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初回ガチャ10連☆5一体確定引いてみた

「おっはろーん」


 不意に、変な声が聞こえた。女の子の声っぽい。

 どうやら目を瞑っていたらしい。

 目を開いてみると、地面に寝そべっていることに気付く。


 何故か知らないけど地面にうつ伏せになって寝ていたようだ。

 地面に生えた雑草が鼻をくすぐる。ぶえっくしょいっ。うわ、きったねぇ。とりあえず草で拭いとこう。

 両手に力を込めて立ち上がる。

 お尻に付いた土を払いながら眠気眼で周囲を探る。

 一匹の小さい女の子が空を飛んでいた。


 いや、言い方が悪かった。

 手の先から肘位までの背丈の羽根の生えた女性だ。

 妖精というにはデカい。しかし人というには小さすぎる。

 そんな少女は青い髪をなびかせながら羽根を使って僕の周囲を飛び回っている。


 たぶんだけど、こいつが神様の言うマスコットキャラなんだろう。

 しばし周囲を飛び交うマスコットキャラを眺めつつ現状を把握する。

 どうやら異世界転移は無事に終わったようだ。


「おっはろーん」


 さて、とりあえず街を目指して歩いた方が良いのかな?

 オプションがどうのこうの言ってたけど、どうやって見るんだ?

 ガチャは何処で引けばいいんだろう?


「おっはろーん」


 よし、こっち向って歩いて……


「返事しろやダボがァ――――ッ!!」


「げぶほっ!?」


 周囲を飛び回っていたマスコットキャラが突然僕の腹目掛けて斜め四十五度から飛び蹴りをかましてきた。

 鋭角に突き刺さった一撃はクリティカルヒットに僕を悶絶させる。

 刺さったよ、今蹴り足がお腹に刺さったの。


 右に左にばったんばったんしながら悶絶。

 ふんすっと両手を腰に当てて鼻で息を吐くマスコットキャラに怨みがましい目を送る。


「無視する方が悪い。さっさと説明させろぃ」


「えっと、ごめん?」


 あれ? なんで僕が謝ることに?

 納得いかないながらも流石にこれ以上無視するとマスコットキャラが飛び蹴りして来そうなので仕方なく相手することにした。

 僕はゲームで出来ることを一通り調べてからゲーム始める派なんだけどなぁ。仕方無い。


「えっと、君は?」


「はいな。皆のアイドル。この世界唯一のマスコット。ルーカちゃんどぅえぃす!」


 ちゃらーん。とピースマークに親指プラスしたモノをくるんと裏返して額にくっつけるルーカ。

 正味ウザい。


「ではでは、初めてこの世界に来た君の名前を教えてね」


 きゃるんっとぶりっ娘するルーカ。さっき飛び蹴りされたせいか素直に可愛いと言えない自分が居ます。


「えーっと、穂高大介です」


「じゃーダイスケね。君がこの世界に来た理由は、神様にバグ報告が主なんだけど、それだけじゃ何をしたらいいかわからないでしょ。だから神様は魔王を創ったらしいの。魔王を倒す旅をしながら色々調べて行ってくれって言ってたわ」


 なるほど。目標は魔王退治。時間はどれくらいかけてもいいから目標値だけは決めておいたのか。確かに目標があった方が方向性は定まるな。とりあえず最終目標は魔王を倒して世界を平和にすること、だな。


「早速だけどまずはガチャを引きましょ。説明はその後。異世界じゃあれでしょ。リセマラという名のリセットしてマラソンするようにゲームを攻略していく面倒なことするんでしょ。こっちは現実世界だからさ、リセットできないのよ。だから本当に運次第の10連ガチャ。やり直しは効かないわ」


「マジっすか。まぁいい。とりあえずガチャ回せるんだな」


「えっとねー。まずここが初期画面になるの。ここから戦場を選んだり出来るんだけど、今はチュートリアルってことで、ほら、右下にガチャボックスあるでしょ」


「これか?」


 ガチャ。と書かれた四角いダイアログボックス? むしろ一面しか文字が書かれていないサイコロ? っぽいのに触れる。

 すると、前方に光が走りだし、魔法陣を描くと淡く輝きだした。


「こっちを選べば単発ガチャ。こっちは10連ガチャね。今回はこっち選んで」


 いちいち自分で触れに行かなきゃだめなのか。サイコロぽいボタン。面倒だなぁ。

 ブツクサいいながら10連ガチャを選択。

 魔法陣が光り輝き、何かが内部に生まれる。


「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」


 光が収まり魔法陣の中央に現れたのは、クワを持ったおっさんだった。

 

