爆死と課金で深みに嵌る
「ひゃはははははは、次に殺されてぇ奴はどいつだぁぁぁぁぁ!?」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Cだぁ」
「ヒィヤッハー!!」
「パピプペポゥー!!」
「来たぜェアニキぃ!!」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Eだぁ」
「よぉ坊主、グラッツって男だ。これからよろしく頼む」
「ごぷぁ!?」
僕はその場に崩れ落ちた。
まさか☆4すら出ないとは……
「ちょ、だ、大丈夫?」
「あ、ああ。大丈夫。まさか爆死するとは思っていなかっただけさ。はは、ははは」
予想外だ。だが、まだだ。
まだ、終わらんよ。
金貨を石に変えればまだ……見ろ! なんやかんやでさっきのメンテとかで貰った金貨合わせたら90000あるじゃないか。つまり、40連まだ回せる!
どうする? 一気に石変えるか? そうだな。余ったらもう一つのガチャ回せばいい訳だし。
行くぜ、行っちまうぜ!
僕の行動を見たルーカが目を丸くして驚く。
イリスが呆れた顔をして本読みを再開。
「ちょ、ちょっと、今まで溜めたお金全部使っちゃうの!?」
「コラボは二キャラあるだろ。余ったら次の奴に使うんだ」
「そりゃ、そうなんだけど、これ使ったら一気に金欠よ?」
「コラボガチャだぞ? 期間限定だぞ? やるでしょ!?」
危機迫る僕の顔を見たルーカが喉を鳴らして押し黙る。
「やめておきなさいルーカ、ガチャは人を惑わすの、やり終えて後悔するまでやらせてあげればいいわ」
「ま、まぁいいけどさ。ほらシークレット、向こうでゆったりしてよう。まだ時間掛かりそうだし」
「は、はい……」
皆が見守る中、課金により手に入った6000の石と同じだけの初回特典6000石を合わせて40連。迷うことなくまずは10連。
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Eだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Eだぁ」
「なんだぁ? 俺が召喚されても闘えねぇぞ?」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「来たぜェアニキぃ!!」
「り、リーシェは僕が守るっ」
「初めまして、水巫女カルシェと申します」
まだまだァ!!
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Dだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Cだぁ」
「よぉ坊主、グラッツって男だ。これからよろしく頼む」
「あらぁん、い・い・オ・ト・コ」
「さては南京たますだ……あら? 召喚されてました?」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「さぁ共に祈りましょう。主は我々をいつも見ております」
「む、召喚か。私は王国守備隊に所属しているシオという。よろしく頼む」
なんか髭もじゃボディコンのおっさんにしか見えない女性が見えた気がしたけど見なかったことにしよう。次の十連、いっけぇぇぇ!!
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「ひゃはははははは、次に殺されてぇ奴はどいつだぁぁぁぁぁ!?」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「ひゃはははははは、次に殺されてぇ奴はどいつだぁぁぁぁぁ!?」
「わわ? あれ? どこここー。えっとねリーシャだよ?」
「パピプペポゥー!!」
「足だ、足をくれぇっ」
次だ、次こそはッ!!
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」
……ごぶらっ!?
「きゃあぁ!? ダイスケ君っ!?」
な、なんという……まさか、まさか10連全て村人A、だと?
しかも最後の最後に……
崩れ落ちた俺はそのまま大の字で寝転がる。
砂漠なので砂が熱い。
これぞまさに大爆死で大往生。おやっさん、燃え尽きたぜ、真っ白によォ……がくっ。
「ダイスケ――――っ!?」
ルーカの驚きの声を聞きながら、意識を手放す僕だった。




