再戦、あんた死んだ筈じゃ……
「ぶっちゃけると、あんたは死なないってことよ」
ルーカさんまさかの言葉に僕は「はい?」と戸惑いを浮かべる。
「そもそも既に死んでるダイスケは仮初の身体を神様に作って貰ってるの。いわばアバターってやつね」
「でもこの姿、僕自身なんだけど」
「そっくりにくらい創れるわよ。転生体だけどね」
そうだったのか、僕は今、神様に創られた存在だったのか。いや、初耳なんだけど。神様、神様ー? どういうことだよこれーっ。
「で、どうするの?」
「どうするも何もレゴウはもう使わん。アイツマジ最悪じゃん」
「じゃあもう。使わないって分かってるし削除しちゃえば?」
削除?
「ほら、キャラの強化画面で削除ってあるでしょ」
「ああ、成る程な」
キャラクター強化画面にある削除ボタンを押してレゴウを選択。
消えろコンチクショウっ。
選んだ瞬間、レゴウの真下に魔法陣。
なんだぁ? とか言ってるレゴウが一瞬で光の粒子と化して消え去った。
さて、レゴウは散った。もう二度と俺の前に現れることは無いだろう。
第一話再戦すべきなんだけど、死んだ筈のメンバーが普通に生きてるんだけど……
ルーカさんや、説明よろしく。
「説明って言ってもねぇ。単純にソシャゲ世界だから。ってことで納得しなさいよ。そもそも戦闘の度にキャラ死んで生き返らなかったら石が足りなくなるでしょ。あの刀のゲームじゃないんだから。ほらキャラ強化しちゃいなさいよ。レベルあげとけばまず死なないでしょ」
そう言えば10個程強化の種があったな。全部グレヴィウスリーハに注ぎ込んどこう。
レベルが1から16に上がった。上限は80だそうなのでまだまだ先は長そうだ。
パーティー一人ぶん空いたんだよな。もう一人村人Aを……あ、そういや爺さん、あんた居たな。
病弱の爺さんをパーティーに入れておく。
この人何気に☆4じゃん。実は結構強いのか?
病弱老人ケンウッド
必殺:
???
病気の為使用不可。
スキル:
腰が痛い
自身にスタンを付加。
咳移し
敵単体に風邪をうつす。
節々が痛い
自身の体力減少。またスタンを付加。
パッシブ:
重病
老い先長くない老人の病気。
昔取った杵柄
攻撃を受ける際一定確率で明鏡止水発動。
病気で弱ってるようだが、昔取った杵柄のスキル説明が気になるところだ。明鏡止水ってなにさ? この人、多分化けるぞ。病気を直す方法は無いんだろうか?
まあいい、この人を臨時で入れておこう。
んじゃ、改めて第一話再開!
「第一話。ダイスケ、出会う」
あ、やっぱそっから始めるのか。
と、いうことは、すぐ後ろに……
あ、やっぱいるや。
「グガァっ」
風が頬を弄る。咄嗟に避けた俺の背後からマウンテンゴリラ出現。
そのままのしのし歩いて戦場に向かう。
あれ、当ってたらそこで終わりになるのかな? 初っ端から悪趣味過ぎるだろ。
「君、大丈夫か!」
馬鹿な!? 貴様はレゴウにより殺された筈じゃ!?
NPCつまりオリジナルである青年が殺された筈なのに普通に生きてます。
僕の無言の抗議にルーカは明後日の方向見ながら口笛を吹く。
「俺に任せてくれ」
「あ、うん。皆とりあえず闘ってくれ」
さぁ、ゴリラ戦、全員戦闘態勢、行くぜ!
「はい、じゃー戦闘について説明するね」
「ああ、それも繰り返すのか、面倒臭い」
「全員死亡したら殺されちゃうけどねー」
「うん知ってる」
既に一度殺されてるからな。
「えっとね。戦闘方法は二つ。オート戦闘と指示出し戦闘だよ。ターンバトル制だからゆっくり落ち着いて戦闘指揮を取れるわよ」
とりあえず指示出ししようかな。
全員、突撃――――ぃ!
「ぐわぁ!?」
って、突撃したらゴリラの反撃ラリアット。ゲストキャラさんの首が天高く飛んで今回もまた死んでしまった。
NPC弱っ。
少し遅れ、リーハの必殺が敵へと迫る。
「破絶之爪撃!」
マウンテンゴリラに連撃を叩き込んだ瞬間だった。
HPバーが砕け散った。そしてゴリラが光の粒子と化して消えていく。
さっきの全滅が嘘だったかのような一撃だった。
さすが魔王。というべきか。見事な一撃です。まぁ、レベル16だしねー。
「倒しちゃったよ……」
「そりゃ倒すでしょ。基本敵は倒す物だし」
でも、NPCが首ふっとんでしまってる訳だし、これ以上イベント進まないような……
「やぁ、君はなぜこんなところにいたんだい?」
しかし何事も無かったかのように復活してるNPC。
お前今死んでただろうが。
「俺の名はヘイグルだ。せっかくだから近くの村まで送ってってやるよ」
「えーっと、まぁいいか。案内してくれ」
多分これ強制イベントだろうし、否定してもループ入るだろうから諦めてさっさと付いて行くことにしよう。
しかし、NPCだろうがなんだろうが、何度も復活するのはどうなんだろうと思う。