↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
33/142

「あなた以外に誰がいますのよ」



私に友達なんていない。仲良くなってくれる人なんていない。由緒正しい家柄のせい?私じゃなくて親が築き上げた物なのに?私はただそこに生まれて、そこで育っただけなのに?


お金がいっぱいあって幸せ?それは間違いない。お金はたくさんあって困ることはない


でも……お金持ち、由緒正しい家柄。この二つだけで私は……普通のことを普通に出来ない……ただの足枷でしかないと私は思う



「加蓮様!おはようございます!」


「……ええ」



彼女は私以外に様付けなんてしない。あんなニコニコと嘘の笑顔を他者に撒いたりしない



「加蓮様!今日もお美しい限りで!」


「……ありがとう」



彼女もまた、私以外に様付けしない。あんなに固い台詞を友達に言うことなんてない



私は……彼女らにとって私は友達ではなく、別の次元の人間だと捉えている



……本当に居心地が悪い



「加蓮様!朝は災難でしたね」


「……あぁ」



確かに災難だった。生意気で口汚くて、無礼者の相手をしなければならなかったのだから……



……ただ、私にタメ口で話す子は、あ(・)の(・)子(・)達(・)以来だ



「あの2人……3組の比呂 奏斗と姉妹 由比羽のようです」


「……そう」



由比羽さんは知っていましたが、あの男性は奏斗とおっしゃるのですね……ほとんど私と喋ってはいませんでしたが、私の家柄を知った上で、敬語を使わなかった同い年の男子は初めてでしたわね……



……あの方なら、もしかすると……



「……加蓮様?」


「な、何かしら!」


「いえ!何かぼーっとしてらっしゃったので!」


「あぁ……すいません。少し考え事をしてただけですわ」



……早速放課後にでも、実(・)施(・)してみましょう」



♢ ♢ ♢



「じゃあな奏斗ー」


「おう!また明日なー!」



学校も終わって、今日は家に帰ったら姉妹から借りたゲームでも進めよっかなぁ……



「ちょっとそこのあなた」



と、声の方へ振り向くと、そこにはお姫様が仁王立ちで立っていた



あー間違ったー。呼ばれてるの俺じゃないのに、俺かと思って振り向いちゃったじゃん……すげー恥ずかしいんだけど……まあいいや。とりあえず早く家に帰ってゲームをーー



「ちょっと!なんで無視しますの⁉︎」



服の襟袖部分を引っ張られ、前に行こうとする力が、遮られた



「え?俺?」


「あなた以外に誰がいますのよ」



どうやら振り返ったのは間違いではなかったみたいだ



「えっと……お姫……じゃなかった……緋扇さんが俺に何の用?あ!もしかして朝のことで話があるとか?」


「いいえ。あの件はもう終わったことなので関係ありませんわ。それよりもあなた、これから時間は空いてますか?」


「……まあなくはないけど」


「よろしい。ならば私についてきてくださるかしら?」



……嫌な予感どころの話じゃない。朝初めて喋ったばかりの。それも仲良くではなく、険悪な雰囲気で喋っただけの俺についてこいだって?



……俺は闇の組織にでも売られてしまうのか?



ただ今更予定があるだなんて言えるはずもなく、俺はお姫様についていくしかなかった



「さあ、お乗りになって」


「……えっ?く、車に?」


「それ以外何があるというの?ほら、早く乗りなさい」



校門前に朝見かけた黒く大きな車に今、乗せられそうになっていた



「加蓮様の車に男が乗り込もうとしてるぞ!」


「嘘ー!あのバスケ部のエースの人も断られたって話なのに!」



と、下校しようとする他の人達の目線が痛いほど刺さる。こんなに注目されたのは、幼稚園のお遊戯会以来だろうか……



「何をグズグズしてらっしゃるの?早く乗りなさい」


「わ、わかったから!」



お父さん……お母さん……今までありがとう……姉妹。俺が死んだら、今借りてるゲーム、勝手に持って帰っておいてくれ……



俺は決意を固め、車に乗り込んだ



「じいや。発車して頂戴」



お姫様の合図と共に、車が走り出した



「ど、どこに向かうの?」


「私の家ですわ」



やっぱり確実に100%。俺は今日死ぬみたいです



「な、なんで?」



理由は分かってる……お姫様に歯向かった報いとして、身体を闇組織に売られることは……ただ、聞かずにはいられなかった……



「あなたには、私の婚(・)約(・)者(・)として親に挨拶してもらおうと思ってるんですの」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。