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一瞬だけの大ピンチ

 正直生き残れる気がしない。

 いや、この1ターンは多分数人は凌げる。

 では次ターンは?

 正直連続必殺は卑怯過ぎると思うんだ。


 味方は前衛ウッディ、ファラシオン。

 中衛、ヘスティカーナ、リーハ、ヒーロー、サクヤ、サシャ、サシャ。

 後衛にゲリンデル、シークレット、タダシ、村人、動くよ雪だるま。

 遊撃部隊がセフィーリア、ミケ、アッキス、若ケンウッド、セルジュ。


 盾として使えるのは勇者タダシ。

 ただし、自分と一人だけを1ターン守れるだけだ。次は無い。

 後はケンウッドの回避に賭けるしかないか?

 村人君は、多分最後の頼みの綱だ。


 ゲリンデルの智謀の陣で味方全体の戦闘能力をUP。敵全体のステータス低下が掛かってるんだけど、☆5キャラは出てない時だったので攻撃力の低下は期待できない。

 つまり全力全開の必殺オンパレードである。

 耐えきれる? 訳がない。


 避けきれないだろうか?

 もし可能ならばまだ可能性が生まれるんだけど。

 僕は思わずシークレットを見る。


「シークレット、それに皆。このターンを生き残れるかが肝だ。タダシさんは……」


「娘を守ります。それで、多分手一杯でしょう」


 と、リーハを指差す。

 こっちのタダシさんはリーハを娘認定してたっけ?

 つまりリーハだけはこのターン生還することが約束された訳か。


「シークレット、リーハの傍に居れば逃げ切れないかな?」


「可能性はあるかもしれませんけど、どれほどか……」


 だよなぁ。

 ヒーローとサクヤはガッツが掛かるから必殺一回は何とかなるけど……クソ、無理だ。

 シンデルさえいてくれれば……レゴウにやられたのが辛い。

 ヘスティカーナも生還は無理。サシャ二人もだ。多分今回の攻撃で一撃与えたら死ぬだろう。


「「大丈夫、策はあるんだよ」」


 いや、ないだろ。

 ファラシオンとウッディはほぼ確実に死ぬ。

 防御高いだけのウッディとか生き残れるわけがない。


 アッキス達遊撃隊はどうなるのか。セフィーリアが生き残ってくれればいいんだけど、無理だろうなぁ。

 セフィーリア、ミケ、アッキス、セルジュには必殺を回避するようなスキルがないのだ。

 ほぼ確実に直撃を喰らって死ぬだろう。


 魔王グレヴィウスリーハ1号、2号、3号、4号、5号、蛇巫女サクヤ、絶対消毒ナイチンゲルダ×2、絶望皇女パルマ、魔法中年タラッシュ、四天王ゲリンデル、ポポスポ、エルナバス、ガルガンラヴォス、ヒーロー、ゲテモンカビちゅう。ゲテモンヒロインデビデブー。

 この面子からの連続必殺……いや無理だろ。普通に生還出来ないだろ。


 でもアイツが持ってる必殺ゲージMAX薬、どう見ても全員分あるんだよな。

 どんだけ買ったんだよ。金欠なったんじゃないのか? むしろ僕さえ倒せば後は好きに出来るから金はどうでもいいとか散財しちゃったタイプか。


 クソ、今回で大ダメージを受けそうだ。その後はどうなる? 僕、もしかして敗北確定なんじゃ……いや、ダメだ。弱気になるな。

 この一瞬のピンチを越えて起死回生の一手を叩きこんでやるんだ。

 正直そんなもん考えもつかないけど、なんとかしないと。

 ここで負けるとか冗談じゃないだろ。


 なぁ、神様、ホイホイ君や駄女神じゃない、本当の意味で居るかもしれない神様。

 あんな奴の勝利が確定なんて、ダメだろ。頼む、僕に、この闘いだけでいい、勝利を。

 例えこれ以降勝利することが出来なくても、今、この時だけは……


 偽ダイスケが必殺ゲージMAX薬を使用する。

 ああ、畜生、やるしかないのか。皆、頼む、耐えてくれ。

 悔しいけど僕には、何も出来ることが……

 その、刹那のことだった。


 僕が悔しさと無力さに嘆いている時だった。

 偽ダイスケがアイテムを使用する直前。

 そいつは最高のタイミングを計るようにして現れた。


「はいよ頂きぃっ」


 唐突に姿を露わしたアッキスが偽ダイスケの手からアイテムを根こそぎ奪い去る。

 大盗賊の本領を発揮。偽ダイスケの隙を付き、死角から一瞬で、一気に、一撃で。

 だから、偽ダイスケも気付きもしなかった。

 何も持っていない手を掲げてアイテムを使用しようとして、効果が表れないことに小首を傾げ、掌からアイテムが無くなっていることに気付いて唖然とする。


「は?」


「そらご主人、こいつはあんたにやるぜ」


 そしてアッキスが投げ渡して来たモノをサシャ二人が器用にキャッチする。

 え? これ、僕が使っていいの?


「「ふふん、どうよ、最高の策でしょ」」


 まさか、アッキスのやつこのために隠れてたのか!?

 しかもサシャと共同で作戦作ってたのかよ!?

 はは、なんだよお前ら。勝手に動きやがってさ、畜生、大好きだっ。


 一瞬のピンチを吹き飛ばす。サシャ二人がハイタッチしている姿を見てほっこりしながら、僕は偽ダイスケを見る。

 有効活用、させて貰うぜ偽ダイスケ!

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