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魔王コピーVS勇者6人

「さぁ始まりました第1試合! 魔王グレヴィウスリーハ5号率いるのは……5号ッ!? あ、いえ、えーっと、魔王5号率いるは大泥棒アッキス、地上げ屋トウドウ、帝国スパイマルサ、追跡皇女パルマ、快楽殺人者レゴウッ!! 対するはまさかのパーティー全員が勇者という異色のチーム。まさに魔王を倒すためのチームのようだ!! 勇者ピン・チー、勇者マケスギ、勇者ボロマケー、勇者ジバーク、勇者チョロスケ、勇者モーダメー、彼らは魔王を打ち倒せるのか、こうご期待だァ!!」


 こうご期待……っていうか、どう見てもアウトな面子だろ。

 名前からしてほぼ確実に倒れるのが確定してるじゃないか。

 こんなメンバーよく集めたな。

 というかホイホイ君、いや駄女神が設定しただろ。


「行くよ皆―ッ!!」


 戦闘開始と同時にピン・チーが号令と共に走りだす。

 全員勇者っていうか戦士らしく、皆揃って走り出す。

 あ、これ即死フラグじゃね?


「ふはは、では魔王の力を見せてや……」


「ヒャハ」


「あらん、お姉さん頑張っちゃおうかしら」


「見ていてください旦那様。ふふ、うふふ……」


「ふむ。オルァ、そこをどけやゴルァ!!」


「ほいよっと。お、薬草貰い」


 皆が勝手に動き出す。

 リーハ5号が動くよりも速かった。

 レゴウが通常攻撃に即死付加を行い、マルサが悩殺ポーズ。パルマが気持ち悪い笑みを始め、トウドウさんが恫喝。そしてアッキスはピン・チーの胸を揉んでアイテムを盗む。

 衛兵さん、こいつです。


 勇者たちの連撃。トウドウさんの恫喝に怯えたモーダメーが怯え状態で麻痺してるけど、それ以外のメンバーがトリップ中のパルマをめった刺し。

 ちょ、幾ら復活するからって酷過ぎるッ!?


「よし、一体撃破ッ!!」


「死ね雑魚共が!」


 リーハ5号の攻撃が一番最後になってるし。

 そういえば彼女のレベル50前後だったな。他のメンバーの方が強いっちゃ強いのか。

 レゴウだけレベル1なのに速度かなり高いし。


 火炎ブレスが放たれる。

 勇者たちはこれを必死に回避。

 おお、ジバークくんがこけて巻き込まれとる。


 これで互いに一人づつ倒れた状況で2ターン目に入ったことになる。

 ここからスキルによって大幅な……

 なんとなく、予想は出来てたんだ。


「ひぃぃやっはーっ!!」


「ば、馬鹿な!? この我が、魔王だぞ? この我が、滅……びる?」


「お、おおっとぉ!? レゴウ選手まさかの裏切り!? 魔王5号を背後から突き殺したァ!?」


「ええ、裏切っちゃうんですかー。裏切りは私の専売特許なんですけどー?」


「チッ、役に立たん。クライアントが死んだのなら手伝う義理は無いな」


「あ、皆抜けちゃう感じか? ほなさいならー」


 うわー、リーハ5号居なくなったら瞬間マルサが勇者たちに寝返りやがった。

 そして場外へと一人歩いて去っていくトウドウ。

 ソレを見たアッキスがすたこらさっさと逃げだした。


 残った味方はレゴウのみ。

 そこに勇者たちが殺到する。

 さりげなくマルサが攻撃に参加してやがる。

 やっぱりコピーも本物もマルサはダメだな。


 レゴウだけしかいなかったからそりゃもう幾ら雑魚勇者の皆さんだったとしても楽勝で撃破できてしまったのである。

 そりゃ、レゴウがいたらねぇ、そうなるよ。

 アイツの即死攻撃第二形態にすらさせてもらえないしな。可哀想に。


 一回戦敗退した魔王に周囲からブーイング。魔王弱過ぎるぞーっとあまりに酷いヤジが飛ぶ。

 選手控室で他のリーハたちがイラついてるだろうなぁ。

 あっ、トウドウとアッキスが戻ってきた。


「クライアントよ、今回の仕事は失敗だ」


「うん、見てたよ。ありゃダメだわ。レゴウやっぱダメだわ。あとマルサもダメだわ」


「あ、それとアッキスさん、その盗んだ財布、戻して来なさい」


 僕の言葉に続くようにイリスが本を見ながら告げる。

 驚くアッキス。

 困ったように頭を掻きながらへーいとどこかへ去っていった。

 どうやら盗んだ財布を戻して来るようだ。


 そしてアッキスと入れ替わるように戻ってくるリーハ5号とパルマ。

 レゴウはぼっこぼこにされてリーハ5号に引きづられていた。

 マルサは? パルマの後ろで気まずそうにしてる。

 とりあえずマルサは言い訳聞くことなくストック行きで。レゴウも一緒にな。


「うぐぐ、あのばかものが暴走さえしなければ……」


「いや、無理だろ。あいつそういう奴だし」


「面目ないです。まさか初っ端に脱落してしまうとは。慰めてくださいダーリン」


 うおぉぉぉ!? パルマさん抱きつかないで。背中、背中にぃぃぃ!?


「あ、こらパルマ、他のメンバー居ないからってくっつかない。私監視役任されてるんだからね!」


「え? 邪魔です、こけしと遊んでなさい」


 溜息とともにこけしを懐から取り出しルーカに投げるパルマ。

 慌てて受け取ったルーカは両手で持ったこけしを真上に掲げ小躍りを続ける。


「わ、こけちゃーんっ!? きゃっほぅ」


 な、なんてチョロ過ぎる監視役……

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