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魔王VS鮮血令嬢

 パルマを守るため、僕らは怒り狂ったサシャとの闘いへと移行していた。

 流石に現存メンバーでは勝利が難しいので助っ人をNPCとして召喚。

 そしたらコピー体じゃなくなぜかオリジナル魔王陛下が出現してしまったのでござるよにんにん。


「ダイスケ、何してんの?」


「え? いや、何でもないよルーカ。とりあえずサシャの怒りを鎮めないと。パルマ、ひとまずこっち来て」


「で、でも……」


 死にたい皇女様を無理矢理自分の近くに連れて来てアニキとオデーブを護衛に付ける。

 戦闘に参加するのは闇属性のサシャに特攻状態のシークレット。後はレベルが高い順にメンバーを選んだ。

 シークレット、リーハ、サクヤ、ケンウッド、サシャ、そして魔王グレヴィウスリーハ……ん?

 今、なんか変なのが居たよな?

 仲間として選んだ中に……サシャぁ!? 何でそこに居るの?


「あら? どうしたの?」


「どうしたの? じゃないよ、なんで君がこっちに居るのさ!? え? 敵は?」


 目の前に居る敵はサシャ、こっちにもサシャ。これはどう見てもバグです。


「ま、いいじゃない細かいことは」


 細かいかこれ!?

 僕の突っ込み空しくサシャを加えたパーティーがサシャを止めるために闘いに向かってしまった。

 うん、もう、意味が分かんないね。


 闘い始めと共にサシャが「そーれ、スラッシュブラッド」と同時に行動する。

 だが、その刹那、攻撃が対象に届くより早く魔王様が高笑いを始めた。

 シークレットが指示通り魔王陛下の背後に回って回避を行う。


「クハハハハハハハ!! 塵芥どもよ天を見上げ絶望せよ! 我が名はグレヴィウスリーハ! 貴様等を悉く撃ち滅ぼす者である。星屑達乃虐殺スターダストディザスター!!」


 互いにスラッシュブラッドが敵全体を攻撃。

 ケンウッドじいちゃんがきゅぴんと避けて、リーハとサクヤがHP全損。第二形態へと移行する。

 魔王陛下とサシャは4分の1程HPバーが削られており、相手のサシャも同じだけHPが減った。

 シークレットは陛下の御蔭で無傷である。

 予想通りッ。


 思わずグッと拳を握った僕の目の前で、魔王陛下の必殺がサシャに降り注ぐ。

 近くに居たマルサたちにも降り注いでいたけどエフェクトだけだったようで無事だった。

 サシャのHPだけが一気にレッドバーへと移行する。


「ぐぅっ……」


 しかしまだ4分の1程HPが残っている。


「腰が、痛いんじゃぁ」


 だからお爺ちゃん、少しは闘ってってばぁ……

 代わりに第二形態のリーハとサクヤが攻撃を行う。

 水神破砕線を大蛇が口から破壊光線の如く吐き出す。極太光線になってました。

 あれは全体攻撃に入るのかな?


 リーハが行ったのは火炎ブレスだ。

 燃焼付きの一撃がサシャを襲うが、まだHPを削り切れない。

 次のサシャの攻撃で誰か死にかねないぞ!?


「大丈夫ですダイスケ君! バインドウィップ!」


 最後まで控えていたシークレットが鞭を振るう。

 サシャの身体に鞭が巻きつくと、バッドステータス・捕縛を付加。

 サシャが簀巻きにされて転がった。あ、なら今のうちに交渉で済ませられないか?


「えーと、サシャ、とりあえず怒りを鎮めてくれない?」


「なによっ、そいつが悪いんじゃない。死にたいとか抜かすからっ。私はそれを手伝ってあげるだけだわ。問題無いでしょっ。私の趣味も欲望も満たせて相手も満足しながら死ねるのよ!」


「ダメだ。パルマは死なせない。絶望させてなんてやらない。サシャ。殺すだけじゃなくて救うために僕を手伝ってくれないか?」


「私が? 救うために? そんなこと、出来る訳がないじゃない! 私は殺すことしか知らないんだからっ」


 簀巻きのサシャを御姫様抱っこで抱き起こす。


「ちょっ!?」


「とにかく、サシャはこの状態なら動けないだろ。はい、今回は大人しく退場退場」


「お、おろせーっ!」


 芋虫さんが必死に跳ねる。

 とりあえず放置でいいよな。

 戦闘もこれで終わりでいいみたいだし、さっさと10話を選ぶとするか。


「くっ。御主人くん、どうあってもパルマ皇女を助けるつもりなのね?」


「まぁ、そうなるかな?」


「そう、なら……仕方ないわね。これは使いたくなかったけど……」


 と、胸元から何かを取り出すマルサ。地面に向けて投げる。

 何が来る? と警戒してみれば、投げられた物が割れ魔法陣が周囲に広がる。


「召喚方陣か!」


 魔王様知っているのか!?


「アレは携帯型の召喚方陣だ。特定の魔物をテイムしていつでも出現させることが出来る」


「つまりポケ○ンのモンス○ーボールみたいなものか? いや、カプセルっぽかったしウルト……」


「そのようなモノはどうでもいい。そら、どうする?」


「うふふ、この魔物は凄いわよ。魔法を吸収する凶悪な魔獣なの」


 ってことは魔法が効かない!?


「仔細無い。折角だし今回も手伝ってやる」


「なんかムカツクから私にもやらせてストレス解消したい!」


 サシャ二人が同時に叫ぶ。ええぇ。どうしろと?

 とりあえず魔王様をNPCにしてサシャ二人、物理特化のナルタ、回避専門のケンウッド、最後にアニキを選ぶ。

 さぁ、勝てるかな?

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