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ガチャにまつわる致命的バグ発覚

 10章が終わった。

 次の11章ではゲリンデル戦になるんだろう。

 その前にとりあえずピックアップキャラを調べるとしようか。

 ガチャ引くぞーガチャ。


 とりあえずピックアップから確認しよう。

 今回のピックアップキャラは?

 ☆5蛇巫女サクヤ、☆4重戦士リベリオ、☆3裏切者リーハン……

 リベリオ、重戦士だったのか。

 いや、うん、もっと突っ込み所はあるよ。リーハンどう見てもアレだよね。

 裏切者とか書かれてるし。絶対裏切るよこいつ。ウーラ=ギルモンよりも裏切るよ。


 ヒーロー君がピックアップにない?

 多分だけど次のピックアップだな。

 ゲリンデル戦じゃなくて魔王戦でのピックアップになる筈だ。


 今回は別に欲しいキャラ居ないんだよなぁ。でも、とりあえずやっとくか。

 サクヤなら被っても問題は無いし。

 というか僕って結構運が良いみたいで☆5キャラかなり手に入ってるんだよね。

 普通こんな連続で☆5来たりはしないんだよ。そもそも☆4一つ出る以外は保障ないんだし。

 この世界に来て運が味方してるのかね?


「御屋形様、魔王討伐私も是非連れて行って下さいませ」

「御屋形様、魔王討伐私も是非連れて行って下さいませ」

「尻に代わって、お仕置きお!」

「御屋形様、魔王討伐私も是非連れて行って下さいませ」

「我が名はガルガンラヴォスである!」

「御屋形様、魔王討伐私も是非連れて行って下さいませ」

「なんだよ、お兄さん僕を引いたのかよ」

「この召喚、魔王陛下に捧ぐッ!!」

「俺と一緒に魔王を倒そうぜ」

「あっはははは汚物は消毒だぁーっ!!」


 ぶっふぉぅ!?

 え? 何コレ!? 神引き来た?

 全部☆5キャラなんですけどッ!?

 サクヤさんが4体、タラッシュ、ナイチンゲルダが被った。

 ガルガンラヴォス、ポポスポ、エルナバスが出現した。

 ヒーロー君まで入手できる意味不明の☆5十体出現。え? マジ意味不明。


「うおおおおおおおおおおおおおおおっしゃぁぁぁぁ!!」


「前々から☆5結構当たると思ってたけど、これ、おかしくない?」


「そうですね、神様に報告しましょう。垢BAN案件ではないけど、変な感じなのは確かね」


 ちょ、待って、ルーカ、イリス、これはただの運が良いだけだって。

 なんでそんな懐疑的な目をしてるの!?

 そう、それは運が良いだけ、そう思っていたんだ。僕だけは……


 ----------------------------------


 神界にて、駄女神はこの神引きを見て顔を引きつらせていた。

 流石にこれはおかしくね?

 そう思ったのは何もイリス達だけではない。


「ねぇ、ホイホイ君、これ、排出確率ってどうなってんの?」


「ん? ☆5が3%、☆4が10%、☆3が20%☆2が20%☆1が47%にしてるけど?」


「結構出やすそう、かな? んー……ん?」


 排出率を聞いた駄女神は設定画面を覗き込みながら唸る。

 そこで気付いた。気付いてしまった。

 全身を震わせながらホイホイ君を見る。憔悴したその顔に、何かマズいことでもやらかしたか? と覚悟するホイホイ君。


「今度は何を消した駄女神?」


「ゼロが、ゼロが多いんだけど……」


「は?」


「☆5排出率、0が多いんだけど!? 30%あるんだけどッ!!」


「へ?」


「だから、☆5が30%、☆4が10%、☆3が20%☆2が20%☆1が47%になってるんだけどもッ!!?」


 二人揃って時が止まる。


「あっははは、まっさかぁ~」


 ひとしきり笑った後、ホイホイ君は即座に駄女神の見ていた画面を覗き込む。


「マジかっ!?」


「そりゃ神引き連発するわー」


 魔王が6体揃う時点で気付くべきだった。

 これは駄女神どうこうの問題ではない。完全にホイホイ君の犯した失敗である。

 とはいえ、ダイスケにとってはむしろ幸いであるだけであり、問題点は運営側であるホイホイ君たちが損しているだけなのではあるが。


「こっそり、修正しとこう……」


「え? ダイスケ君には伝えないの?」


「こっちの問題だし、彼には問題ないだろ?」


「そりゃそうだけど、んー、ま、いっか」


 こうして排出率のバグは人知れず修正された。

 ダイスケは10体の神引きを引き換えに☆5排出率が一気に下がってしまったのであった。正常に戻ったとも言う。


「しかし、排出率30%かぁ。☆1並みの排出率ってどうなんだろ」


「そんな事実はなかったんだ。ダイスケ君の引きが良かったんだよ、はっはっは」


「認める気は無い訳か。あんたあちしのこと散々言っといて自分のミスは棚上げかこんにゃろー」


「うわ、やめろ。頬を摘まむなっ」


 プニプニとしたホイホイ君のホッペをぎゅ~っと引っ張る駄女神。ホイホイ君も必死の抵抗とばかりに駄女神の頬をぎゅーっと引っ張る。

 二人はしばしの間、二人きりで存分に遊んだのであった。

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