神よ、コレが答えだ!
ハレンチ王ムナゲスキーは☆4のキャラクターだ。
よろしくの、と答えた後は、アニキの元へ向い、お主なかなか良い体しとるのぉと下卑た顔で尻を触っていた。
いろんな意味で危ない王様である。
ハレンチ王国には近づかないようにしよう。あとヤバそうなら王様削除も視野に入れよう。
アニキ狙われてるよ気を付けてっ。
もう一人の新キャラは☆1の見習い勇者ヘイグル。
うん、あのゴブリンとかに瞬殺されてイベントで死亡確定した人物だ。
多分レベル上げても弱いだろう。つーわけでこの人は放置の方向で。
「んじゃ、そろそろ戦闘メンバー変えるか」
「それでしたら編成画面からパーティーを変更したらいいと思います。今はパーティー1ですから2に変更しましょう」
イリスに言われるままに編成画面をタップして右端の矢印をタップ。
すると、戦闘メンバーが誰も居ない場所へと変わる。
「うーむ。戦闘の為のメンバーを見ているだけのはずなんだけど、ここに居るメンバーが目の前にまた出現っていうのは……」
「わたくしが突然消えましたわね。どうなってますの?」
「ああ、うん。戦闘パーティーが変更されただけで、面倒だからルーカに聞いてくれ。俺より詳しい」
「ちょ、ダイスケ!?」
面倒事を全てルーカに任せ、僕は戦闘パーティー2に奴らを設置する。
「むぅ、我は入れんのか?」
「今回はね。こいつは神の理不尽への対策組さ。さぁ、行け第2パーティー!」
僕は第2パーティーを送りだす。
戦場に現れたメンバーにレゴウは歓喜の笑みを零す。
第10話をタップしてリベンジ再開。
会話イベントが始まり、戦闘画面に……ってまぁ目の前にあるんだけどね。
そこには今、レゴウ達がナイフを舐め合い対峙していた。
「「「ひゃははははは、俺と出会うとはついてねぇなぁ!」」」
そう、そこにはオリジナルレゴウと対峙する二体のレゴウ。三人のレゴウの声が被る。
相手が無敵だってんなら同じレゴウの即死でぶっ殺そうってことだ。
1ターン目、速度が高いせいでオリジナルレゴウからの攻撃になる。
スキル挑発を発動。
「ひゃはは。いつでも来なぁ、テメーら全員切り刻んでやるぜぇ」
「ひゃはっ」
「ひゃはっ」
仲間のレゴウ2体は死毒の刃で通常攻撃に即死を付与。
2ターン目、オリジナルレゴウの攻撃。
「ひゃはっ」
死毒の刃で通常攻撃が即死となる。
次の戦闘で僕は二人に指示を出す。
「攻撃攻撃GO! GO! GO!」
「了解だぜぇマスター」
「敵も味方も鱠斬だぁーひゃははははははっ」
一人暴走。ターゲッティングでもう一人の仲間レゴウをターゲット指定。うん、通常運転の裏切り行動だ。
が、もう一人は普通に攻撃に向かう。
オリジナルレゴウに攻撃。
「ひゃはは、チョコより甘ぇーっ」
トリッキーに動いて避けようとして、でも相手もレゴウなのでタイミングを合わされる。
ザシュッ。即死の文字が白く浮かび上がる。
「あひゃ? あ、死んでる? うぉれぇがぁぁぁ死んでるぅぅぅ、あひゃぁーっ」
オリジナルレゴウが即死した。
「「ひゃはははははお前の死に様ァ俺の楽しみに貢献してくれたぜぇ、ぎゃはははははっ」」
うん。めっちゃくちゃむかつくわこいつ等。
「これは、いいのかしら?」
「いいんでない? ちゃんとゲームの設定範囲内で闘って倒した訳だし」
イリスの呟きにどうでもいいとルーカが答える。
ふっ。神の尻拭いしてやったぜ。これでメールしてやれるな、ああとてつもない上から目線のバグ指摘でなぁ。
「あら、バグ報告? 何で今頃……っ!?」
頭の上に止まっていたイリスはそのメールを見て息を飲む。
「そ、その報告、本気で出すの?」
「何か、問題が?」
「……いえ、垢BANされないことを祈っておくわ」
そう言って、私は無実。とか言いながら僕から離れて行くイリス。
その後ろ姿を見ながら僕はメールを送信する。
そして神はメールを受け取った。
内容はこうだ。
バグ発見報告ー。
なんかー、第10話選択したらー、レゴウがダメージ喰らわなくてー全滅したんだけどぉー。
イリスが言うにはぁーなんかー、9話で無敵化したのをそのまま10話に使ったんじゃねーってことらしくてー、コレバグっしょー?
ああ、でもー、レゴウ二体レベル1のパーティーで即死させてクリアしておいてやったからー問題無いんだけどぉー。でもこんなバグ残すとか神様手抜きなんじゃねーっつーかぁー。運営だいじょーぶー?
馬鹿にしてんのか? イラッとしながらも確かにバグってしまっていたことは自身の不手際だ。
だが、ここまで上から目線でイラつくメールを送られる程ではない筈だ。
いや、理解はできるのだ。相当溜まってるのは理解出来る。
何しろ最初の戦闘でレゴウに仲間を全滅させられてからダイスケにとってレゴウは禁忌とすら思える状態になっているのだ。
そのレゴウが無敵状態で敵として現れるバグなんて体験したら、そりゃブチ切れるだろう。自分だってそう思う。
しかし、しかしだ。これはこれでムカツク。なのでダイスケに雷を落としておく神様だった。




