勇者チームVS魔王と魔王と魔王と魔王と魔王と魔王
宿屋のベッドで心地よい快眠に身を委ねた次の日。
皆して宿を後にしてうーんと背伸びをしていると、神妙な顔の勇者チームがやってきた。
ヒーロー君たちである。
「やぁダイスケ君」
「あ、ヒーロー君。どしたー?」
「君達もゲリンデルを退治しに行くのか?」
「え?」
いや、そんな話一度もしたことないんだけど。
というかこれからどうしようとかどうでもいいこと考えてたんだけど。
え、もしかしてゲリンデル退治行っちゃう感じ?
「そういうことなら君たちの実力を見せてほしい」
「え? しかも闘い始まっちゃう感じ?」
なんか唐突だな。
んー。あ、そうだ。どうせだからこれにしてみよう。
「さぁ、君たちの実力見せて……ええぇ!?」
「「「「「「ふははははは、勇者が相手であるならば我とて本気でかからねばな!!」」」」」」
折角なのでNPCにリーハ、メインメンバーをリーハ1号、2号、3号、4号、5号で固めてみました。
同じ顔一杯。魔王様がいっぱい。
全員同じ行動を行いふははと笑う。
寸分たがわぬその姿に、さすがのヒーロー君も驚きを禁じ得ない。
「うわー、魔王六体とか……」
「ダイスケ、あんた鬼畜ねー」
「はっはっはルーカ程じゃないぜ」
「……って、ちょっと、それって私の方が鬼畜ってことにならない!? ダイスケあんた私のことどう思ってんの!?」
どうって……こけしが好きな変態サポーター?
あえて口にはしなかった。しかし口にしなくても何かが伝わってしまったようだ。
ふざけんなーっとぽかすかやってくるルーカ。
懐からすぅっとこけしを出す。
ピタリを動きを止めたルーカ。こけしがゆらゆらと揺らされる毎に視線が行ったり来たりする。
ぬはは、抗えまい。さぁ、欲しいか? 欲しいのか? 僕への好感度が上がってしまうぞー。
「う、うぅ、卑怯者ぉぉぉ、でも好きになっちゃうのぉぉぉ」
はっしとこけしに抱きつくルーカ。私のもんだっとぎゅっと力を込めて僕からもぎ取る。
よし、煩い奴はこれで黙った。
「クハハハハハハハ!! 塵芥どもよ天を見上げ絶望せよ! 我が名はグレヴィウスリーハ! 貴様等を悉く撃ち滅ぼす者である。星屑達乃虐殺!!」
「行くぜ、秘奥義魔王消滅剣!!」
双方開幕必殺。
御蔭でメンバーが巻き添え食って殲滅。
僕達側は魔王様が全員第二形態。
ヒーロー君側はサクヤが第二形態。ヒーロー君は健在。HP3分の1位残ってる。リベリオが庇った御蔭でリーハンだけはHP満タンである。
しかし、必殺の影響で魔王様方の必殺ゲージはMAXである。
つまり……
「「「「「クハハハハハハハ!! やらせると思うか! 塵芥どもよ天を見上げ絶望せよ! 我が名はグレヴィウスリーハ! 貴様等を悉く撃ち滅ぼす者である。星屑達乃虐殺EX!!」」」」」
5連続の必殺流星雨。いやー、壮観だなー。
一撃目でサクヤが倒れ、ヒーロー君がガッツで立ち上がる。
二撃目でヒーロー君が倒れる。
三撃目で街道が粉砕されて行く。
四撃目で地面が抉れ飛び家々が爆散する。
五撃目で赤茶けた大地にクレーターが出来て行く。
うん、まぁ、なんだ。
「土地を更地にするのに重宝するな」
トウドウさん、呼んでないのに出て来て隣に来ないでくださいます?
そんな俺と一緒に地上げやらないか? みたいなスカウトしに来ないでください。
相手魔王とそのコピーだからな。絶対にやらないからな。
そんな残念そうな顔すんなっ。
「あー、負けた。つーか勝てるかッ」
戦闘終了とともに復活する勇者ヒーローパーティー。
疲れた様子で地面に座り込んではーっと長い息を吐く。
そりゃ魔王一人相手でもかなり大変なのに六体いるもんな。
僕も敵対することになったら勝てる気はしないよ。
にしても、9話で彼らと闘いってことは10話はどうなるんだろう?
とりあえずタップしておく。
しばらく休憩したヒーロー君達が立ち上がり、君たちとなら共闘出来そうだ。
そう告げた次の瞬間、ちょっと待ったーっ! と現れる勇者ピン=チー。
彼女がこちらにやってくるより早く、ちょっと待ったーと現れる勇者モーダメー。
その後も次々現れる勇者たち。
流石にこの人数と一緒に行くのは危険だ。とヒーロー君は彼らを撃退してゲリンデルの元へ向おうとか言いだした。
いや、別にいいじゃんこいつ等引き連れて行っても、たいして役に立たないけど雑魚戦位任せれるでしょ?
あ、そういうことか。ここで集団戦になるのが第10話ってことか。仕方ないから倒してやるか。
当然、魔王陛下の開幕必殺によりほぼほぼ全滅。他のメンバーは活躍すらできなかったのだが、いつも通りなので割愛しておく。