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反撃の狼煙

 ガイウスが案内しようとしていたのは第一話であった。

 これからまた全ての冒険をやり直せと? 冗談じゃねぇよ。

 えーっととりあえずメールを打って、と、お、普通に打てる。新規でやれば普通にできるのか。


「ふーむ。これ、我とかも新規参入出来んのか?」


「魔王が魔王倒しに行くのか? 矛盾し過ぎだろ」


「それもそうか」


 それはそれで見てみたくはあるけどな。

 コピーとして仲間にされる勇者たちがどういう反応するかとか。

 多分だけどヒーローくんとかフレンドリーに挨拶したあと魔王だと気付いてなぜお前の仲間に!?

 みたいな感じになりそうな気がする。

 そして死んだ魚みたいな顔で魔王の後を付き従うのだ。


 うーん、目に浮かぶようだ。

 そしてリーハとリーハが対峙してふははと笑い声を上げる面白映像が展開されるわけですな。

 いや、オリジナルリーハが自分を倒す訳だから一人二役かな?

 椅子に座ってふはは、立ち上がって小走りに走って対面に仁王立ちしてふはは。台詞毎に行ったり来たりして、自分で選んだ戦闘キャラと自分で闘って敗北する訳か。傍から見たら馬鹿にしか見えないな。


「うぬぅ? なにやら不当な扱いを受けた気配がしたぞ?」


「気のせいだろ?」


 しかし、このままガイウスに付いて行っても面倒だしな。偽ダイスケを探して僕のコピーキャラ達を返してもらわないと……って、待てよ? ルーカとかパルマとかクソ野郎なら襲ってる可能性も……最悪だ。頼むクソ野郎にだけは渡ってないでくれ僕のアカウント!


 ―― ダイスケ君無事かい? ――


 神様、結局どうなってんの? 僕の持ってたキャラクターは全部誰かの元へ行っちまったみたいだし、メニューも何も使えないし、なんかガイウスって奴が新規登録がどうとか言ってるんだけど。


 ―― おはろー、女神マロンちゃんだよー。なんかヤバゲな雰囲気してたから来ちゃった ――


 お帰り下さい。

 しかし、結局どうなってるんだろう。神様は分かってる?


 ―― ああ、今見付けたよ。イレギュラークンだ ――


 ―― ちょぉい、あちし無視っすか!? ――


 駄女神どうでもいい、神界へ帰れ。

 それで、イレギュラー君ってなんぞ?


 ―― どうもオープンワールド化に合わせてどこかの神が誰か送り込んできたみたいだ。しかもそいつがダイスケ君のアカウントを乗っ取った形だね ――


 冷静にいうことじゃないよね。どうなんの?


 ―― 垢BANすれば確実だけど、君の集めたキャラや辿ったストーリーごと消え去るよ。あと方法は…… ――


 ―― 対戦で勝利したら相手のアカウント奪い返せるようにプログラミング出来ない? ――


 ―― それは可能ですけどね。新人状態のダイスケ君には荷が重くないかい? 仲間キャラ一人もいないだろ? ――


 え? 居るけど?


 ―― え? ――


 ―― え? ――


 ―― あの、ガイウス君は戦闘参加はしないんだよ? ――


 普通にリーハとかシークレットとかいるけど?


 ―― え? どゆこと? ――


 神様も想定外だったようだ。

 多分だけど相手がアカウントを奪った際に味方キャラと認識されたのはガチャで手に入ったコピー体だけなんだろう。

 だからオリジナルキャラや特殊召喚キャラはこっちに残ったんだ。


 皆僕をダイスケ個人として認識してくれてたからね。

 コピーはアカウント名ダイスケを自分たちの主人と認識していたからアカウントを奪った存在を主人として向こうに付いたんだろう。

 オリジナルキャラ達を沢山集めといてよかった。


「よし、神様、そいつと闘って僕は自分のアカウントを奪い返すよ」


 ―― わかった。対戦方法はどうする? ――


 相手は魔王5体を使って来るだろう。

 開幕必殺こそないけどちょっと5連撃は危険なんだよなぁ。

 二回は叩かないといけない訳だし。

 今いるオリジナルキャラで6体しか選べないと……待てよ。


「神様、一つ思いついた。多少下準備がいるんだけど」


 ―― ふむ。どんなやつかな? ――


「うん、まずは、村人たちを集めてほしい。オリジナルの、出来れば全世界中から?」


 それから、と僕は一緒に付いて来てくれた皆に振り返る。


「皆、本来この闘いはこの世界に生きる皆には関係の無い闘いだ。それでも、力を貸して欲しい。皆の力を僕に貸してくれないか?」


「ふん、馬鹿かダイスケよ。我が世界の窮地ではないか。手を貸すも何も我が邪魔者を滅するだけ、さっさとやるぞ」


「頑張りましょうダイスケ君」


「魔王と一緒にというのがちょっと納得行かないけどね。この勇者ヒーロー、共に闘った君の頼みならば命を掛けて闘うさ」


「ま、一緒に闘ったよしみです。ヒーローが闘うなら私も闘いましょう」


 リーハ、シークレット、ヒーロー、サクヤが同意してくれる。

 他の皆も各々参加を表明してくれた。

 まぁ、一部仕方ないから協力してやる。とか依頼料どうこうとか言って来たけど、一応全員許可は貰った。あ、雪だるま君だけ強制だよ。返事できないから。

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