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グレイシアコラボイベント1

「あれ? え? マジ!?」


 僕がこれからメンテ開け報告まで何して待とうかと思っていた時だった。

 突然ルーカが驚きの声を出す。

 一体どうしたというのか? 


「あ、あのさダイスケ、なんかコラボイベント出来てるって」


「は?」


「ああ、本当ですね。今神様から告知がありました。次話を行うのはもうちょっと時間が掛かるからコラボイベントでもこなしてままってほしいにゃー、と」


「にゃー?」


 あの神様が? にゃー? ついに狂っちまったか神様よ。

 まぁいい。コラボイベントとかいうのがあるならやるだけやってみよう。

 えーっと、どっから入るんだ?


「あ。ここから行けるみたいよダイスケ」


「ああ、これか。えーっとタイトルは? グレイシアコラボイベント?」


 ふーん。何かよくわかんないけどこのタダシたちに関するイベントかな?

 ボタンを押して選んだ瞬間だった。

 唐突に僕の目の前に家族の勇者タダシ、偽人俺の尻で泣け、偽人Gババァが現れる。

 オリジナル、ではなく彼らもコピーらしい。

 タダシさんがその光景見てえ、私!? と驚いていた。


「あいたたた。むぅ、ここはどこかな? それに、偽人が二人?」


 攻撃して来る気配の無いGババァと俺の尻で泣けにしばし警戒をしたオリジナル? のタダシは襟首を正してこちらに視線を向ける。


「やぁ初めましてダイスケ君」


 待て、なんで僕の名を知ってる!?


「ところでここはどこかな?」


 なんか凄く馴れ馴れしいのはなぜだ?


「まったく、マロンさんは急だから困るよ、私は地球でゆったりしてるだけなのに急にコラボガチャやるから生体情報くれとか言って、で、ここはどこかな?」


 うん、まぁ良く分からんけど成り行き上答えた方が良いのかね?


「ここは皇国と砂漠の村の間にある山道よ」


 僕が答えないのでイリスが勝手に答えた。


「はて、そんな場所を私は知らないのだが……良ければ近くの街などは無いかな?」


 砂漠の街に戻れってか? それともまだメンテ中の皇国に向かえと?


「一先ず戻る方法を探さないとな。ダイスケ君、手伝ってくれないか?」


 いや、だからなんでこいつはこんなにフレンドリーなの?

 ちょっとタダシさんどうなってんの?


「え? いや、おそらくですが、私の精神構造をベースに神様とやらが台詞を定形させたのではないかと」


 メ・タ・発・言っ!?

 え? ちょ、待ってタダシさん、え? 今のどういうこと?

 つまり、アレはタダシさんの思考回路を持ってるけど台詞自体は神様が設定した通りにしゃべってるってこと? なんだその面倒設定。


「とりあえずこちらに向かってみましょうか?」


 いや、ちょ、そっちのイベント用タダシさんも勝手に仕切らないでくれない!?

 なんか勝手に歩きだしたんだけど、アレはもう着いて行かなきゃダメな感じ?

 仕方無い。ちょっと付き合うとするか。

 あ、でももうすぐ寝るつもりだったのに今からイベント行かなきゃいけないのか。

 何か面倒だなぁ。


「どったのダイスケ?」


「んー。なんでもない」


 イベントのタダシさん、略してイベタダに着いて歩いていると、森から魔物が現れた。

 どうやらさっそく戦闘らしい。

 NPCにイベントのタダシを起用。レベルは? 15だそうだ。

 敵の出現レベルもそのくらいなのでそこまで強くないキャラでも充分対処できそうだ。


 せっかくだし他の二人も使っておくか。

 そうなるとサシャや魔王陛下を戦闘に出すと他のキャラの出番無くなるから……

 うん、今回は防衛戦力のナルタとアニキを出しとくか。

 アニキ、ナルタ、ケンウッド、俺の尻で泣け、Gババァ、イベタダさんで戦場に向かう。


 戦闘開始と共にアニキが敵として現れたコボルト、でいいのかな? を撃破。

 残った3体の一人にナルタがロケットパンチ。

 さらにイベントタダシが……ビニール傘で真っ二つだとぉ!?


「ふぇっふぇっふぇ!!」


 そして光の如く走り出した婆さんが体当たり。

 コボルトさんが爆散した。

 え? 今何が起こった?

 ただお婆さんが駆け抜けただけかと思ったんだけど、滅茶苦茶速過ぎて良く分からなかった。

 ってか、あのばあさんもしかしてめっちゃ強い?


 最後に、ナルタが1ドットだけ残していたコボルトさんに近づいた俺の尻で泣けがアイアンクロー。

 そのまま握り潰すと思いきや、顔面を掴んだまま持ち上げ、何とその顔を自分の尻に回して押しつける。


 ブビッ


 びくん、一瞬硬直したコボルトのHPバーが消えた。

 さらさらと光の粒子と化していくコボルトさん。

 これは……あまりにも無残……

 グレイシアのコラボキャラは化け物か!?


 あまりにも規格外過ぎる濃いキャラの群れに、ぼくはただただ戦慄するしかなかった。

 こいつらはあまりにも危険だ。いろんな意味で……

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