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第三章開始、しかしおっさんが邪魔だった

 二日後。神様が復帰したのでようやく第三章を始められる。

 とりあえず五徹という苦行をやらせれたので多少は意趣返し出来たと思っとこう。

 結局一昨日は神様一日中寝たらしく、昨日はなんか凄く気分悪いとか言ってたので仕方なく今日まで休ませたのだ。


 自身の身体なんだから壊す前に休めよな神様。

 死んだら元も子も無いよ?

 まぁ、5徹させたのは僕らなんだけどね。もともとバグ作った方が悪いとも言えるけど、流石に可哀想に思えたので二日間デイリーミッションこなすだけにしておいたのである。


 そして今日、ついに次の話に進むことにしたのだ。

 第2話をタップしてイリスたちに現場を案内して貰う。

 どうも皇女様がパーティーに居るかどうかで話が変わるらしく、皇女がいなければ奴隷商から脱走した皇女と遭遇し、そこで帝国兵と一戦行うことになるらしい。


 パーティーに居る場合は? 散策に出掛けた街中で帝国兵と遭遇し、今の状態へと陥るそうだ。

 うん、今現在襲われてます。

 囲まれたせいで脱出は難しそう。

 戦闘メンバーを決めて闘うしかないようだ。


 うーん上位レベルメンバーは……ここ最近の強化でレベルは……リーハが40、サクヤが35、ケンウッドが36、レスティスが33、ブラッディレイブンが35に上がっている。

 水巫女カルシェが私のレベルも、とせがむので30まで上げておいた。

 また、オリジナルキャラであるシークレットが55、絶望皇女パルマが20、帝国スパイマルサが47、鮮血魔嬢サシャが80。


「お兄ちゃん、折角だし私も参戦してあげるね?」


「わ、私も闘いに参加させてください。ただ見てるばかりは嫌です」


 NPC枠で闘ってくれるらしいサシャ。自身の力を見せつけて有用だと言いたいのだろう。

 カルシェも戦闘には全く参加させられてないから自己主張してきた。すると、アニキが今回は疲れたし観戦させてくれや。と自ら戦闘参加を辞退。おそらく気を使ってくれたようだ。

 せっかくだからリーハ、サクヤ、ケンウッド、レスティス、カルシェ、サシャのメンバーで戦闘を開始する。

 

「はーっはっはっはっは。我に敵対するとはいい度胸だ木っ端共!」


「パルマ様を解放せよ。貴様等我が国と敵対するつもりか!」


「ふふ、どうするのお兄ちゃん。パルマお姉ちゃん解放しちゃう?」


「んー。パルマ的にはどうなんだ?」


「家に戻っても軟禁生活よ。戻りたくは無いわ」


 おっけー。全員戦闘開始!


「了解だ主様よ! 我が必殺を喰ら……」


「そーれ、スラッシュブラッド」


 赤い飛沫が斬撃のように宙を滑走した。

 帝国兵が一瞬で真っ二つになった。


「はぁあぁぁぁ!?」


 攻撃しようとしたリーハの目の前で敵は一瞬にして殲滅されてしまったのだった。


「お、オイ待てっ!?」


「あら、ごめん遊ばせ」


 優雅にスカートの裾を摘まんでお辞儀するのはサシャ。

 まさかの全体攻撃を速攻打ち放ち、敵を瞬殺してしまったようだ。

 戦闘出来ると思っていただけにカルシェが四つん這いになって嘆き悲しんでいる。

 なんか、ごめんね初陣がこれで。


 戦闘が終わるとパルマに言われて逃走が始まる。

 正直逃げる必要性を感じないのだが、イベント的に逃げないといけないらしいので兵士達が追って来るのを確認しながらパルマと手を繋いで駆けて行く。


 あ、路地裏行くの?

 まぁいいけど。すっげぇ入り組んでるよこの辺り。

 僕らは一列になって必死に逃げる。

 お爺ちゃんはアニキに背負われ最後尾を走っているんだけど、ほぼ数センチの場所を帝国兵君が追ってきている。


 手を伸ばせばアニキに届いちゃうよ?

 しかし、彼が辿りつくことはないようだ。僕らが動けば動く設定になっているんだろう。

 だから、不思議な事が起こるのだ。


 急に、走っていたパルマが立ち止まる。いや、立ち止まるというか、駆けてるけど前に進まなくなった。

 なんだ? と前を見れば、恰幅のいいおっちゃんが丁度路地裏に入ろうとしているところで道を塞いでいた。


 おっちゃんの進行方向は? パルマさんが居る場所。

 パルマの進行方向は? おっちゃんの先。

 結果、二人は抱き付きそうなほど接近し、互いにさらに近づこうをしながらその場で足踏み状態になっていた。


 そして僕らを追っていた兵士達も、後一歩でアニキに追い付くのに、ケンウッド爺ちゃんのお尻に顔面埋めながら、その場で駆け足の練習をしている。

 前には進まずその場で駆け足の練習をしているのだ。


 強制イベント中なため、僕らは前に行くしか道はなく、おっちゃんは自動進行タイプらしくこっちの路地裏に行かなければいけないらしい、完全な詰み状態に陥ってしまっていた。

 あはは。神様、バグ報告するよー、後頼んだ。


 パルマに手を引かれたまま、僕は休暇後最初のバグ報告を神様に送るのだった。

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