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洞窟の中はお婆様が一杯

 洞窟探検ってちょっとワクワクするよね。

 暗いは暗いんだけど、ナルタが目を光らせ懐中電灯の役割をしてくれたので暗がりの中も普通に歩ける。

 そういえば、洞窟内って魔王様の必殺ってどうなんだろう? 敵に届くんだろうか? それとも地表に降り注いでここまで来ない?

 それって、下手したら洞窟崩壊するんじゃ?


「神様、そこんところどうなのよ?」


 ―― あー、その辺りはスキルとして透過して来るよ ――


 それはそれで酷いな。洞窟内だろうと海の中だろうと魔王の必殺からは逃げられないのか。

 まさに魔王からは逃げられない、だね。


「ところで、なんか途中から進まなくなったんだけど?」


「ああ、ダイスケ、これ、特殊ステージタップして行かないとこの先進めない奴だわ」


「特殊ステージ?」


 メニューを呼び出し話数選択に向かうと、確かに特殊ステージが増えていた。

 説明欄も表示され、えーっと、この洞窟は10回の連続戦闘が行われます? 全てを倒しきれば泉に辿りつけます、か。楽勝じゃん?

 だってこっちにゃ魔王様いるんだぜ? サシャも二匹もいるし、MAXレベルが三体だぜ?


 当然のようにタップ。

 途端真上に光る無数の赤い光。

 これは、蝙蝠かっ!? 真上を向いた僕は絶望した。


「ひょひょひょひょひょ」


 天井に張り付いていたのは蝙蝠じゃなかった。

 腰の曲がったお婆さんの群れがずらーっと……何このホラー!?

 ばさばさばさっ。

 謎の羽ばたき音を響かせて、お婆さんの群れが空中を浮かびだす。


 ―― あ、ごめん、蝙蝠の画像お婆さんになってるわ ――


「ばっぶぅぁぁぁぁぁぁ――――――――ッ!!?」


 神ェ―――――――――――ッ!!?

 無数の老婆に集られるという地獄。

 吸血コウモリらしく入れ歯を鳴らして噛みついて来ようとして来る。


「リーハ、殲滅させちゃって!!」


「良かろう! クハハハハハハハ!! 塵芥どもよ天を見上げ絶望せよ! 我が名はグレヴィウスリーハ! 貴様等を悉く撃ち滅ぼす者である。星屑達乃虐殺スターダストディザスター!!」


 魔王様は僕にお願いされたからか喜色満面で開幕必殺。

 空から岩盤突き抜け降り注ぐ炎の連弾にお婆さん達が燃やされて行く。

 怖っ、キモっ、入れ歯が飛んだぞ今!?


「にぎゃあぁぁぁ!?」


 あ、ルーカの頭に入れ歯が噛みついた。


「取って取って取ってぇぇぇっ!?」


 パニックに陥るルーカ。

 しかし誰も触りたくもないようで助けてくれる奴はいなかった。


「ったく、アホか」


 あ、訂正。アニキが呆れた顔で取ってくれていた。さすがアニキ。

 でもちゃんと手袋は填めるのな。

 ばっちぃっとばかりに入れ歯を投げ捨て、手袋もその場にポイ捨てするアニキ。

 酷いなオイ。


「ふぇぇぇん、穢されたぁ」


 ルーカ誤解を招くようなこと言わないように。

 1戦目が終わったので先に進むと、今度はネズミの群れが襲いかかって来た。

 サシャ1人目のスラッシュブラッドで即殺されました。

 どうやら闘ったメンバーは待機状態になるようで、魔王様はむぅっと眉根を寄せていた。


 3戦目は2人目のサシャがスラッシュブラッドで瞬殺。

 4戦目はコピーリーハの火炎ブレスで焼殺。

 5戦目はナルタが必殺使えるようになっていたので海割光殺砲トリトンレーザーブラスターが敵を抹消。

 そして6戦目、おじいちゃんは腰が痛かった。

 うん、このメンバーだとおじいちゃんだけ戦力不足に見えるなぁ。


 かなり強いんだけど、スキルに攻撃がないのがなんとも……

 今回の強化クエで強くなってくれればいいんだけどなぁ。

 ちなみに6戦目はお爺ちゃんが行動を終えると魔王陛下に行動権が移った。


 なので速攻必殺使って即殺。

 後はこれの繰り返しで7戦目はサシャ、8戦目はサシャ二人目。

 9戦目をコピーのリーハが必殺使って、10戦目。

 今までとは違い、巨大な部屋に出た僕等に敵対して来たのは、巨大ゴーレムだった。

 なんかもう場違いなメカメカしい姿に唖然としていたけど、まぁやってみようか。と戦闘開始。


 開幕直後、海割光殺砲トリトンレーザーブラスターが火を噴いた。ボスのHPは半分消え去った。

 お爺ちゃんは節々が痛かった。

 魔王陛下の星屑達乃虐殺スターダストディザスター

 炎の海に、巨大ゴーレムは沈んでいった。


 やっぱダメだ。このメンバー強過ぎてワロス。もはや指示出しとか不要で勝手にやってくれるので作業ゲーになってしまったらしい。

 門番が居なくなったのでどうでもいい思考を心のゴミ箱にスローインして、僕らは泉へと続くと思しき怪しい扉を開く。


 なんで洞窟に扉があるんだ?

 これは多分考えちゃいけない奴だろう。神様に聞いても、考えるな、感じるんだ。とか言われそう。

 なので深く考えずに扉を開く。さぁ、噂の泉はどこですかー。

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