即死の刃
爆風が全てを薙ぎ払う。
どうなった。皆は無事か！？
ナルタを自爆特攻させるとか正気かあの野郎。
爆風が収まり眼を開く。
メンバーを即座に確認。
嘘だろ！？ あれだけの爆発で全員無事！？
「くっ。すまないダイスケ君。君の指示を待たずに必殺を使ってしまった」
告げたのはシンデル。
全身盾を構え、突撃して来た敵の攻撃全てを受けながらすまなそうに告げる。
彼の必殺？ 確か全受止無敗盾だっけ？
あれって１ターンの間味方全員に無敵を付与。さらに自身にタゲ集中、ガッツを付与。って奴だっけ。
そっか、全員を無敵に出来るのか！
見れば偽ダイスケがまた舌打ちしていた。
まさかこっちにも無敵化出来るキャラが居るとは思ってなかったんだろう。
スキルの御蔭か突撃している遊撃班も無敵になっている。御蔭でセフィーリアさんが無双しまくっていらっしゃる。まぁ、相手も無敵状態だけどな。
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「おいおい、なんだよあのチート盾野郎は？ 開幕必殺受け止めやがるわ、タゲ集中集めて硬い自身に攻撃集めるわ、今度は全員無敵だぁ！？」
「古代勇者シンデルね。今のは必殺よ。タゲ集中でスキルが溜まったのね」
イリスが告げるが偽ダイスケは頭を乱暴に掻きむしるだけで彼女を無視する。
「チッ、シンデルなんて名前なら死んでりゃいいんだよ。あいつなんとかしたいな。誰か……くく、いいのが居るじゃねェか」
呼び出した☆３キャラを見回し、そいつらを見付けた偽ダイスケはほくそ笑む。
「オラレゴウ共、全員であのシンデルとかいう野郎に即死をみまってやりな！」
「ひゃはぁ！ 俺の出番かぁマスターッ」
「ひゃははははは、敵も味方も鱠斬だァ！！」
レゴウの群れが死毒の刃を使用して動き出す。
ばらばらに……
「んん？」
おそらく次のターンで襲いかかる前に散開したのだろう、と適当に考える偽ダイスケ、彼はまだ、レゴウの恐ろしさを全く分かっていなかった。
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「レゴウが来たか……」
☆３キャラで持っているのは快楽殺人者レゴウ、狂信者レスティス、火炎人インフェルノォォォォゥ、華奢トロールオデーブ、昭和世代ハッサン、哀愁侯爵カイエン、英傑の息子セルジュ、老姫巫女チハヤ、一人戦隊オケレッド、オケブルーとかも居るけどアレもオケレッドだから問題はあるまい。
一番きついのはレゴウが普通に行動したときだ。基本は指示に従わないから同士打ちするだけなら勝手にすればいいんだけどね。
即死効果を付与したレゴウが近くに居る奴には注意しとかないと。
「全員近くのレゴウに気を付けて！」
５ターンが終わる。
味方としての戦果は村人達を倒しきったことか。
☆２キャラも結構少なくなった。
でもレスティスがまだ健在なのが地味に痛いな。
６ターン。開幕と同時にレスティスが必殺を使いランダム無敵効果が発動。
僕もアイテム使えばシンデルを毎回必殺使用出来て全ターン無敵状態とか出来たんだろうか？
まぁ、ない物ねだりはいいや。
「ひゃはは、死ねぇ！！」
ついにレゴウが動き出した。
ヘスティカーナが切り裂きでハッサンを切り倒し、サクヤの水弾三連がオケレッドたちを撃破する。
そこに現れるレゴウが一体。
「ヘスティカーナ！」
「ヒャハァ！！ 死んじまいなぁ！！」
ナイフを煌めかせるレゴウが突撃する。
しまった、と身構えるヘスティカーナ、の間横を通り過ぎてオデーブ君を刺し殺した。
「はぁぁぁぁぁぁあ！？」
思わず驚きの声を上げたのは偽ダイスケ。
その目の前ではレスティスが即死した所であった。
よし、あいつらレゴウで自爆しよったわ。
「がぁっ！？ く、クソ……すまないダイスケ君、あと、頼む」
一人だけ命令を忠実にこなしたレゴウがシンデル君を即死させていた。
レゴウは本当に邪魔者だ。
セルジュが雄叫び上げたレゴウを拳の一撃で沈める。
各所でサシャやゲリンデルなどがレゴウを撃破して行く。
こいつ等はジョーカーなだけにさっさと潰すに限る。
流石にヤバいと思ったらしい、偽ダイスケもレゴウを攻撃しするよう指示を出し始めた。
あいつ、マジにダークホースだな。
レゴウを殲滅させた頃にはもう６ターン目が終わってしまっていた。
完全にここで仕切り直しだな。クソ、シンデルが居なくなったのがキツイ。
ここからは防御もできなくなっちまった。
残ったメンバーで頑強な奴いたっけか？
ウッディ、ファラシオン。なんとか二人で耐えてくれ！
ウッディはにこやかに微笑み白い歯を煌めかす。
ファラシオンもまた我に任せろとエコーを響かせた。
頼むぞ二人とも。
