違いすぎるの」


「……意識してないんだけどなぁ」


「意識してないのが尚更タチが悪いのよ」



ただ一つ、疑問に思うことがあった



「でもさ?めちゃくちゃ甘えるように性格が変わってるわけじゃないんでしょ?なら良いんじゃないの?」



先生の前でだけ、優等生を演じ、甘えたりしたりする分には問題はあると思うけど、聞いている限りでは真逆の性格。生徒としては良いかも知れないけど、彼女としてはどうなの?という性格なのは否めないような……



「分かってないなぁ……本当に分かってないよ」



やれやれといった感じで頭を横に振る由比羽。……由比羽に男のことで意見されると少し腹立たしい



「男はね、少し冷たく接してくる女子に胸キュンするものなのよ」


「人によると思うけど……」


「寄らない!男は皆そういうもの!万国共通!」



由比羽曰く、全世界規模の話らしい



「しかもそれを理解してないのにその性格を演じるなんて……あんたも悪女よね」



ここまで理不尽な悪女認定は初めてだった



「もう!別にいいじゃん!私は本気で先生のことが好きなんだもん!」



私の言葉に嘘はない。事実、大好きで仕方ない



「……それがいけないことだって分かってるの?」



茶化すような態度から一転。真面目モードに入った由比羽



「……分かってるよ」


「分かってるつ(・)も(・)り(・)でしょ?あんたは何も分かってないよ」



由比羽はコーヒーを一口啜り、カップを置いた



「成人と未成年の結婚はまだまだ障害だらけなんだから」



そう。学生婚を大々的に勧め、学生婚というワードが一般的になった昨今。今では成人女性が16歳の男性と結婚するケースだってある。



だが、それでも未だに歳の差婚であったり、成人と未成年の婚約に関して、世間の目は白いままだ



結婚する分にはなんら問題はない。それを認めたのは政府なのだから



でも、政府が認めたからといって、世間が認めるかどうかは別問題。ましてや生徒と教師。正直な話、一番禁断な関係だと自分でも思う



「……それでも、自分の気持ちにウソをつくぐらいなら、障害だらけで良いよ」



さっきも言ったが、私の言葉に嘘はない。これも本心だ



「そう。なら良いんじゃない?私がとやかく言う権利はないし」



と、意外にもあっさりと引いてくれた。もう少し論争になるかと思っていたのだけど……



「ただ、好きならちゃんと覚悟しないとね」


「……分かってるよ」



その前に、まずは先生に好きになってもらうところから始めないとね……


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