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ガチャの恐怖、そして暴走へ

「……ここは?」


 意識が浮上する。

 目を開くと、魅惑的な山が二つ、僕の顔を日差しから遮るように存在していた。


「天国かここは?」


「あ、気付いたのダイスケ君」


 それはシークレットの胸でした。

 膝枕されていた僕に、目隠れ系美女が薄く微笑む。

 少し困った顔なのはガチャで暴走していた僕を見たせいだろう。


「ありがとうシークレット。ちょっとガチャで爆死で大往生してた」


「うん、よくわかんないけど、大丈夫そうならよかった」


 上半身を起こすと、シークレットが立ち上がる。

 どうやら日蔭のある岩場まで移動してくれたようだ。

 皆が日陰に集まって僕が起き上がるのを待ってくれていた。


「あ、意識戻ったのダイスケ?」


「ルーカ……」


「全く、ほら、この新人どもどうするか決めてよ。村人だらけでちょっと土臭いんだけど」


「ああ、そう言えばそうだったな」


 とりあえず村人共はストックに、ついでに被ってるメンバーもストック行きだ。

 レゴウなんて放置してたら殺しまくるだろう、危ないなぁ。

 さっさとストック行きだこんな奴。


 ではでは、新キャラどんなのが入ったかな? ☆1から見てみよう。

 ☆1キャラは見かけ倒しマッスルマサール。あっぽーぅの人だ。

 盗賊見習いバザールはヒィヤッハー、デーゴはパピプペポゥー、ザルーは来たぜェアニキぃの人。彼らはなんとブラッディレイブンの部下だった。

 アニキと共にルーカが涙して再会を祝ったそうだ。ちなみにバザールとザルーは二人いた。


 最後にゲイバー店員ミキちゃん。ボディコンっぽい服を着た髭面の女装おじさまである。即座にストックに放り込んだ。

 消去するべきか迷ったけど消去する時は纏めた方が良いしとりあえずは放置しておこう。


 次は☆2のメンバーだ。

 陽気な芸者ラパティ、足狩り爺さんオーライの二人だ。

 ラパティは一気に二人来てたようで、二人揃ってあの、何だっけあの道具。玉簾だっけ? アレを使ってなんか芸やってます。

 あとオーライさんは危険人物っぽいので即座にストック行きで。魔王の足とか狙うなよ。


 ☆3はっと、いないな。☆4に水巫女カルシェさんが来てくれてます。

 水属性は清楚系が多いのかな? サクヤも黙ってればおしとやかだし、カルシェもポニテに長いもみあげだけど柔和に微笑む姿が奥ゆかしい。二人とも巫女服なのでもしかしたら知り合い?


「はい。サクヤ様は私達が済む水龍閣の巫女姫さまでございます」


「水龍閣では沢山の水巫女がいます。人も、妖魔も半々ですね」


 神社なのに妖魔いちゃうんだ。うん、まぁその内向うことになるんだろうし、今はいいや。


「さて、新人はこんなところか。とりあえずナイチンゲルダとかと共に出現人数減らしとこう」


 ナイチンゲルダ、ナルタ、ラパティとコピー体で目の前に居たメンバーをストックにしまって行く。

 残ったのはリーハ、サクヤ、カルシェ、お爺ちゃん、アニキ、レスティス、シオ、リーシャである。アニキの部下たちには悪いけどストック行きになって貰った。

 人数多いんだもん。


 本体であるシークレット、サポートのルーカとイリスはストック行きにできないしね。向かわせる気も無いけど。いや、ルーカ入んないかな?


「ダイスケ? 何よ、ジィっと見て。もしかして私のこと……!?」


「あ、それはない」


「なんだとぅっ!?」


「さて、落ち付いたようだがこの先はどうするのだ?」


「ああ、とりあえず1章のハードをクリアして行こうと思う」


「何でまた?」


「石が集まる」


「ふーん……ま、まさかあんた。ガチャ引くためにハードモード回る気!?」


「全部クリアすればあと10連出来る。来る気がするんだ。次回せばきっと☆5キャラが来る気がする。行くぞ皆っ!」


 何と言ってもプレイヤーはダイスケである。

 ゆえにコピー体である仲間たちは反論もストライキも出来ず、第1章ハードモードを攻略し始めるのだった。

 無数の死亡数が築かれ、その度にデイリーミッションを周回し、リーハのレベルが30に達した頃、ついに3000の石が揃った。


「届け、この想いっ!!」


「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」

「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」

「闘いだけならアホでもできる。あっぽーぅ!」

「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」

「これが、運命か……」

「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」

「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろしく頼む」

「もうかりまっかー」

「……」


 ぎゃぼらっ!?


「だ、ダイスケー!? き、傷は浅いわ。浅い筈よ!?」


「無理だよルーカ。心の傷は致命傷だ。疲れたよパト○ッシュ」


 すぅっと意識を手放す僕、ルーカの叫びが木魂すのだった。

 遠くでイリスのあほくさ。という呟きが聞こえた気がした――

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