初陣、そして全滅へ
「ま、まぁ、とりあえず第一話やってみよう」
レゴウが使えるかどうかはそこで調べればいいだろう。
他のキャラはレア度低いし、☆5が揃うまでの繋ぎキャラってことにするか。ワザとかも確認するまでも無いだろう。
編成でリーハ、レゴウ、シオ、リーシャ、村人Aの5人を編成。
闘いには5人で当ることになってるらしいので、とりあえず最初はこの編成で行くことにした。
「第一話。ダイスケ、出会う」
出会うってなんだよ?
と、ルーカの言葉にツッコミ入れようとした瞬間だった。
真後ろに嫌な気配を感じて慌てて飛び退く。
「グガァっ」
風が頬を弄る。
僕の近くを切り裂く毛むくじゃらの物体。
「なんぞー!?」
「うわっ。マウンテンゴリラだよダイスケ!」
ゴリラって、なんで? いつ、どっから現れた!?
「君、大丈夫か!」
おわっ!? なんだ?
突然変な人が現れたぞ。皆突然出現し過ぎて意味がわからん。ついていけませんっ。
「俺に任せてくれ」
男は僕のことなど完全無視でゴリラと相対する。
「あ、これNPCだね。多分だけどダイスケを助けに来たこのNPCと一緒に敵を倒して一緒に行くんだよどっかに」
どっかってどこだよ。初っ端から適当過ぎだろ神様っ!?
まぁいいや。リーハ、戦闘だ。よろしく頼むっ。
戦闘が開始され、リーハたちがゴリラと対峙する。
ゲストキャラであるなんかよくわからない若い男の人を加えた6人での戦闘になるようだ。
ゲストキャラは18歳位の青年だ。
赤い服を着込み、肩パッドから伸びたベルトが胸当てを斜めに通っている。背中は交差するベルトだけで止めてるようだ。
二枚目な容姿と弱者を守ろうとする姿勢はどう見ても主人公感満載で、僕なんかよりもこいつの方がよっぽどヒーローだよなぁ。と思ってしまう。
「はい、じゃー戦闘について説明するね」
「おー。というか僕は戦闘参加しなくていいの?」
「うん、全員死亡したら殺されちゃうけどねー」
「はい?」
思わず尋ね返す僕に、ルーカは完全無視して話を続ける。
「えっとね。戦闘方法は二つ。オート戦闘と指示出し戦闘だよ。ターンバトル制だからゆっくり落ち着いて戦闘指揮を取れるわよ」
いや、ターンバトルって。あ、本当にゴリラさん攻撃することなくこっちを待ってくれてやがる。
まずは……リーハ。破絶之爪撃で一気に……
「ひゃははははっ。この刃はなぁ、毒が塗ってあるんだぜぇ」
レゴウさーん!?
「そらよっ!」
「ぐわぁッ!?」
あの野郎ゲストキャラを背後から斬りやがった!?
即死が発動しゲストキャラ死亡しました。
「クソ、皆、後を頼む……」
待って、え? ゲストキャラ死んでるんですけど!?
「行くぞ! せいやーっ」
そして僕が呆然としてる間にシオが走りだし、剣を鞘から抜く前に何も無い場所で蹴躓いて地面に激突、動かなくなった。
「ハッ。馬鹿しか居ないわね。味方に殺されるとか油断し過ぎなのよ」
リーシャが溜息を吐く間に村人Aたちが攻撃。1ダメージを与える。
「あ、わ、私、そんなつもりじゃ……」
そしてゴリラさんの拳を受けたリーシャが死亡した。
「喰らうがいいっ!」
遅れ、魔王様の爪撃がゴリラに襲いかかる。
レベル1だから大したダメージにはならないけど、結構ダメージ与えたぞ。
次で倒せるくらいじゃないかな。最初の敵だしそこまで強くは……
「くへへへへへ。虐殺タァ――――イム」
だけど、僕の期待を打ち砕くように、次ターン開始直後、レゴウがリーハに突撃。
「ば、馬鹿な!? この我が、魔王だぞ? この我が、滅……びる?」
即死したぁ――――っ!?
レゴウの裏切りにより魔王様が死亡。
さらにゴリラさんの攻撃が村人Aを粉砕する。
「くらいなァ!」
さらに次ターンレゴウの裏切りによりシオさんが死亡。
ゴリラさんはレゴウに向けて突進攻撃。
これでもう残ってるのはレゴウとゴリラだけであり。
「あ……」
そして僕の見てる前で獣の一撃によりレゴウさんが散った。
「あっちゃー、全滅ですねぇ」
「え? マジで」
障害を全て排除したゴリラさんが僕に向かって来るのが見えた。
「お、おい嘘だろーっ」
間近に近づいて来たゴリラが拳を振り被る。
逃げようなどとは思えなかった。
ただただ拳が顔面にめり込むのが分かった。
僕の意識は当然のようにその場で倒れ記憶が薄れていく。
ああ、本当に全滅してしまった。
まさか最初の敵に敗北するとは……
……
…………
………………
はっ!? い、生きてる?
目を開く。
一体何が起こったのか、周囲を見回せば、仁王立ちするルーカの姿。
「おっはろーん……」
イラついたような態度で告げるルーカ。
「僕は生き残れたのか?」
「死んだわよ。それはもう脳漿ぶちまけスプラッターになったわ」
ああそっか、死んだのかぁ……って、死んでねぇよ!? 今生きてるじゃん。どういうこと!?