「はいはい、召喚されたら次閊えてるからこっち来てー」


 村人Aはルーカに呼ばれて隅っこの方へと向かった。


「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」


 召喚された村人はルーカに呼ばれて隅っこの方へ……

 村人Aの後に並ぶ村人A。なん……だ、これ?


「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」


 三連続村人Aだとぉ!? 舐めてんのかこのガチャは!?

 三人の同じ顔が並ぶ。シュールだ。


「わわ? あれ? どこここー。えっとねリーシャだよ?」


 次に出て来たのは女の子。どう見ても戦闘が出来る存在ではなくただのそこいらで遊んでそうな女の子だ。年は、多分8~10歳くらい。余程キワモノじゃなければ村にいるいたいけな少女だろう。


「ゼハァ……ゼハァ……こ、この老いぼれを呼ぶとは……運がないのぉ」


 次に召喚されたのは死にかけの病人爺さん。

 正直戦力にはなりそうにない。というか今直ぐに血反吐吐いて死にそうなんだけど……


「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Aだぁ」


 またかよ!?


「おお? 召喚されちまっただか。オラァ村人Dだぁ」


 また……Dだと!? 服の色が違うだけのおっさんだ!?

 神様手抜きですか!?


「ひゃはははははは、次に殺されてぇ奴はどいつだぁぁぁぁぁ!?」


 なんかヤバいの出た。

 付け爪の長く鋭い奴を手に嵌めた危ない顔の奴。

 口元の赤い液体は返り血だったりしないよね?

 絶対問題起こすだろう。って思えるヤバい奴はルーカに言われて行儀よく村人Dの後に並ぶ。

 なんか普通に聞きわけが良いんだけど、アレで良いのかよ?


「む、召喚か。私は王国守備隊に所属しているシオという。よろしく頼む」


 ロングヘア女騎士様来たァ!! よかった。こういう人を待ってたんだ。華があるし戦力にもなる。最高じゃないか!

 思わずガッツポーズした瞬間だった。

 魔法陣が今までにない輝きを放ちながら七色に煌めく。

 おお、コレが☆5の召喚エフェクトか。


 光が収まると、なんだかチンチクリンの女の子。

 ただ、オプションが半端ない。といいますか。ボーイッシュな髪の勝気な釣り目少女は全身に黒い生物を纏わり付かせたような容姿で、両腕に沿うように禍々しい防具。鱗付きの尻尾とも思える防具は地面に伸びて少女の身体を持ち上げている。

 つまり、防具というか蛇の尻尾というか、よくわからないモノが彼女を浮かせているのだ。


 さらに防具は背中に禍々しい翼を持ち。ドラゴンの爪のように尖っている。

 肩のあたりにも爪のようなモノが背後から彼女の肩をがっしりと掴んでおり、頭を守るようにドラゴンの上あごが頭に乗っていた。

 凶悪なドラゴンに思える頭が彼女の頭の上に乗ってます。

 うん、アレ防具じゃなくて邪竜さんが背中にくっついてるんじゃないか?


 全体的なフォルムは飛龍に食いつかれた少女、だろうか? 胸は飛龍の手が揉むように隠している。いや防具なんだろうけどさ。下半身を隠すのは黒色のパンツに似た防具。

 しかし少女は痛そうに嘆くことはなく、不敵な態度で仁王立ちしていた。

 あ、違う、あの飛龍の手、手じゃなくて金属質の防具だ。


「くははははは。我が名は魔王グレヴィウスリーハである。頭が高いぞ我が主よ! はーっはっはっはっは」


「…………」


 尻尾で浮いた状態で仁王立ち少女は空気を微妙な物に変えながらも気にせず高笑いを始めていた。

 僕は無言でルーカを見る。

 ルーカは冷や汗を流しつつにこやかにほほ笑んだ。


 ☆5キャラに倒すべき魔王、出ちゃってるんですけどぉ!?

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