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そしてかみ は かんがえることを やめた……

 神は頑張った。

 必死に頑張った。

 5徹で頑張った。


 最初はコラボガチャの実装だった。

 初の異世界コラボということで必死に組み上げ、コラボを完成させたのだ。

 渾身の出来だと言ってもよかった。


 キャラクター自体も実際の強力なキャラということもありこの世界でも充分通用するコピー体たちだ。

 神すら殺したとされる怪人にとてつもなく美しい吸血鬼。

 とはいえ、二人が知り合いだということは知っていてもそれ以上にどんな関係かは知らされていない。


 神にとってはコラボ出来ればそれでいいのだ。性格云々もプレイヤーには逆らわないようにプレイヤー至上主義に設定してあるから問題は無い筈。

 そんなプログラミングを終え、フゥーと一息。

 するとシークレット王女を含め王様たちが第二章を生還してしまった。


 この辻褄合わせをすることになり、また一夜。

 ダイスケの居る世界とは時間軸が違うので、こちらの一夜が向こうの一瞬だったり、逆に三日だったりいろいろとややこしいが、なんとか一夜で王様関連は設定し直せた。

 またフゥーっと一息。したのもつかの間。


 なんと第三話に続く砂漠編で周囲が一変するギミックが、バグを呼ぶことを知らされまたも徹夜で改修作業をする羽目になった。

 放置してもいいかと思ったが遠くのピラミッド内に重要人物が閉じ込められていたので慌てて救出。

 確かにこのままではマズいとギミックを一から見直すハメになった。


 それでもめげずに必死にプログラミングを行う。

 ゲームを作るだけでも大変なのだ。これが世界となるとより複雑になる。だからこそやりがいもあるのだが、正直いつ倒れてもおかしくない気がしてくる。

 また徹夜であった。


 その途中でダイスケが砂漠に取り残されたとメールがあったのだが、今は忙しいので適当に連絡を返す。

 ダイスケがなんか呪詛を吐いていたが、眠気のせいでそれどころではなかった。

 ようやくギミックも正常稼働出来そうなレベルになったので一息。

 するとダイスケがまだ3章の1話もクリアしていないことに気付く。


 折角作ったんだから早くやれよ。という意味を込めて叱咤激励したつもりだったのだが、向こうから届いたのは呪詛呪詛呪詛。ついでに目を向くほどのバグ報告。

 慌てて画面で探ってみれば、至るところで報告されたバグに似たようなモノが存在していた。


 目についたものを適当に改修。途中眠くなったので一旦バグ取り終了宣言をして仮眠を取る。

 起きた瞬間唖然とするほどのバグ報告が再び送られていた。

 寝たのは多分数分しかなかったと思う。

 くらくらする頭で必死に手直しの緊急メンテナンスを行う。


 流石に頭が働かなくて時間を要したためかなりの時間が掛かってしまった。

 ここで二度の徹夜。これで4徹である。

 なんとかバグ取りを終えて皆を宿に戻す。


 はっと気付いた時には既に送った後だった。砂漠の村にある宿屋に戻すつもりだったのに、一つ前の国の宿屋に送ってしまっていた。

 前回のメンテでそこに行くように設定したのを設定し直し忘れていたのだ。

 ああ、またヘイト値溜まるなぁ。


 そう、思っていると、案の定、大きなバグから小さなバグまで事細かな報告が連続して送られてきた。

 正直もう限界だ。

 素直に謝ろう。

 そうするのが一番だ。

 神ではあるが、運営ではあるが、流石にちょっと雑過ぎた。


 現界してダイスケに謝る。

 なんとか休日を貰うことに成功した。

 明日は休むため、神様も寝た方が良いと心配までされてしまった。

 ちょっとうるっと来たのは内緒だ。


 なので危なそうなバグだけをとりあえず取り除き、後は起きてからと、就寝準備に入った時だった。

 突然メールが届いた。

 ルーカというサポートキャラからだった。

 内容は? 宿屋で見つけたバグ報告。

 寝付く寸前だったのでイラッときた。ルーカを暗闇にブチ込み、うがぁーっと叫びながらバグ取りを開始する。5徹になった。そろそろ幻覚が見えてきた気がする。


 朝起きたダイスケがリフレッシュした様子でメールをして来る。

 恨み事を皮肉にしてメールを返した。

 しっかり寝てくれと身体を心配されてしまった。

 ちょっと、もう少しダイスケたちに優しくしようと思ってしまう神だった。


 ようやく休みを貰ってすやすやと眠る。

 起きた時、ダイスケ君からメールが入っていた。

 内容は? おっさんが邪魔で3章2話が進めない。

 あれほどにバグを取ったのだ。

 これほどに徹夜しまくったのだ。

 なのにまだ、バグがある、だと?


「あばばばばばばばばばばば……」


 神は叫んだ。

 何が口から出ているかなど既に理解できなかった。

 世界創造の難しさにその場に倒れ込み、泡を吹く勢いであばばと叫び続ける。


 そして、神は……考えること、やめた。

 安らかな微笑み浮かべ、再びまどろみの中へと意識を拡散させたのだった。

 周囲からは鎮魂歌にも似た讃美歌が流れている、そんな……気がした。

ディスガイアの新作でたそうで、早速ダウンロードしました。マオに改造されるプリニーをずっと眺めてます♪ この現象、小説に取り込めるかなぁ(´-`)。o(連続メンテ乙・・・)

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