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グレイシアコラボイベント4

 キマイラを倒した僕らは、洞窟の奥にある魔法陣へとやってくる。

 どうやらこれが目的地らしい。

 今まで何の反応も見せていなかったオリジナル? のGババァと俺の尻で泣けもイベタダさんと共に魔法陣へと向かう。


 なんだなんだ? 結局何のためにここに来たの?

 魔法陣の上に乗ったタダシたちは、僕等に振り返り笑顔を向ける。

 あれ? なんか別れの1シーンみたいな感じなんだけど、もしかして……


「皆さんお世話になりました。ここで私達は帰還できるようです。短い間でしたが、出会えてよかったです」


 ああ、そういうイベントだったのか。

 ……って、いやいや。おかしいだろ。イベントがおかしいでしょ!?

 そんな話あったっけ? なんで洞窟に戻るための魔法陣あるって分かった訳!?

 過程がすっ飛ばされてるよイベタダさん!?


「では、失礼します」


 待って、僕らまだイベントに付いていけてないよ!?

 魔法陣が光り出す。

 イベントの進行に付いていけてない僕らを放置して、タダシさんは異世界へと帰還していった……


 って、そういえばこのイベントのタダシさんオリジナルじゃなくてコピーだよね、何処に帰る気だ?

 なんてことを思った僕の目の前で、魔法陣から立ち昇った光が全てを覆い隠す。

 そして光が収まると、タダシたちがその場に立っていた。


「って、戻ってねぇし!?」


 何してんのタダシさん。結局異世界戻れてないじゃん。

 ねぇ、このイベントなんだったの? あの……タダシさん?

 あれ? おかしいな? 真っ直ぐ見つめたまま微動だにしないぞこいつら?


「これ、バグなんじゃないダイスケ?」


「え? マジか!?」


「多分、ほら、ゲームのイベントでキャラクター移動させる時、キャラ画像だけ残ってるみたいなバグじゃない?」


「あ、あー。つまりイベントのタダシさんは意識だけ異世界に飛んでった、っていう設定なわけか」


「ンな訳が無かろう。無理に仕様だと思いこまず神に告げてやれ」


 でも神様結構一杯一杯だからなぁ。これ以上苦しませるとなんか倒れちゃいそうじゃね?

 まぁ、一応伝えとくか。できるだけ苦しみが無いようにフレンドリーに言っとこう。

 と、言う訳で一先ず神様いるー? とメールを送る。


 ―― はいはいなーっと。なんでしょな? ――


 あれ? なんかテンションがおかしい?

 まぁいいや。えっとタダシさんイベントやってんだけどさー。なんかタダシさん帰らずに居残ってるんだ。あとこのイベント内容は流石にどうかと思う。

 せめて異世界に戻る為になぜ洞窟に向かうのかの過程を説明してほしいな。


「ちょ、流石にストレート過ぎない?」


「あー、なんか回りくどく言うのも面倒だなって」


「あんたが一番神様追い詰めてる気がするよ私は」


「いやいや、ルーカには負けるよ」


「ええ、それ嬉しくない!?」


 驚くルーカ。知るかとしかいえないぜ。


 ―― マジで!? あ。マジだ。タダシさん固まっとる。ちょっとアルセー。折角作ってくれたイベントだけど流石にあたしもこれは説明不足だと思うわ。うん、ちょい手直しするねー ――


 うん? あたし? 神様男口調だったよね?

 ……もしかして、運営変わった?

 あのー、もしかして神様変わった?


 ―― あれ? 言ってなかった? ホイホイくん今寝てるから臨時で運営してます女神マロンさんでーす。助手として新米神様のアルセちゃんもいるよー。おー? ――


 いや、知らんけど。

 神様に新米とかいるんだ?

 僕はルーカと顔を見合わせる。

 とりあえずさ、神様が寝てる間にこのマロンとかいう女神が臨時運営としてバグの手直しをしてるらしい。


 まぁ運営変わったとしても問題無く動くなら問題は無いよ。

 折角だし次の話いつ頃進めていいか聞いてみるか。

 ケンウッドの家から進んじゃっても大丈夫?


 ―― おけおけ。多分大丈夫っしょ。ある程度に致命的バグが無くなってるし。なんか変な設定になってるバグは多々あるけど、そのくらいは笑って許してあげてにゃー。一応報告あげてくれたら順次直して行きますわ ――


 おお、結構良心的な運営っぽい。

 これなら神様一人で頑張らなくても大丈夫なんじゃないか。

 ゆっくり休め神様。えーっとホイホイくん、でいいのかな? 今度神様に親しげに呼んであげよう。


 タダシバグは適当に直しとくそうなので、イベント終了ってことで報酬だけ貰ってケンウッドの家へと戻る。

 家の前では若いケンウッドとセルジュさんが格闘していらっしゃった。

 まだやってんのかお前ら。


「おお、お客人方。この試合が終わりましたらお礼をしとうございます。しばし家でゆるりとしていてくださらんか?」


 ケンウッドが闘いながらそんな事を告げて来る。

 まぁ貰えるもんは貰いたいからしばしゆったりしとくけどさ。早めに終わってね。

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