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デイリーミッションの激戦・中編

「サクヤ、水流演舞をリーハに」


「なっ!? この女にですか御屋形様!?」


「速攻で片を付けたい、多分まだWAVEがある。ここは相手に攻撃を受けずに次に行きたいんだ」


 むぅっと唸りながらもサクヤがリーハの攻撃と防御を増加させる。


「リーハ、火炎ブレスだ!」


「まぁ、良いのだが……あまり効かんぞ?」


 渋い顔で告げながら指示通りに行動する魔王様。

 ん? あまり効かないって何で分か……そうか、属性か!?

 はっと気付いた時には遅かった。


 火炎ブレスが放たれトンボたちを炎で包み込む。

 しかしHPの減りが少ない。

 クソ、まだ半分近く残ってる。ダメージ半減ってことか。半減されなければ全滅できたのに!?


「やっちまった」


「ああ、属性を知らなかったか、まぁ、次頑張れ」


 ちょ、魔王様諦め早くね!?


「主様、私はいかがいたしましょう」


「あ、そっか、えっと……」


「節々が痛いのぅ」


 おじいちゃんは戦意喪失。うん、だめだ。


「仕方ない。次に放つ予定だった主は来ませりを二体が貫通するようにできるか?」


「可能です。お任せを」


 ロザリオを両手で持って胸元に。眼を閉じたレスティスが念じると、ロザリオに光が集まった。

 片手でロザリオを掲げた瞬間、ロザリオから放たれた光が一筋、トンボたちを襲撃する。

 よし上手い、二体とも纏めて撃破……撃、破してない!?


 片方だけダメージの通りが浅かったのか、8ポイントのHPが残った。

 味方のターンが終了し、敵の攻撃。

 狙われたのは、爺さんだ!


 ケンウッドさん、回避、回避っ、きゅぴーんって……することなく直撃の体当たりを喰らって吹っ飛ぶケンウッド。

 ごろごろごろっと地面を転がり血反吐を吐き散らす。


「どうやら、お迎えがきたようじゃ……」


 じいちゃ――――ん!?

 なんてこった明鏡止水発動せずに死んじまった。

 いや、アレが確率発動だって分かってはいたけどさ。

 畜生、これで残り三人。WAVEから言って次で最後の筈だけどこれは少々想定外だ。


 通常攻撃で残っていた敵を撃破し、最終WAVEへ。

 おお、目の前にデカデカとFINALWAVEと文字が出た。

 よし、後は二体のトンボを撃破すれば……三体だと!?


 まさかの三匹出現に唖然。

 すでにリーハはスキルを二つ使っているので残り4ターンは使えない。

 残っているのは魔王覇気。全体の能力を上げる技だ。今は一手でも攻撃したい。使うことなく攻撃が最善手だ。


 サクヤは水弾三連と水神破砕線。そうだ、さっきの逆でリーハが魔王覇気して攻撃力上げてサクヤがトドメを。よし、それで行こう。

 レスティスは攻撃で良いだろう。


「リーハ、魔王覇気。サクヤ、リーハがスキル使った後に水神破砕線で巻き込みを!」


「構いませんけど、おそらく二体しか当てられませんわ」


「分かった。レスティスは生き残りで一番体力の低い敵を攻撃」


「かしこまりました」


 リーハが高笑いを上げながらスキル発動。

 皆に上昇エフェクトが掛かる。


「行きますわ! 水神破砕線!」


 水の光線がトンボたちの側面から放たれる。

 こめかみを打ち抜く一撃を受け、二体のトンボが大ダメージ。

 しかしまだ生きている。

 最後のレスティスの一撃。HPは1残った。おしいっ。


「きゃぁ!?」


 トンボたちの反撃。二連撃がサクヤ に襲いかかる。

 まさかの一瞬でHPバーが消え去りサクヤが死亡する。


「……まだまだ、私はしつこいですわ!!」


 化生・蛇神が発動し、サクヤの身体が急激に膨れ上がる。

 巫女服がパサリと落ちて、鱗が巨大化。

 サクヤが巨大な白蛇様へと変化したのである。


 おおすっげぇ。これは強力な予感がします。

 必殺スキルも溜まってる。行けるか?

 そう思った次の瞬間だった。残っていたトンボ一体の攻撃がサクヤに決まる。

 そして悪夢のクリティカル。


「ギシャァ――――!?」


 って、一撃かよ!?

 レベルが7しかないから弱過ぎたらしい。

 サクヤさんが散ってしまった。

 残るは属性的に耐性攻撃しか持ってないリーハと回復役のレスティスの二人だけ。

 二対三。これはさすがにマズいかも。


「くらえ!」


 リーハの攻撃で敵を一体、レスティスの一撃でさらに一体、を撃破できない。レスティスの攻撃力が低過ぎたようだ。

 残った二体が集中してレスティスに攻撃。


「ああ、神よ、身元に参ります……」


 レスティスさーん!?

 クソ、リーハしか残ってないじゃないか。


「クク、主様よ、見よ、必殺ゲージが溜まったぞ!」


「わ、分かった。頼むリーハ!」


「クハハハハハハハ!! 塵芥どもよ天を見上げ絶望せよ! 我が名はグレヴィウスリーハ! 貴様等を悉く撃ち滅ぼす者である。星屑達乃虐殺スターダストディザスター!!」


 リーハの必殺がついに放たれた。

 真上に片手を上げて魔力を集中。

 放たれた魔力は天高く撃ちあがり周囲の雲を消し飛ばす。

 円状に逃げた雲の合間を突き抜けて、しばし。真上から流星雨となって敵陣へと降り注いだ。

 そして敵に背中を見せて仁王立ちするリーハさんがふははははははは。と高笑い。背後では地上に激突した無数の魔力弾が地面を穿ちマシンガンを上空から撃ったみたいな悲惨な状況になっている。


 これ、魔王と敵対した時僕らが喰らうんだよね……普通に死ねるぞ?

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