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始まりの村、縋りつく村人

「ここがサイショ村だ」


 と、ヘイグルさんに連れて来られたのはこの世界最初の村。だからサイショ?

 村の入り口にはお兄さんが立っている。


「やぁ、ここは最初の村、サイショ村だよ」


 おお、ゲームでよくいる村の名前を告げる村人だ。

 ヘイグルに連れられて村の内部を見ていく。

 僕の後を魔王様グレヴィウスリーハが普通に歩いているけど誰もなんにも言わないの。


 お前ら、魔王が村歩いてんだぞ、ちょっとは驚くとか恐怖で泣き叫ぶとかないのかよ?

 ルーカさん、ちょっとこれどういうことー。

 魔王様普通に総スルーされてるぞ?


「多分コピー体は魔王として認識されないんだと思うよ。神様が作った世界だし、魔王連れて歩いてるだけで村に入れない状況になると詰むでしょ」


「なるほど」


 ヘイグルに付いて歩いていると、一際大きな屋敷に入っていく。

 これは一緒に入った方が良いのかな?

 ケンウッドさんが咳をして崩れ、慌てて村人Aが彼を助ける。

 シオが何も無い場所でつまずいてこけ、リーシャがソレを鼻で笑う。

 そんなメンバーを放置して、僕はリーハと一緒に屋敷に入る。


 右にルーカ、左に魔王を従えて、僕がやってくると、お爺さんがダイニングチェアから立ち上がり、僕らの元へよろめきながらやってくる。


「おお、おおお、儂には分かる。分かるぞ! この世界は今魔王の脅威に晒されておるのです。どうか、どうか魔王を倒してくだされっ」


 いきなりなんだこの爺さん?

 しかも跪いて懇願する相手はあんたが倒して欲しいと告げた魔王様なんだけど?


「ククク、はーっはっはっは。この我、魔王グレヴィウスリーハに何を頼んでいるのだ貴様は?」


「どうか、どうか魔王を、魔王を倒してくだされ。我等の世界を救い給えっ」


 だから魔王に魔王討伐依頼頼んでどうするよ。


「この人はこの村の村長でさ。世界の危機に憂いてたんだ」


 そりゃ別にいいんだけどさ。なんで村長さんは魔王に魔王討伐依頼だしてんの?

 リーハの足に縋りつく爺さんを見て思わずうわぁと引いたのは僕だけの秘密だ。

 というか、一介の村長風情が旅人に魔王討伐依頼って、この世界のストーリー性がおかし過ぎてワロス。


「ルーカ、これどうすんの?」


「快く引き受ければ?」


「主様よ。魔王は我ではないのか?」


「え? ああ。その爺さんが言ってるのはガチャで当った訳じゃなくこの世界に初めから存在するオリジナルの魔王様だよ」


「オリジナル……我はオリジナルではないのか!?」


 魔王様今世紀最大の驚き。

 目を見開いた彼女を思わず可愛いと思ってしまったのは僕がソシャゲ好きでかわいい女の子が人外でもオッケー派だからだろうか?


「ククク、ハーッハッハッハ。良かろう人間。我がオリジナル魔王とやらを殺し、我こそが魔王グレヴィウスリーハだと世界中に刻みつけてやろう!」


「おお、やっていただけるのですか! ではその実力を確認するために試練の洞窟をクリアして来るがいい」


 ッてコラ待て。

 さっきまでの態度がなかったかのように強気に出て来たぞこの爺さん。

 しかも魔王倒すなら試練の洞窟クリアしてから言えよタコ。みたいな態度どうなの?


「ヘイゲル。折角だ、お前も手伝ってやるといい」


「そうですね、試練の洞窟までは俺が案内するよ」


 村長さんの立ち位置がイマイチ分からない。

 台詞とかちょっと変えた方が良いよ神様、


 ゆっくりできる場所も暇も無く、僕ら一行は早速ヘイゲルに連れられ村の郊外にある試練の洞窟に向かうことになったのだった。

 洞窟前にやってくると、ルーカが楽しそうに前に飛び出す。


「はーい第二話の前にWAVEについて説明しまーす」


 WAVEっていえばほぼ確実にアレだよね。

 敵を全滅させると次の敵が出てくるみたいな奴だろ。


「って、説明前に言うなしっ。はいはい、第二話はじまりはじまり~」


 僕に指摘されたせいでふてくされたように投げ遣りなルーカ。

 僕の横に戻って来たのでリーハと一緒に洞窟に入ることにする。


「ふむ、試練の洞窟といえども何が出るわけでもなさそうだな」


「でも戦闘はあるらしいよリーハ」


 僕の言葉に隣を歩いていたリーハが僕に視線を向ける。


「主様よ、リーハというのは我のことか?」


「魔王グレヴィウスリーハだろ。略してリーハ。ダメか?」


「う……む。ダメという訳ではないが、いささか魔王に似合わぬ可愛らしい名前ではないか?」


「お前可愛いんだから問題ないだろ」


「っ!?」


 突然立ち止まるリーハ。どうした?


「と、ととと、突然何を言ってるのだ主様!?」


 なぜか動揺するリーハ。なんだその態度? なんか僕変なこと言った?


「おっとダイスケ、そろそろ戦闘だよー。リーハ配置ー」


「貴様に呼ばれる筋合いはないぞカトンボが!」


「え、私に厳しい!?」


 リーハはルーカにデコピン一発。ルーカが吹っ飛んで行くのも確認せずに戦場へと向かって行った。

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