主人公容赦なし
よぅくわかった。
二度目の敗北を経て僕はよく理解した。
助けようとは思った。でも相手がこちらを遠慮なく殺しに来るなら遠慮いらんよな?
ゲリンデルが涙目で違うの、これは仕様、仕様だから仕方ないのっ。と声を出さずに叫んでいる気がしなくもないが、僕はもう遠慮しないことに決めたんだ。
戦闘メンバー変更。
変更するパーティーは、若ケンウッド、タダシ、Gババァ、俺の尻で泣け、レゴウ、ミケの六人。
NPCは若ケンウッドである。
まずは指示出しでケンウッドに連撃は使わないように告げておく。
さらにタダシはレゴウを防御。
レゴウはヒャハッと即死付与。
他のメンバーは攻撃を行う。
1ターン目なのでダメージの通りはかなり少ない。
こればかりはどうにもならないので気にしない。
このターンは完全に捨てる。
ゲリンデルの攻撃、今回は風圧爆破だったようだ。
タダシがレゴウのダメージを肩代わり、即死を喰らって死亡。
ケンウッドとGババァがきゅぴんして回避。俺の尻で泣けはダメージを喰らったが即死はミス。
ミケはいつの間にか居なくなっていた。
2ターン目。補助なので一番最初に動いたゲリンデルが智謀の陣を使用。
ババァとケンウッドの抜き手が襲いかかるがダメージが低い。
やはりあの智謀の陣は強力だ。
俺の尻で泣けが堂々と近づきゲリンデルの頭を掴むと、自分の尻に押しつける。
止めろっ!? 叫ぶが既に遅い。
ばすっ
ぷぅ~~~~~~
ぶぴ
どさり、涙目で泡吹いたゲリンデルが崩れ落ちた。
酷い、一撃だ。
しかしHPが残ってるゲリンデルはまだ生きていた。
そこにレゴウが突撃。
即死攻撃ッ! と思いきや、ケンウッドを突き刺す。
ケンウッドはきゅぴんっとこれをなんなく避けた。
チッ、レゴウの野郎また味方攻撃しやがって。
狙うのはゲリンデルだよ。わかれよっ。
というかミケはどこ行った?
あ、あんなところにっ!?
起き上がったゲリンデルの背後に姿を露わしたミケ、その口にはクナイが一つ。
ゲリンデルが気付くより早く、その首筋を切り裂いた。
クリティカルヒット&即死発動。
立ち上がったゲリンデルがそのままどぅと倒れて消えた。
よし、殺った!
「ちょっと、なんか趣旨変わってないダイスケ。ゲリンデル助けるんじゃなかったの? なんか倒してガッツポーズしてるんだけど!?」
「いいかルーカ、幾ら助けようとしたって相手がこっち殺して来るなら無理して助ける必要はない。目には目を、歯には歯を、これぞ至宝のハンムラビ法!」
撃破したゲリンデルは戦闘終了とともに復活。
しかし致命傷を受けたようでどさりと倒れる。
あ。死にやがった。
よし、んじゃ方針決まったな。
物語を最後まで終わらせエピローグ手前まで来ると、僕は一章前に戻って大会前の戦闘をタップ。あの会場前で変なデブが襲いかかってくる奴だ。
そして街に戻って大衆食堂で食事中のゲリンデルと再会。
勇者共がリーハに襲いかかって来たので互いに闘わせて残った数名をリーハの開幕必殺で撃破。
ゲリンデルを仲間にしてから今回のエピローグへと向かう。
さぁ、どうだ。ゲリンデルは死ぬのかい、生き残るのかい? 神様、どっち!
結果を言えば、普通に生き残った。
直前に死んでしまっていたので死亡フラグが無くなっていたようだ。
シークレットの時に同じことはさせないみたいなこと言ってたけど普通にできたな。
まぁいいや。どうせホイホイ君も見てるだろうからこのまま進めよう。
あとゲリンデルからしっかりと謝罪の言葉とお礼を貰った。
ゲリンデルが扱っていた武器を貰ったのでとりあえずゲリンデルに装備させておく。
貰わないとアイテムとして認識されないってどうかと思うけどね。
とりあえずグレードとレベルを上げておいた。
これって専用装備はオリジナルさんから貰って行かないといけないんじゃないかな。
取り戻した二つ目の勇者の剣はヒーロー君に手渡しレベルを上げておく。
なんで仲間になってないパーティーの武器を僕の素材で上げないといけないんだろう?
まぁいっか、一応このまま魔王戦まで行ってくれるみたいだし。
しかしどうすんだろうリーハは?
結局オリジナル魔王ここに居るから本当に魔王と一緒に魔王退治の旅に向かうことになってしまったぞ。
新しい魔王でも出てくるんだろうか?
「しかし、四天王揃ってしまったな」
「コピーだけどね。暑苦しいことこの上ない、とくにエルナバスとガルガンラヴォス」
「まぁよい。それで、次の章は?」
「うん、ついに最終章に入るみたい。魔王城決戦って書いてある」
つまり、ついに魔王と直接対決が始まるのである。
リーハと闘うのか。ゲリンデルがこんな闘いだっただけにリーハも戦闘で手を抜くことはなさそうだなぁ。
なんとか救えると良いんだけど。どうなるんだろう……