「最高か不本意か最悪か」
「ほら席につけー!出席とるぞー」
……スーツを身に纏った清潔ぶった男か。担任は女の人が良かったなぁ……
「ーー次、女子の出席確認してくぞー。姉妹!」
「……」
「おい……いるなら返事ぐらいしろ!」
「見れば分かるんだからいちいち返事する必要ないじゃん」
「ったく……次はーー」
毎回思う……この点呼に意味はあるの?
♢ ♢ ♢
「ーーじゃあ次の時間から委員会とかの役割を決めるからな」
「「「「はーい」」」」
……ん?あー。……寝てたから一瞬で終わっちゃったな。一時間目の事、全然記憶にないや……
「琴乃ー!」
「あっ……由比羽ちゃん。もう……授業中に寝ちゃダメって言ってるのに……」
「えーいいじゃーん?だって勉強じゃないんだし!セーフセーフ!」
「……授業中も寝るつもりなんでしょ?」
「うぐ……お、起きる努力はするよ……」
琴乃のため息が聞こえてくる……呆れられてるんだろうなぁ
「そんなことよりさ!委員会どこに入る?」
「今年も図書委員かな?」
「だよねー!そう言うと思ってた!」
となると私の答えも決まっている
「ーー委員決めするぞー」
図書委員以外はありえない!いや……琴乃と以外あり得ない!
「まずは学級委員から決めるぞーー」
♢ ♢ ♢
「じゃあ次、図書委員な。誰かやりたい奴はいるか?」
「はーい!」
「……はい」
よしっ!これで私と琴乃の二人で決てーー
「ーー3人か……じゃあ3人でじゃんけんして決めてくれ」
……ん?3人……?……あっ、あいつ‼︎八幡太一……!声を出さずに手だけあげてやがるっ!
「じゃあ3人は立ってくれ」
……お願いします神様!何でもしますから、どうか私と琴乃に勝利をお願い致します‼︎
「いくぞー。じゃんけんーーポン!」
「……あ」
「……姉妹と八幡の2人で決定だな。すまんな夜須加。お前は違う委員会で立候補してくれ」
「は、はい。分かりました……」
あ……
あああ……
あああああ……‼︎最悪だぁぁぁぁぁ‼︎
一番やってはいけない組み合わせになってしまったぁぁぁぁぁ!
最高は私と琴乃で、不本意が琴乃とあの野郎で、最悪が私とあの野郎の組み合わせだったのに‼︎
ま、まだ間に合う!この状況を打破する方法がまだ残ってる!
「せ、先生‼︎」
「……ん?なんだ姉妹?」
「わ、私やっぱり違う委員会にしようかなって!だから琴乃と私を変えて下さい!」
不本意だけど……まったくもって遺憾けど仕方ない‼︎
「あー。すまんな姉妹。もう委員会リストの所にボールペンで名前書いてしまったんだ。すまんがもう変更は出来ないな」
う……うそでしょぉぉ‼︎
♢ ♢ ♢
ーー終わった……もう私の人生ここで終了ですお疲れ様でした
「……由比羽ちゃん」
……琴乃の声がする。わざわざこっちの席まで来てくれたんだ
「……琴乃。ごめん……図書委員になりたかったって言ってたのに……」
「ううん……大丈夫。保健委員でもいいかなって思ってたから」
琴乃は保健委員になったのね……あの後の出来事もショックのあまりか全然記憶にないや……
「それより、次の時間に何をするか聞いてた?」
「……ごめん。聞いてなかった」
「……だと思った。机に突っ伏してたから、また寝てるんだろうなぁって思ってたよ」
多分寝てたんじゃなくて、ショックで気絶してただけだろうけど……黙っておこっ
「次の時間は学生婚の話をするんだって」
「……ああ。あの訳わかんない話ね。どうせ私には関係ないし……また寝てようかなぁ」
「……次寝たら私……怒るよ?」
やばっ……あの顔は本気だ……
「わ、分かった分かった!起きてるから!」
「うん。分かればよろしい!」
琴乃は真面目すぎるんだよぉ……私が寝てても琴乃に関係あるわけじゃないのに……それが琴乃の良いところなんだけどさ……