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名も知らぬ誰かが消えました

「今までよく頑張ったな」


 集まって来てくれたオリジナルキャラたち。

 その代表として一人の男が僕に歩み寄ってくる。

 頭頂部が禿げあがった後に毛が一本。ハラマキにステテコ、なんとなくだがちょっとだけよ。とかあんたも好きねぇとか言ってきそうなメガネのおじさんがシリアスな顔でふっと笑みを浮かべた。

 ……あんた、誰?


「皆、神様から連絡を貰ったのさ。ダイスケ君を助けてほしいってな。儂らは全員ダイスケ君の味方だ。さぁ、反撃開始といこうじゃないか」


「え、ええ」


 一応返事したけども、ちょっと付いて行けてない僕が居る。

 そもそもあんた一体誰なのさ?


「絶対に勝とうな?」


「そ、そうっすね」


「後は儂らに任せておきな。さぁ、行くぞお前達!!」


 変なおじさんが叫ぶと、皆が応答して歓声が上がる。

 なんだろう、あのおっさん凄い人なのか?

 おじさんを先頭に走りだす兵士達。


 偽ダイスケがふざけんなっと叫ぶ。

 コピーリーハたちが必殺を唱え、真上に無数の炎弾が打ち上がる。

 蟒水流撃が発動し、コピーサクヤの一撃が襲いかかった。


 わーっと走り寄っていたおじさんと兵士たちは真正面から蟒水流撃を受け、そして……散った。

 何しに来たんだあんたっ!?

 え? ほんとあれって誰だったの!?


「ふん、我に必殺など愚かな。魔神のヴェール」


 魔神エンドレスがスキルを唱える。

 そう言えばこいつのスキルってどうなってんだろう?

 仲間になってるし今のうちに確認してみよう。


 魔神エンドレス Lv150

 必殺:

  虹色星破壊光線レインボーディザスター

   敵全体に全属性の7連続超ダメージ。

 スキル:

  魔神のヴェール

   3ターン味方全体に攻撃無効、状態異常無効、即死無効、HP徐々に回復、必殺ゲージ徐々に増加を付与する。

  魔神烈風波

   敵全体に風属性ダメージ。

  覇王の威圧

   敵全体のステータス増加を全解除。戦力低下スキルを付与。レベルダウン付与。

 パッシブ:

  神属性

   神の性質を持つ。物理攻撃半減。神殺し弱点。

  魔神の矜持

   HPが半分を切るとステータスが激増する。

  通常攻撃特殊

   通常攻撃が全体攻撃になり二連撃になる。



 勝てるかァ――――ッ!!?

 ハァ……ハァ……思わず叫びそうになっちまった。

 なんだこれ、魔神酷過ぎじゃね?

 こんなの敵に回したら勝てるものも勝てんわ。

 通常攻撃が全体で二回とか何処の母親だよっ。


 というか、どうやって闘えと!? 開始3ターンは魔神にダメージ与えられないし、その後に魔神烈風波喰らって死ぬし、万一生き残っても覇王の威圧喰らってレベルダウン。そこに七連続の属性攻撃。というか普通の攻撃だけでも普通に死ねるわ。

 誰が勝てるんだコレ。ぼくのかんがえたさいきょうのまじん。じゃねぇんだぞ!? なんだこの子供じみたチート設計。どっかの誰かが無敵バリアー殺しーとかのスキル持ってんじゃないだろうな。


 唯一可能そうなのがセフィーリアさんに特攻付きそうってぐらいか。

 ある意味あの人なら普通に勝ちそうではあるけども。

 まぁいい、このチートキャラが味方になってくれたことでもはや負けはなくなった。

 というか、他のキャラ来なくても魔神一人来るだけでよかったのでは?


 皆がやる気になっている中、魔王五連撃による必殺の嵐。

 魔神の張った防壁を破ることはできずに消失する。

 偽ダイスケ君はもうふざけんなっ。しか吐けない身体になってしまったようだ。可哀想に。


 頭を掻きむしる偽ダイスケ。その足元に、そいつがとことこ近づいて来た。

 まだまったく気付いていない偽ダイスケ。ナイフを口元に咥えた猫は、そんな偽ダイスケの死角から近づくと、一瞬でその身体を駆けのぼり、喉元向けてナイフを煌めかす。


 ちょぉっ!? それ偽ダイスケがギドゥにやらせようとした奴っ!

 まさかの隠密スキルで生き残り、相手の司令塔の命を奪うという極悪極まる一撃を、味方のミケがやりやがった。

 切られた瞬間、え? と眼を見開く偽ダイスケ、首から盛大に血を噴き出しながら倒れて行く。


「全軍、突撃――――ッ!!」


 サボの声でその場に集まった味方達が五体の魔王とサクヤ向けて殺到して行く。

 タコ殴りだ。魔王達をタコ殴りである。

 待って、皆待って! なんか弱い物イジメみたいになってるから。

 何コレ? さっきまでと逆の状況になってるんだけど!?


「なんだ、我が出張るまでもなかったか?」


「いえいえ、あの必殺を無効化していただいたのは魔神様の御蔭であります。マジ感謝っす」


「そうか。ならば良い。ふ、見るがいいダイスケよ。魔王がゴミのようだ」


 確かにボロ雑巾のようにリーハ2号が投げ捨てられて消えて行った。

 皆して殴りまくってるせいでリーハ達が可哀想に思えて来てしまう。

 なんとか止めるべきか、でも敵だから倒した方が良いのは確実で、僕は両手を突き出しおろおろおろおろ。あっちへ来たりこっちへ来たり。結局敵が殲滅されるまで手出しできない僕だった。

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