表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/248

君はどちらの増援だ!?

「助太刀しますっ!」


 シオが戦場に現れ、頼んでもいないのに攻撃を加える。

 レスティスに。


「ああ、神よ、身元に参ります……」


「大丈夫ですか!?」


 レスティスを斬り伏せたシオがアニキに声を掛ける。

 仲間を斬り殺されたアニキは「お、おぅ?」と戸惑い浮かべるしか出来なかった。

 レスティスが、殺された!? うわ、シオのレベルが25もある。リーハより高いぞ!?


「アレが敵ですね。任せてください!」


 敵の攻撃をお爺ちゃんが避けたその瞬間。


「行きます! 穿つ鮮烈な一撃クリミナル・テイアー!!」


 シオの必殺か? そう言えば彼女のスキル見てなかったな。

 その一撃が、真後ろからサクヤを穿った。


「ぎゃあぁぁぁぁ!?」


 およそ女性が出しちゃいけない悲鳴が響く。

 ドサリ、倒れたサクヤが第二形態へと移行した。


「クソ、急いでくれ皆! このままじゃ全員シオに殺されるぞ!」


 仲間の筈なのに超危険人物が紛れ込んでいる。これ、勝てるのか?

 リーハ達が総攻撃を掛けるが、まだ巨大赤ちゃんを倒しきれない。

 敵の攻撃はお爺ちゃんが引き受けいなしてくれているが、その背後からシオが狙いを定めているのがマズい。


「くらえーっ」


「クソッ、略奪ッ」


 リーハに向けて剣を振るうシオに気付き、アニキが動いた。

 略奪をシオに行い、シオの剣を奪い取る。

 すかっと両手を空ぶるシオ。あぶなっ、今のシオの攻撃力で切られたらリーハだって死にかねないぞ。


「主様、サクヤが必殺ゲージが溜まったらしいぞ!」


「頼むサクヤ、蟒流水撃!」


 巨大な白蛇と化したサクヤが必殺を使う。

 何気に使うのは初めてだよねサクヤの必殺。これでうまく削れてくれればいいけど……ってぎゃあぁぁぁぁ!?

 なんと大きく口を開いたサクヤが巨大赤ちゃんを丸呑みしてしまう。

 何この恐ろしい絵面は!?


 そしてエフェクトが終わると、何故か外に出てくる赤ちゃん。今喰われたんじゃないの!?

 背後から水流が襲いかかり赤ちゃんに激突する。

 HPバーが一気に消え去り、残るは1ドット。

 そこへお爺ちゃんがぽこんっと攻撃を加える。


「おぎゃーっ!!?」


 断末魔が嫌過ぎる。

 赤ちゃん軍団は騎士団と僕らの活躍により壊滅したのだった。

 恐ろしい……闘いだったぜ。あらゆる意味で。


「ご協力感謝する」


 シオがリーハ達と順々に握手していく。

 サクヤが複雑な顔をしていた。気持ちは分かる。

 それと、シオに殺された騎士団員たちも復活していく。

 皆シオに殺された筈なのに全く気にせずシオさん可愛いなぁ、綺麗だなぁと呟いていた。


 騎士団、シオに殺されて惚れ込むとか、恐い集団だよね。

 あとグラッツが役にたたなすぎて困る。

 見かけ倒しだよほんとに。

 この街の騎士団大丈夫なのか?


「ダイスケ、メンテナンスになるのよね?」


「あ、そうだった。皆集合ーっ」


 僕が号令を掛けるとリーハ達が戻ってくる。

 シオは完全に騎士団側だ。戻ってくる気は無いらしい。

 どうやらコピーシオはオリジナルシオになり変ってしまったようだ。可哀想に。

 にしても、オリジナルはどこ行ったんだろう? あの戦いで死んだままってことになるのかな?


「主様よ、めんてなんすとやらが入るのだろう?」


「ああ、皆一緒の部屋に隔離されるらしい」


「ふふ、お兄ちゃん精神壊しかけていたものね」


「そうなんだよリーシャ。暗闇に一人2時間も居たんだぞ。むしろ良く帰って来れた方だと思うよ」


「御屋形様も御苦労なさったのですね。本日は私もご一緒させていただきますから、用事があれば是非に私に。なんでしたら寝所の世話も致します」


「蛇に呑まれて死なんことを祈っておくかな」


「魔王、いちいち私に突っかかって来ないでくださいません?」


「突っかかっておるつもりはないぞ? ただ事実を告げておるだけだ」


「何ですって!?」


 リーハとサクヤが争い始める。

 とりあえず放置だな。


「腹が減ったのぅ」


「あ? 今からかよ」


「よろしければ乾パンいかがですか? 干しブドウ入りですよ」


「何で持ってんだよ!?」


「神のお導きです。赤ワインと乾パンは常時持っております」


 レスティスが懐から乾パンをとりだしケンウッドに差し出す。

 お爺ちゃんにかったいパンは噛めないだろ。

 アニキもそう思ったようで、ワインもいるな。と言いだし、差し出されたワインをケンウッドの口に突っ込み千切った乾パンを投げ入れていた。


「ふがふが……久々の酒じゃー」


 ま、まぁおじいちゃん喜んでるしいいか。

 見回して全員が近くに居る事を確認。

 神様、僕らの準備はおっけーだよー。

 向こうも確認したらしい。突然視界が切り替わる。


 街の外の原っぱから、どこかの部屋に。

 畳み張りの和室だ。囲炉裏が一つ置かれていて、囲んでゆったりできるように座布団が四枚。それ以外は何も無い部屋だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