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第三章は砂漠地帯らしい

「くはははは、見たかあの神様からのダイレクトメール」


 二章エンディングを無事に終えた僕らは宿屋で休息を行っていた。

 第三章に向かう前にここでゆったりすることにしたのだ。正直今回は疲れたよ。


「いやー、神様ルーカの奇跡見逃してたのは嗤ったな」


「確かに、神様が見てたら対策されてたかもしれないわね。まさにルーカの奇跡だったわね」


 たまたまルーカがエンディング以外の場所を押したのを神様見逃していたらしい。

 次に気付いた時にはシークレットが生きたままエンディング迎えてる所だった。

 どうにもゲーム世界自体が二章エンディング迎えた時点で二章での死亡者が確定するとかなんとか。

 つまり、これ以降、誰かが二章を攻略する時、シークレットがプレイヤーを庇うパターンと、それを回避してシークレットを救いきるパターンの二つが生まれたことになる。と、いうか、このエンディングに合わせるためにシークレットは危ういところで命を繋ぐことになるんだろう。


 あと王様たちが生きてることについては今必死に神様がつじつま合わせをしている最中だ。後のことは知らん。僕はシークレットを生還させられたことだけで満足だ。

 生き残ったイケニエ国王はこの宿屋を拠点にA子とB奈、フハイちゃんと共に城の再建を始めるそうだ。

 そう神様が言ってた。


 シークレットは本来死ぬはずだったから三章以降は自由行動だそうで、折角だから僕と一緒に来て貰うことにした。

 これで名実ともに彼氏彼女の関係である。ふふ、ついに僕にも彼女ができたぜ。


「あ、一応ないとは思いますけど、浮気したら極刑です♪」


 気のせいかな、一生逃げられない檻に自分から入った気分だ。

 しかも下手なことしたら槍だらけの壁が迫ってくるような檻に……


「さって、寝るのダイスケ?」


「いや、疲れはしたけど寝る程じゃないかな。そろそろ次に行こうか?」


 宿屋に泊まるらしいイケニエ国王と別れ、シークレットを連れて城下町へと出る。

 王城が崩れたせいでなんか物寂しい感じがするのは気のせいか。この町、この先大丈夫なのか? 滅んだりしないよな?


「次は……街を出て西側ね」


「西、なぁ……」


 西に向けて歩きだす。

 この辺りでボタン押したらいいわ。とイリスに言われたので第三章一話をタップ。

 すると、突然目の前の光景が草原から砂漠に早変わりした。


「唐突過ぎだろ!?」


「ね、ねぇダイスケ君、私の国、あそこにあるんだけど、ここって砂漠地帯だっけ?」


「あー、うん。多分今砂漠地帯になったんだよ」


 神様のやることは突飛過ぎると思うんだ。

 これ、下手したら探索中に岩山とかにその場所切り替わってさ、土の中に居る状態になったりしないだろうな?

 いや、僕はプレイヤーだから大丈夫だろうけどね、ほら、シークレットみたいなオリジナルの誰かが街道歩いてたりしたら……あ。


 丁度砂漠に取り残されるように、右往左往している行商人のおっちゃんがいた。

 僕らを見付けて焦ったように駆け寄ってくる。

 ただ、足を砂に取られて何度かこけていたけど。


「あ、あんたたち、どうなってるか分かるか!?」


「えーと、一応聞きますが、どうしたんです?」


「と、突然街道が消えて砂漠地帯になっちまったんだ! これ、どうなってんだ!? 天変地異の前触れか!?」


 予想通りの人居たよ。

 一応僕の予想神様にメールで送っとこう。重要人物が土の中に居る状態になったら発掘しないといけなくなるし。それで進まなくなったりしたら最悪だもんな。


「な、なるほど、神様がやったんか」


 理由を聞いた行商人のおっちゃんは神様のせいと聞いて安堵の息を吐く。

 そのまま王国向けて歩きだしていった。

 おっちゃんよ。城崩壊してることには一言もなかったな。それでいいのか?


「さて、次は砂漠地帯がメインらしい」


「みたいね。となると、炎系の敵が多いわね。水属性の仲間は居るかしら?」


「サクヤがメインになりそうかな」


「ふふ。お任せください御屋形様。私が役立つ所を見せつけてさしあげます。魔王とは違うのですよ魔王とは」


「ふっ。せいぜいミスして主様の邪魔をせんようにな」


 クックと笑うリーハにムッとするサクヤ。

 あ、一応だけど三章に入ったしピックアップガチャが出てるかもしれないな。ちょっと調べてみるか。

 と、ガチャボタンを押そうとした瞬間だった。


 突然世界が砂漠から和室に切り替わる。

 ……和室?

 あ、これって、もしかして……


「あー、メンテナンスだー」


「予告ありませんでしたよね?」


 イリスもルーカも連絡貰ってなかったようで緊急メンテらしい。

 突然過ぎだろ神様。まぁいい、今回はイリスたちの言葉が聞こえるみたいだし、なんとか時間を潰せそうだ。

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