はっちゃけた結果、垢BAN
「くはははは。見よルーカ! この無敵の軍勢を!!」
もはや魔王すら楽勝の最強パーティー。レベルも好きなだけあげれる状態だ。
負ける要素が一つも無い。
というか、いつでも魔王を即殺出来る気さえする。
「というか、私が凄い増えてるんだけど、これどうすんの!?」
「俺に聞かれても。この世界創った神さまが悪いとしか」
「あー、そういうこと言っちゃう? GMコールしてやる!」
ルーカさんがなにやらお怒りでメールを勝手に送信しやがった。
すると、世界が急に赤く点滅し、サイレンが鳴り響く。
緊急事態が起こったような状態がしばし続くと、僕が手に入れた最強パーティーの皆が突然サラサラと砂のように消え始めた。
あまりに突然なことに呆然としてしまう。
すると、突然視線の中央に文字が刻まれた。
―― 穂高大介のアカウントが消滅しました ――
「……はい?」
―― プロローグバグが修正されました。以後アイテムやルーカが増えることはありません ――
「おっし!」
「おっし! じゃねぇ!? アカウント消滅ってどういうことだよ」
―― アホか! まさかバグを利用してこんなことをするとは思わずつい見守ってしまったじゃないか。悪いけどこれは悪質バグとして修正したから。君の手に入れたガチャやプレゼントも初期状態に戻したよ。丁度最初にプロローグ選択する前だ ――
ああ、垢BANされたって言ってもテスターである僕が消滅する訳じゃなく初期状態に戻されたってことか。
よくよく見れば、リーハやリーシャ、シオ等は生き残っている。
消え去ったのは二度目のガチャから先で入手したキャラ達とルーカの群れだけのようだ。
「なんて理不尽な」
「理不尽はあんたでしょ。流石にやり過ぎだわよ」
「チッ。だが。こんな感じだったら他にもバグってるところありそうだな。この世界調べるの楽しくなりそうだ」
「何よソレ、それよりほら、何するの?」
プロローグ周回で得られたのは悪名だけだったようで、石6000と金貨60000、進化と強化の種が10個だけになってしまった。
まぁ、さっきガチャに使った3000が戻ってきたと思えばまだマシか。
「ガチャらないの?」
「ああうん。折角だし幾らかシナリオクリアしてからにしようかなって」
「あ、でもほら、強化の種があるってことはさ」
「分かってる。ただ闘うだけじゃレベル上がらないかもしれないんだろ。とりあえず一話目を見てから調べよう。レベル1でもさすがに勝てるだろ」
デイリーはまぁしばしおあずけだな。流石にこのレベルで挑むのは無謀過ぎる。
とりあえずレベルアップの強化の種はリーハに全部使うべきだな。魔王だけ☆5だし。これは確定だろう。
あとはまぁ余裕が出来ればってことで。
「あ、そうだ。キャラクターについては説明してなかったよねダイスケ」
「キャラの説明?」
「ええ。キャラクターにはね。三つのスキルと必殺があるの。あとは特性ね。特性はパッシブスキルって奴で、戦闘時ずっとその効果が使えるの。三つのスキルは一度使用するとターン制限が入るからターン数の間は使えなくなるわ。必殺は必殺ゲージが溜まったら使える大技よ」
「ふーん」
まぁ、その辺りはソシャゲで良く聞くものだし大体のやり方は分かるからいいや。
ステータス確認だけしとこう。どんなスキル覚えてるか確認してから第一話に行くとするか。
魔王グレヴィウスリーハ
必殺:
星屑達乃虐殺
敵全体に防御無視の超ダメージ。
スキル:
火炎ブレス
敵全体に火属性大ダメージ。火傷付加。
魔王覇気
味方全体の戦闘能力をUP。
破絶之爪撃
敵単体に斬属性の連続攻撃。0.8倍の攻撃力で1~4回。
パッシブ:
竜属性
竜族の性質を持つ。物理攻撃半減。破竜弱点。
魔王の矜持
倒されると1度だけ変身する。即死時無効。
おお、コレがリーハが持ってるスキルか。さすが魔王。魔王の矜持で変身した姿はちょっと見てみたいな。ただ、気がかりなのが破竜弱点かな。
竜属性にとっての弱点があるとすれば、おそらく勇者がその属性攻撃を持ってるだろう。
☆5の勇者、確かさっき当ってた気がするんだけど、連続ガチャ引いてたから誰が誰だか覚えてないな。
まぁいいや。次は☆3のレゴウだな。
快楽殺人者レゴウ
必殺:
虐殺解体
ターゲット単体に防御無視の大ダメージ。高確率の即死付与。
スキル:
挑発
敵全体からターゲッティングされる。
ターゲットロック
戦場から一人をターゲッティングし、執拗なまでに攻撃を行う。
死毒の刃
攻撃力UP、通常攻撃に即死付与。
パッシブ:
トリッキー
動きが独特のため暗殺者から闇打ちされにくくなる。
快楽殺人者
命令を聞くことなく敵味方問わず攻撃対象に指定する。
「ダメじゃーん!?」
快楽殺人者! 味方も攻撃しちゃうじゃん。ターゲットロックからの虐殺解体されたらもう最悪じゃん。こいつ使えねェ!




