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第9章のピックアップガチャ

 危険な章を早々クリアした僕たちは、即座に次章である9章1話をタップ。

 全員ジャンプで次の場所へと飛ぶ。

 って、さっむぅ!?


 僕らが次にやって来たのは豪雪地帯。

 視界は一面銀世界で猛吹雪。

 殆どの仲間が寒さに身じろぎしている。

 これはきつい。


 ゴーっと音が聞こえるのは雪を運ぶ暴風の音だろう。

 その音のせいで近くの仲間たちの声すら聞こえない。

 つか、寒い。


「こ、これってどうしろと、あ、リーハ、ファイアーブレスだ、皆であったまろう」


「ダイスケよ、炎を吐くのは良いがこれ、一瞬しか出せんぞ?」


 クソッ、魔王の癖に使えねェ!


「あ、ダイスケ、ピックアップ、ピックアップガチャでなんとかなるんじゃない!?」


「そうかピックアップ!」


 即座に震えながらピックアップガチャを開く。

 第9章の☆5キャラは……火炎龍サラマンどらー? ☆4に灼熱男児オイラー、凍結精霊ミゼラの三体。

 お勧めは? ちょっと暑苦しそうなオイラー君だろう。体中から熱気という名の炎を迸らせているのであったかそうではある。

 よし、来いオイラー!


「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」

「私が全てを凍らせましょう」

「た、たすけてぐれぇぇぇぇ」

「お、ダイスケ君じゃないか、よろし……あ、あぁ……ア゛ア゛ア゛ァ゛」


 なんでじゃーっ!?

 ヘイグルの呪いだとでも言うのか!? いくらなんでも出過ぎだろう!


「へ? き、きゃあぁぁぁぁ!?」


 周囲がゾンビだらけだと気付いた召喚されたミゼラさん。

 慌てて逃げて来て僕に抱きつく。

 身体がめっちゃくちゃ冷てぇぇぇっ!?


「あ、あの人たち変なんですぅーっ」


 分かってる、分かってるからくっつかないで。ちべたいっ。身体がちべたいっ。

 もう一人の生存者が逃げて来る。

 が、こっちはこっちでゾンビどころじゃなかった。


「熱い、熱いぃぃぃ」


 そいつは☆3のキャラクター。

 全身が炎に塗れている誰か。

 炎に塗れているせいで相手の容姿が全く分からない。

 炎に包まれていたせいでゾンビヘイグルたちは近づけなかったようだ。


 火炎人インフェルノォォォォゥ。どう見ても人が炎に包まれているように見えるのだが、絶えず燃えてるのがデフォルトの人らしい。

 熱い熱い言ってるけど水なんてかけようものなら彼は死んでしまうそうだ。

 常に燃えてるのが生存条件らしい。なんだそれ? でも彼の傍は温かいからいいや。

 セフィーリアさんヘイグル撃破よろしく。


「銃が凍りついて動きませんから無理ですね。というか動きたくありません」


 セフィーリアさんも動くのを諦めインフェルノォォォォゥを焚き火代わりにしている。

 リーハさん、やっちゃって……


「寒過ぎて眠くなってきたぞ」


 と、冬眠だぁぁぁ!?


「くそ、ナルタ、お願い!」


 他の女性陣も軒並み動けなくなっていたので仕方なくナルタにゾンビ殲滅をお願いする。

 彼女だけは状態異常を受け付けないのでこういう時めちゃくちゃ重宝するのだ。

 うん、メインメンバーだよなぁナルタ。

 オリジナル見付けたら絶対に仲間にしよう。


 なんとかインフェルノォォォォゥのおかげで凍死の危機は去ったけど、これは寒い。

 あ、そうだ。ショップに防寒服とか売ってないか?

 ヘイグルが殲滅したのを確認した僕はショップを調べる。


 あったよ。ホッカイ王とかいうのがあったよ。これ一つでパーティー全体が豪雪地帯でも普通に過ごせるっていう凄いアイテム。

 即座に金を支払い購入。

 こういうイベントアイテムがある場合は事前通知してほしい。


「まったく、こういうものがあるなら早く教えてください」


「今もしかしたらと思ってショップ開いたんだよ。セフィーリアさんだって気付いてなかっただろ。今回は不可抗力」


「……そうですね。今回は駄女神とやらが悪いと思っておきます」


 ―― なんでさーっ!? ――


「大体犯人って言ったら駄女神さんだしな。ホイホイ君の時もあるけど、ゾンビとかゾンビとかゾンビとか」


 ―― ゾンビいいじゃないかーっ ――


 神様二人が訂正しろーとか抜かしてやがるけど僕らは気付かないことにして街目指して歩きだすのだった。

 どうでもいいけど吹雪で全く前が見えない。イリスの案内だけが頼りだよ。

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